コロナワクチンについて

コロナワクチンについて

「ワクチンは接種したほうがいいのか」
「本当に安全なの?」 「副作用が心配…」
など、コロナ感染を防ぐためのワクチン接種については、色々な意見が飛び交っています。

このページではコロナワクチンについて、公的な情報を中心にまとめて紹介します。

コロナワクチンとはどういうものなのか、気になる安全性や有効性、話題となる副作用や対応法、ワクチンに関する疑問を分かりやすく説明していきます。

新型コロナウイルスのワクチン最新ニュース

日本国内では2021年10月18日時点で、全人口の6割以上が新型コロナウイルスのワクチンを接種しています。 この内、1回目を接種した人の割合は75.3%と7割を超えています。
そして、2回目を接種した人の割合は67%と6割を超えている状況です。

なお、2021年9月19日時点で日本のワクチン接種率はアメリカを上回っています。 アメリカのワクチン接種完了率は54.7%でしたが、日本のワクチン接種完了率は人口の54.8%となっています。

また、WHO(世界保健機関)では中程度~重い免疫不全の人など、新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクが高い人たちに対して、3回目のワクチン接種や接種対象を広げるかについて検討されています。

※参考サイト:首相官邸ホームページ|新型コロナワクチンについて

※参考サイト:日本経済新聞|ワクチン接種完了率、日本が米を逆転

現在使用されているワクチンの種類

日本国内では、現在3種類のワクチンが使用されています。
ここでは、それぞれのワクチンの仕組みについて解説します。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン【ファイザー・モデルナ】

製薬会社のファイザーやモデルナが開発したワクチンは、mRNAワクチンというものです。
新型コロナウイルスには、人の細胞に侵入するために必要な、スパイクタンパク質を持っています。

mRNAワクチンの仕組み

このスパイクタンパク質を作る設計図(遺伝情報)がmRNAであり、mRNAを脂質で保護したものがmRNAワクチンとして人の体に注射されます。

注射されたmRNAは細胞に取り込まれ、設計図の遺伝情報が読み込まれてスパイクタンパク質が作られます。 この作られたスパイクタンパク質に対して、T細胞(侵入したウイルスの破壊や抗体を作る指示を担う細胞)が働きかけることで抗体が作られ、新型コロナウイルスに対しての免疫を獲得できます。

なお、注射されて体内に入ったmRNAは数分~数日で分解されていきます。
mRNAは新型コロナウイルスの遺伝情報が体内に入るということで、人のDNA(遺伝情報)への影響はないのか、と心配する声もあります。

mRNAワクチンとDNA

しかし、mRNAは人のDNAに組み込まれるものではありません。
そのため、mRNAが体内に長期にわたって残ったり、DNAへ影響するということはないと考えられています。

「ワクチンの副反応」をすぐに知りたい方はこちら

※参考サイト:厚生労働省|ワクチンにはどのようなものがあるのか

※参考サイト:ワクチンの効果と副反応

※参考サイト:ワクチンによる身体・子供への影響について

ウイルスベクターワクチン【アストラゼネカ】

医薬品企業のアストラゼネカが開発したワクチンは、ウイルスベクターワクチンというものです。

ウイルスベクターワクチンは、新型コロナウイルスが持つスパイクタンパク質(人の細胞へ侵入するのに必要なタンパク質)の遺伝情報を、アデノウイルス(風邪のウイルス)に組み込んだものです。

アデノウイルスという風邪のウイルスが使われているといっても、ウイルスが体内で勝手に増殖しで病気を引き起こすといった悪さをしないよう、ちゃんと加工されています。

この体加工されたアデノウイルスが、ウイルスベクターワクチンとして体内に注射されます。
ちなみに、ウイルスベクターは「運び屋」という意味であり、ウイルスに特定の遺伝情報(ここではスパイクタンパク質の情報)を運ばせるワクチンのことを、ウイルスベクターワクチンと呼びます。

