パキロビッドの副作用について

パキロビッドの副作用

新型コロナウイルス感染症の治療薬として、パキロビッドという薬が新たに承認されました。

臨床試験では高い効果が認められ、オミクロン株にも有効と期待されているパキロビッドですが、副作用に気を付ける必要があります。

このページでは、パキロビッドにはどのような副作用の症状があるのか、そして服用する上での注意点を詳しく紹介していきます。

※新型コロナウイルスに関する最新情報については、必ず厚生労働省や首相官邸など、公的機関のサイトで公表されている情報をご確認ください。

下記の参考サイト(厚生労働省、首相官邸)にてご確認いただけます。
※参考サイト:新型コロナウイルス感染症
※参考サイト:新型コロナウイルス感染症対策

その他コロナ処方薬の副作用について

パキロビッド以外にも日本国内で新型コロナウイルスに対する使用例のある医薬品に関して、副作用と一緒に紹介します。

下記表を参考にしてみてください。

先発薬 モルキシビルモルキシビル デキサメタゾンデキサメタゾン
価格 ¥9,800
(1カプセル¥245)
¥1,600
(1錠¥53)
内容量 40カプセル 30錠
特徴 国内でも承認された
新型コロナの治療薬
膠原病やアレルギーの薬
コロナ治療薬としても使用される
副作用 下痢
悪心
その他...
吐き気
下痢
その他...

パキロビッドの副作用で起こる症状

パキロビッドの副作用・味覚障害

パキロビッドを服用した際、主な副作用として下記の症状が起こる場合があります。
もしパキロビッドを服用していて下記の症状が起こったら、服用を中止して医師にご相談ください。

【副作用の症状】
・味覚障害
・浮動性めまい
・高血圧
・下痢、軟便
・吐き気、嘔吐
・胃食道逆流性疾患
・ALT上昇、AST上昇(肝機能検査値の異常)
・発疹
・筋肉痛

※参考サイト:処方箋医薬品|パキロビッドパック

重い副作用

パキロビッドを服用中、下記の重い副作用の症状が現れる可能性があります。
万が一これらの症状が現れたり、体に何かしらの異常を感じた場合は、すぐに服用を中止して医師の診察を受けてください。

【重い副作用の症状】
・肝機能障害
・中毒性表皮壊死融解症
・皮膚粘膜眼症候群(スティーヴンス・ジョンソン症候群)

※参考資料:厚生労働省|パキロビッドパック

パキロビッドを服用してはいけない人

パキロビッドはコロナウイルスに対して高い有効性が認められていますが、服用できない人もいます。

下記に該当する人はパキロビッドを服用できないため、もし服用を考えている場合は、必ずご自身が該当していないかご確認ください。

【服用できない人】
・パキロビッドに含まれる成分に対して、過敏症の既往歴がある人
・腎臓や肝臓に障害がある人で、コルヒチンを使用している人
・アンピロキシカム(フルカム)、ピロキシカム(バキソ、フェルデン)などの鎮痛薬を使用している人
・エレトリプタン(レルパックス)、ジヒドロエルゴタミンなどの片頭痛治療薬を使用している人
・オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)、アゼルニジピン(カルブロック)などの降圧薬を使用している人
・アミオダロン(アンカロン)、ベプリジル(ベプリコール)、フレカイニド(タンボコール)、プロパフェノン(プロノン)、キニジンなどの抗不整脈薬を使用して いる人
・リバーロキサバン(イグザレルト)などの抗凝固薬を使用している人
・リファブチン(ミコブティン)、リファンピシン(リファジン)などの抗結核薬を使用している人
・ブロナンセリン(ロナセン)、ルラシドン(ラツーダ)、ピモジドなどの抗精神病薬を使用している人
・エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)などの頭痛治療薬を使用している人
・エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン(パルタン)などの子宮収縮薬を使用している人
・シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、リオシグアト(アデムパス)などの肺高血圧症治療薬を使用している人
・バルデナフィル(レビトラ)などの勃起不全改善薬を使用している人
・高脂血症治療薬:ロミタピド(ジャクスタピッド)
・ベネトクラクス、アパルタミド(アーリーダ)などの抗悪性腫瘍薬を使用している人
・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)などの抗不安薬や抗てんかん薬を使用している人
・クロラゼプ酸二カリウム(メンドン)、エスタゾラム(ユーロジン)フルラゼパム(ダルメート)、トリアゾラム(ハルシオン)などの抗不安薬や催眠鎮静薬を使用している人
・ミダゾラム(ドルミカム、ミダフレッサ) などの麻酔薬や抗てんかん薬を使用している人
・カルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)、フェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)、ホスフェニトイン(ホストイン)などの抗てんかん薬を使用している人
・ボリコナゾール(ブイフェンド)などの抗真菌薬を使用している人
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を摂取している人

