新型コロナウイルスの症状について

新型コロナウイルスの症状

いつ、誰が感染してもおかしくはないコロナウイルス。
「感染したら実際にはどんな症状が出るのだろう」
「感染してしまった時にはどうすればいい?」

ということは、日々を過ごす中でとても気になることだと思います。

そこで、このページでは新型コロナウイルスの症状について分かりやすく紹介し、、感染した場合の対応法について詳しく説明していきます。

コロナウイルスに感染したときに最も多い症状

コロナウイルスに感染した場合、最も多く現れる症状には、以下のものがあります。

・発熱
・咳(せき)
・倦怠感(体の強いだるさ)
・味や匂いの喪失

たまに見られる症状

多くはありませんが、以下の症状が現れる場合もあります。

・頭痛
・下痢
・嘔吐
・喉の痛み
・体の痛み
・皮ふの発疹
・指やつま先の変色
・目の充血や炎症

重篤な症状

重篤な症状として、以下の症状が現れることがあります。

・呼吸困難
・息切れ
・発話障害
・運動障害
・混乱
・胸の痛み

重篤な症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
なお、医師の診察を受けたり医療機関を受診する前に、必ず電話で連絡をしてください。

コロナウイルスの潜伏期間

コロナウイルスの潜伏期間

コロナウイルスには、感染してから発症(症状が体に現れる)するまでに潜伏期間があります。
潜伏期間は1日から最大14日間で、平均して4.82日(約5日~6日)ほどです。

なお、発熱や倦怠感などの症状は、感染して4~5日目に現れることが多いです。 逆に、味覚障害や嗅覚障害などの症状は、感染して約1週間後など、遅く現れることもあります。

※参考サイト:新型コロナウイルス感染症の潜伏期間の推定について

他の人にうつしてしまう可能性がある期間

コロナウイルスに感染した場合、症状が現れた日の2日前から発症後の7日~10日間が、他の人にうつしてしまう可能性がある期間になります。 また、約14日間は人にうつす可能性が高いという調査結果もあります。

なお、コロナウイルスの症状が重症であればあるほど、他の人にうつす可能性がある期間は3~4週間と長くなります。

コロナ治療完了後の生活は?

コロナウイルスに感染して治療が完了したあとは、元の生活に戻れます。
ただし、治療完了後の4週間(約1ヵ月)は、下記の対策を行ってください。

・石鹸やアルコール消毒を用いての手洗い
・咳エチケット
(ハンカチやティッシュ、袖や肘の内側で鼻と口を押さえる)
・マスクの着用
・健康状態の確認(毎日の体温測定)

なお、もし自分以外に身近でコロナウイルス感染者が出た場合については、下記で詳しく紹介しています。

「もし身近でコロナウイルス感染者が出た場合」をすぐに見たい方はこちら

コロナにかかっても症状が出ない人もいる?

新型コロナウイルス感染症の無症状者

コロナウイルスは感染しても、特に症状が出ない「無症状」である人も多くいます。
無症状とは、コロナウイルスに感染して陽性であるのに、発熱や倦怠感などの症状が全く出ない状態です。

無症状の怖い所は、自分でも気づかないうちに人と接触して、他の人にうつしてしまうことがある点です。

また、コロナウイルスに感染後、症状が出ても比較的軽症で済んだり、症状が悪化せずに治る人もいます。 「コロナウイルスは感染する=必ず悪化する」というものではありませんが、人によって無症状や軽症であったり、重症化することもあるので、感染自体を防ぐことが非常に重要です。

「この症状コロナかも?」と思ったらどうしたらいい?