体内に注射されたウイルスベクターワクチンは体内の細胞に感染し、新型コロナウイルスがのスパイクタンパク質が作られていきます。 このスパイクタンパク質に対して体の免疫細胞が反応することで、抗体や免疫を獲得することができます。

なお、ウイルスベクターワクチンは、海外ではエボラウイルスのワクチンとして2019年に承認されています。

※参考サイト:アストラゼネカ社のベクターワクチン

※参考サイト:mRNAワクチンとウイルスベクターワクチンの基本

「ワクチンの副反応」をすぐに知りたい方はこちら

ワクチンの安全性と有効性

コロナワクチンの有効性

新型コロナウイルスのワクチンに対して気になるのは、接種して本当に体に悪影響はないのか、コロナに有効なのかどうかという点です。

ワクチンの安全性や有効性については、承認される前に数万人に及ぶ大規模な臨床試験が行われています。 その後審査が行われ、安全性・有効性を確認した上でワクチンとして承認されています。

各ワクチンの有効性としては、ファイザー社のワクチンによるコロナウイルス発症予防効果は約95%、モデルナ社のワクチンによるコロナウイルス発症予防効果は約94%と、いずれも高い効果が確認されています。アストラゼネカ社のワクチンはファイザー社やモデルナ社に比べるとやや劣りますが、約70%のコロナウイルス発症予防効果が確認されています。

大規模な臨床試験を経て承認され、世界中で接種されているワクチンは、安全性や有効性が高いワクチンであることが分かっています。

健康調査

また、日本国内ではワクチン接種が開始された後の健康調査や、ワクチン接種後の副反応が疑われるものについて、専門家による評価・結果の公表も行われています。
健康調査については、ファイザー社のワクチン接種を受けた医療従事者(約2万人)に、接種後約1ヵ月に起こった症状や病気に関する調査が行われています。

モデルナ社のワクチンも、自衛隊員(約1万人)に接種後の症状の頻度を調べる調査が行われています。 このように、ワクチンとして承認後も、様々な調査や評価は引き続き行われています。

なお、ワクチンはコロナウイルスにかかりにくい、かかっても重症化を防げるといった有効性があり、接種することで高い発症予防効果を得られますが、発症予防効果は100%ではありません。
そのため、接種後も引き続きマスクの着用や、こまめの手洗いなど感染対策を行う必要があります。

※参考サイト:コロナワクチンの有効性・安全性について

※参考サイト:ワクチンの効果について

ワクチンの副反応

新型コロナウイルスのワクチンは、接種することで副反応(ワクチン接種後、体に起こる症状)が現れることがあります。 副反応や副反応の発現率は、接種するワクチンの種類によって違いがあります。

ここでは、3種類のワクチンそれぞれの副反応とその発現率について説明します。

ファイザー

ファイザー社のワクチン接種による副反応は、主に頭痛、関節痛や筋肉痛、ワクチンを注射した部位の痛み、疲労や寒気、発熱などがあります。 ワクチン接種による副反応は、1回目の接種後より2回目の接種後に多く見られ、特に若い男性の方に多い傾向があります。

それぞれの副反応と発現率は、下記の表を参考にしてください。

発現率副反応の症状
50%以上接種した部位の痛み、疲労、頭痛
10~50%筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種した部位の腫れ
1~10%吐き気、嘔吐

また、まれに起こる重大な副反応にショックやアナフィラキシーショックが発現することがあります。 その他に、ごくまれにすが軽症の心筋炎・心膜炎の発現もあります。

もしワクチンを接種してから数日以内に胸の痛みや動機、息切れやむくみといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

上記の副反応以外にも、ワクチン接種後に何か気になる症状があったばあいは、ワクチン接種を行った医師や、かかりつけ医に相談してください。

※参考サイト:コロナワクチンの副反応について

※参考サイト:ファイザー社のワクチンについて

モデルナ

モデルナ社のワクチン接種による副反応は、主にワクチンを注射した部位の痛み、頭痛、関節痛や筋肉痛、疲労や寒気、発熱などです。 ワクチンを注射した部位の痛みについては、接種した直後よりも、翌日に痛みを感じる人が多くいます。