ちなみに、下記に記載している人は服用できない対象となってはいませんが、服用する場合は注意する必要があります。もし服用を希望する場合は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。

【服用に注意が必要な人】
・HIVに感染している人
・肝機能が低下している人
・妊娠している人
・授乳中の人
・妊娠の可能性がある人

また、パキロビッドは服用できない人や服用に注意が必要な人だけでなく、服用の対象となる人も決まっています。

パキロビッドの対象となるのは、新型コロナウイルスに感染した軽症~中等症の患者(成人・12歳以上で体重40kg以上のこども)で、下記の重症化リスクを持つ人です。

【重症化リスクを持つ人】
・60歳以上の人
・肥満の人
・喫煙者の人
・免疫抑制疾患がある人
・免疫抑制剤を継続投与している人
・慢性肺疾患がある人
・高血圧の人
・心血管疾患がある人
・心疾患の既往歴がある人
・糖尿病の人
・活動性のがんがある人(限局性皮膚がんを除く)
・慢性腎臓病の人
・神経発達障害(脳性まひ、ダウン症候群など)がある人
・遺伝性疾患やメタボリックシンドローム、重度の先天異常などがある人
・医療技術への依存がある人

※参考資料:処方箋医薬品|パキロビッドパック

※参考資料: COVID-19 に対する薬物治療の考え方

パキロビッドの服用には注意が必要

服用には注意が必要

パキロビッドは、コロナウイルスによる重症化を防ぐ効果が高いというメリットがありますが、併用禁忌薬と併用注意薬が多い薬でもあります。

併用できない薬は30種類以上(約40種)と非常に多く、日常的に服用する人も多い片頭痛の治療薬や、高血圧・不眠症の治療薬なども含まれます。

併用に注意が必要な薬も数多くあるので、普段から薬を服用している人がパキロビッドを服用する場合は、特に注意が必要となります。

また、パキロビッドを服用する場合は、医師との相談が必ず必要になります。コロナウイルスに対して有効な薬ではありますが、他の薬との飲み合わせに注意が必要であるため、安易に服用することは避けましょう。

なお、パキロビッドに対して併用禁忌とされている薬や併用に注意する薬の詳細は、下記の参考資料に記載されている「パキロビッドパックとの併用に慎重になるべき薬剤リスト」をご確認ください。

※参考資料:併用に慎重になるべき薬剤リスト

パキロビッドの新型コロナウイルスに関するニュース記事

パキロビッドの新型コロナウイルス感染症に対する使用例についてのニュース記事をまとめました。

まとめ

パキロビッドは新型コロナウイルスの治療薬として新たに承認され、高い効果が期待されていますが、服用中に味覚障害やめまいなどの副作用が現れる可能性もあります。

コロナウイルスに対しては、入院や死亡リスクを9割近く減少させるという高い効果が認められていますが、服用対象となるのは重症化リスクがある軽症~中等症の患者となっています。

また、併用できない薬や併用に注意が必要な薬がかなり多いという特徴があり、日常的に薬を飲んでいる人が服用する際は、注意が必要です。

他にも、服用対象となる人や服用できない人も明確に決まっているため、今後パキロビッドの服用を希望する場合は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。

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