もし日常生活の中で、体調にいつもと違う変化があったり、発熱や体のだるさを感じるなど、「もしかしてこの症状コロナかも?」と思うことがあった場合は、どう対応するのがベストなのか。

コロナウイルスの感染が心配になった場合、かかりつけ医がいる人といない人で、対応が変わってきます。 また、高齢者や持病がある人も対応が異なってくるため、それぞれの対応方法について説明します。

かかりつけ医がいる場合

かかりつけ医(体の不調を感じた時に利用する決まった医師や医療機関のこと)がいる人は、まず電話でかかりつけ医に相談しましょう。 コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにも、診察を受ける前に電話で相談し、医師や医療機関の指示に従ってください。

※参考サイト:厚労省|発熱患者は「かかりつけ医」に電話相談を

かかりつけ医がいない場合

かかりつけ医がいなかったり、特に決まった病院を利用していないという人は、各都道府県のコールセンターに電話してください。

厚生労働省では、各都道府県の新型コロナウイルスに関する受信・相談センターの連絡先をまとめているので、連絡先を知りたい人は、下記の参考サイトをご確認ください。

※参考サイト:新型コロナウイルスの受診・相談センター連絡先

重症化のリスクがある人はすぐに相談を

新型コロナウイルスは、高齢者や基礎疾患がある人は重症化しやすい傾向があります。
重症化のリスクがある基礎疾患には、下記のものがあります。

・肥満
・喫煙
・高血圧
・糖尿病
・心血管疾患
・慢性の腎臓病
・慢性の肺疾患

これらの基礎疾患を有する人や高齢者は、コロナと思われる症状があった場合、様子見はせず速やかにかかりつけ医へ相談したり、医療機関へ連絡・受診してください。

※参考資料:新型コロナウイルス感染症の11の知識

もし身近でコロナウイルス感染者が出た場合

同居している家族や会社の同僚、友人など、もし身近でコロナウイルス感染者が出た場合は、どう対応したらよいのか。 ここでは、それぞれの状況に合わせた対応法を説明します。

自分が濃厚接触者に該当する場合

同居している家族や同じ会社の同僚、定期的に会う親しい友人などがコロナウイルスに感染した時、自分自身が濃厚接触者となる場合があります。

濃厚接触者とは、新型コロナウイルスに感染している人と接触し、感染の可能性が高くなっている人のことです。 具体的には、下記の定義に当てはまる人を指します。

・感染の予防策を行わずに手で触れた
・対面でお互いに手を伸ばしたら届く(1メートル以内)距離にいて、15分以上の接触があった

濃厚接触者に該当するかについては、コロナウイルスに感染した人に保健所が調査を行います。
その後、保健所から個別に連絡があり、濃厚接触者かどうかが判断されます。
もし濃厚接触者に該当する場合は、必ず保健所の指示に従ってください。

※参考サイト:厚生労働省|新型コロナウイルスに関するQ&A

自粛する期間

保健所から濃厚接触者と判断された場合、不要不急の外出を控えるなど自粛する期間(健康観察期間)が設けられます。 これは、濃厚接触者がコロナウイルスに感染している可能性があるためです。

自粛する期間(健康観察期間)は、コロナウイルスに感染した人と最後に接触した日から14日間(2週間)です。 自粛期間中は下記を意識して行動してください。

・毎日体温を測り、健康状態を確認する
・不要不急の外出を控える
・マスクの着用とこまめの手洗いを徹底する
・他の人との接触を避ける

家族が陽性になった場合

家族が陽性になった場合は、下記の行動を参考に対応してください。

①部屋を分ける

個室が用意できる場合は、陽性になった家族と部屋を分け、食事や睡眠はそれぞれ別室で行ってください。

個室が用意できない場合は、カーテンなどで仕切りを作ることで、ウイルスが飛ぶ可能性を減らしましょう。

仕切り越しでも2メートル以上の距離を保つよう意識し、眠る時は頭の位置を互い違いにしてください。

②換気を行う

2つ以上窓がある場合は、2方向の窓を開けて換気を行ってください。窓が1つしかない所では、窓とドアを開けるようにしましょう。

換気の目安は30分に1回以上で、1回の換気は数分程度となっています。できるなら全ての部屋の換気を行ってください。

③共用部分の消毒をする

ドアノブやベッドなど、手で触れる共用部分は消毒してください。
消毒方法は、アルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール)で拭く、または0.05%の塩素系漂白剤で拭いてから水拭きをしてください。

④タオルや食器類は共用しない

日常的に使用するタオルや食器、お箸、スプーン、フォークは共用しないでください。 洗濯や洗浄は、陽性となった家族の物を別々に分ける必要はありません。

※参考資料:身近な人がコロナに感染したら?