また、ワクチンを接種して1週間ほど経ってから、痛みや腫れが現れることもあります。
モデルナ社のワクチンもファイザー社のワクチンと同じく、副反応は1回目の接種後より2回目の接種後に多く現れ、特に若い男性に多いという傾向があります。

それぞれの副反応と発現率は、下記の表を参考にしてください。

発現率副反応の症状
50%以上接種した部位の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛
10~50%関節痛、悪寒、吐き気や嘔吐、リンパ節症、発熱、接種部位の痛み、晴れ、紅斑
1~10%接種後7日以降の接種部位の痛み、晴れ、紅斑

モデルナ社のワクチンでも、重大な副反応としてショックやアナフィラキシーショックがまれに起こることがあります。また、 ごくまれな副反応として、軽症の心筋炎・心膜炎が発現することもあります。

ワクチンを接種して数日以内に胸の痛みや動機、息切れ、むくみといった症状が起こったら、すぐに医療機関を受診してください。 上記の副反応以外にも、ワクチン接種後に何か気になる症状が出た場合は、ワクチン接種を行った医師や、かかりつけ医に相談してください。

※参考サイト:モデルナ社のワクチンについて

アストラゼネカ

アストラゼネカ社のワクチン接種による主な副反応は、ワクチンを注射した部分の痛み、頭痛、関節痛や筋肉痛、疲労や寒気、発熱、倦怠感です。
副反応は、1回目のワクチン接種の方が2回目の接種時よりも現れる頻度が高いです。

それぞれの副作用と発現率は、下記の表を参考にしてください。

発現率副反応の症状
50%以上接種した部位の痛み、疲労、頭痛
10~50%倦怠感、悪寒、関節痛、吐き気、接種部位の熱感やかゆみ
1~10%発熱、嘔吐、接種部位の腫れ、発赤、硬結、四肢の痛み、無力症

まれに起こる重大な副反応には、ショックやアナフィラキシーショックが起きる場合があります。

その他にごく稀な副反応として、海外では血栓症(激しい頭痛や息切れなど)や毛細血管漏出症候群(手足のむくみ、低血圧など)、脱髄軽症(運動障害や感覚障害など)などが報告されてます。

ワクチン接種後に何か気になる症状が出た場合は、ワクチン接種を行った医師や、かかりつけ医に相談してください。

※参考サイト:アストラゼネカ社のワクチンについて

※参考サイト:ワクチンの効果と副反応

副反応が出た時の対処法

新型コロナウイルスのワクチンを接種後、全ての人に副反応が現れるわけではありません。
体調の変化が特に現れない人もいます。

一方で、熱やワクチンを接種した部位の痛み、倦怠感(体のだるさ)などの副反応が現れる人もいます。 もし副反応が出た場合は、どう対処したら良いのか。ここでは、副反応それぞれの対処法を紹介します。

※参考サイト:副反応の対応について

【コロナ治療薬を詳しく見たい方はこちら】

発熱・痛み

新型コロナウイルスのワクチンを接種した後、発熱や注射した腕の痛みが現れた場合は、下記の対処法を行って様子を見てください。

・十分な水分補給を行う
・解熱鎮痛剤を服用する

解熱鎮痛薬は、市販されているもの服用しても大丈夫です。
市販の解熱鎮痛薬では、アセトアミノフェン(カルナール)やイブプロフェン(EVE)、ロキソプロフェン(ロキソニン)などの成分が配合されているものが、発熱や痛みに対して使用できます。

※参考サイト:ワクチン接種後の発熱について

※参考サイト:ワクチン接種後の解熱鎮痛薬の服用について

発疹・かゆみ

新型コロナウイルスのワクチンを接種後、1週間をすぎたあたりから、注射した腕に発疹やかゆみが現れることがあります。 症状が現れた場合は、下記の対処法を行うことで症状を軽減できます。

・発疹やかゆみが出ている部位を冷やす
・抗ヒスタミン剤を使用する
・ステロイド外用薬を使用する

副反応による発疹やかゆみは数日の内に改善しますが、症状が酷かったり、数日たっても軽減しない場合は、皮膚科医に相談してください。

※参考サイト:ワクチン接種後のかゆみや赤みについて

ワクチンQ&A

新型コロナウイルスのワクチンについて、気になる不安や疑問点を解説していきます。

Q:ワクチン接種後、多くの人が亡くなったというのは本当か?