自宅療養の時に気を付けたい症状の変化

コロナウイルスに感染して陽性となった場合、自宅療養となることがあります。
そこで、自宅療養になった時に気を付けたい症状の変化について説明します。

パルスオキシメーターの数値

コロナウイルスに感染して陽性になった場合、保健所からパルスオキシメーターという測定器が配布されます。

パルスオキシメーターは皮膚を通して、酸素飽和度(心臓から全身に運ばれる血液(赤血球)に含まれるヘモグロビンに、酸素がどれくらい結合しているかの測定値)を測る測定器です。
皮膚を通して測ることができるので、測定器に指を挟むことで測定できます。

パルスオキシメーターで測れるのは、酸素飽和度(SpO2)と脈拍数です。
酸素飽和度は、肺や心臓の病気などで体内に酸素を取り込む力が落ちると下がってきます。

酸素飽和度は96~99%が標準値とされていて、90%以下になると、呼吸不全の可能性があり医療機関の対応が必要となってきます。 そのため、パルスオキシメーターで測った測定値が、93以下だった場合は速やかに保健所に連絡してください。

なお、90%以下になった場合はすぐに119番に電話し、救急車を呼んでください。 パルスオキシメーターの数値は、症状の変化や悪化の目安になるので自宅療養中は必ず測りましょう。

※参考資料:自宅療養中に保健所等に相談する症状の目安

症状の変化をチェック

自宅療養中は、健康観察を行う必要があります。
症状の変化にいち早く気づくためにも、自宅療養中は下記の項目のチェックを1日2回、行ってください。

【表情・外見のチェック】
・顔色が明らかに悪い
・唇が紫色になっている
・いつもと違う、様子がおかしい


【咳やたんのチェック】
・咳やたんが酷くなっている

【息苦しさのチェック】
・息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
・急に息苦しくなった
・日常生活の中で少し動くと、息が上がる
・横になれない、座らないと息ができない
・肩で息をしている・ゼーゼーしている


【全身倦怠感のチェック】
・起きているのがつらい

【嘔吐や吐き気のチェック】
・嘔吐や吐き気が続いている

【下痢のチェック】
・下痢が続いている(1日3回以上の下痢)

【意識障害のチェック】
・意識がぼんやりしている(反応が弱い)
・意識がもうろうとしている(返事がない)
・脈が飛ぶ、脈のリズムが乱れる感じがする


【その他症状のチェック】
・のどの痛みがある
・鼻水や鼻づまりがある
・頭が痛い
・間接や筋肉の痛みがある
・味を感じない
・匂いを感じない
・食事が食べられない
・半日で一度も尿が出ていない
・けいれんやしびれがある
・目に充血がある
・よく眠れない

※参考サイト:東京都福祉保健局|自宅療養中の注意事項

デキサメタゾンを事前に準備するケースも

コロナウイルスに感染して陽性となり、自宅療養をする人には、コロナウイルス治療薬のデキサメタゾンが渡されるケースもあります。 デキサメタゾンは、炎症性疾患やアレルギー疾患の治療に使われるステロイド薬です。

また、新型コロナウイルス治療薬として日本でも承認されています。
ただし、デキサメタゾン錠は新型コロナウイルスに感染して中等症、重症になった人の治療に用いられる薬です。

軽症の場合には効果がないという説もあり、また早すぎる服用はかえって症状を悪化させる恐れもあります。 そのため、重症化を防ぐために事前に準備しておき、医師の指示のもと必要に応じて服用しましょう。

※参考サイト:日本経済新聞:抗炎症薬デキサメタゾンについて

まとめ

コロナウイルスは、誰でも感染する可能性があるウイルスです。
実際、多くの人が感染しているので、不安を感じてしまうのも仕方ありません。

しかし、気になる症状があったり、実際に感染した場合でも、どういう症状があるのかを正しく理解し、対応法を知っておくことで対処もできます。

もし何か気になる症状があったり、コロナかもしれないと気になった時には、焦らず落ち着いてその時に必要な対応法を行いましょう。

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