A:新型コロナウイルスのワクチンを接種して亡くなった=ワクチンによって亡くなった、という訳ではないです。 ワクチンを接種後に死亡した事例が報告されているのは事実ですが、ワクチンが直接の原因となったケースはありません。

アメリカの調査ではワクチンの接種と死亡事例については、明らかな因果関係はないという結果が出ています。 なお、ワクチン接種と死亡事例の因果関係については、現在も国内・海外の両方で慎重なモニタリングが行われています。

※参考サイト:ワクチン接種による死亡事例について

Q:ワクチン接種後に血栓症・心筋炎・心膜炎になる人がいるのは本当か

A:アストラゼネカ社のワクチンは接種後、稀にですが血栓症が起きることが報告されています。
血栓症が起きる割合は、約10~25万回のワクチン接種の内、1回程度です。

一般的な血栓症と比べても頻度は稀ですが、ワクチンを接種後1ヵ月以内に発現し、特に若い女性に発現する頻度が高いという報告があります。
ただし、もし血栓症が起こっても治療法は国内でも取りまとめられています。

また、ファイザー社のワクチンは接種後に、心筋炎や心膜炎を疑うケース報告されています。
心膜炎や心筋炎の事例はごく稀なものですが、1回目のワクチン接種後より2回目のワクチン接種後、高齢者より思春期の人や成人の中でも若い人、女性よりも男性に多いことが報告されています。

稀に生じる可能性がある心筋炎や心膜炎ですが、軽症の場合が多く、ワクチンを接種しないリスクよりも、ワクチンを接種するメリットがより大きいと考えられています。

※参考サイト:ワクチン接種後の血栓症について

※参考サイト:ワクチン接種後の心筋炎や心膜炎について

Q:妊娠中にワクチンを接種して大丈夫なのか

A:妊婦さんや授乳中の人、妊娠を考えている人もワクチンを接種して大丈夫です。
日本では、承認されている新型コロナウイルスのワクチンが妊娠に関わること(生殖器、胎児、母乳)に悪影響を与えるという報告はされていません。

また、ワクチンは妊娠中の時期を問わずに接種できます。
妊婦さん(特に妊娠後期)は、新型コロナウイルスに感染すると重症化されやすいとされているため、ワクチン接種が推奨されています。

ちなみに海外の研究では、妊娠中にワクチンを接種すると、生まれてくる赤ちゃんにも抗体ができることが報告されています。 なお、ワクチンについてはmRNAワクチンの接種が推奨されています。

※参考サイト:妊娠中・授乳中のワクチン接種について

※参考サイト:ワクチン接種による新生児の免疫について

Q:持病を持っている人はワクチン接種できるのか

A:基礎疾患(高血圧、糖尿病、喘息、肥満)など、慢性的な病気の持病を持っている人でも、新型コロナウイルスのワクチンを接種できる場合が多いです。 基礎疾患がある人は、新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクが高いので、ワクチン接種の優先対象となっています。

ただし、持病によっては注意が必要なケースがあります。
また、持病が悪化している時は、ワクチン接種は避けた方がよいとされています。
そのため、持病がある人は、体調が良好なときにワクチンを接種しましょう。

なお、ワクチンを接種する場合は、必ず事前にかかりつけ医や主治医に相談されたうえで、接種について判断してください。

※参考サイト:基礎疾患(持病)がある人のワクチン接種

TOPに戻る