危険日とは排卵日前後の数日間
一番妊娠しやすい危険日は、生理を基準にして考えると分かりやすくなります。
危険日は生理直後を基準として1~2週間(7~14日)後になります。
もう少し具体的に言えば、排卵日の4日前から1日後の5日間が危険日にあたります。
特に排卵日の2日前が最も妊娠しやすいと言われており、年齢や健康状態にもよりますが、20代では50%以上の妊娠確率があります。
危険日全体では30~50%ですので、妊娠を望む方や避妊を考えている方共に、この数値を参考にしていただきたいと思います。
危険日に妊娠しやすくなる理由
危険日(排卵日前4日から1日後まで)が妊娠しやすくなるのは、簡単に言うと排卵された卵子と膣内に放出された精子が結合する確率が他の日よりも高くなるからです。
排卵日2日前が最も妊娠しやすくなるというのは、卵子の寿命が約24時間なのに対し、精子の寿命が72時間以上と長いため、卵子と精子が元気な状態で結合しやすくなるのがこのタイミングだからです。
ただし、月経の周期や体質には個人差があり、若干の変動があることは理解しておきましょう。
妊娠を希望する場合はこの前後のセックスの回数を増やすと妊娠する確率も上がってくると思われます。
安全日=危険日以外の日
安全日は危険日のように、排卵日から何日というような正確な期間はありません。
簡単に言うと危険日を除く日が安全日ということになります。
この安全日という呼び方で誤解している人も多いようですが、安全日=妊娠しないではなく、安全日でも妊娠する可能性はゼロではありません。
精子の寿命は72時間以上ですが、120時間生きていることも実際にあったようです。
また生理不順で排卵時期が不安定になると危険日のタイミングがズレるので、妊娠の確率は高くなります。
避妊をせずに中出しセックスをすると、危険日でなくても妊娠する可能性はあると考えることが大切です。
危険日を把握する方法
危険日のタイミングには健康状態などによって個人差があり、正確に把握するために3つの方法が主に使われています。
古くから使用されている知名度の高いオギノ式、基礎体温を記録し続ける基礎体温計測と排卵検査がその方法です。
それぞれについて掘り下げて説明します。
生理周期から計算する(オギノ式)
オギノ式は周期的に訪れる生理から排卵日を逆算して計算する方法です。
排卵日は生理の14日目と考えられており、生理が来る日から14日引いた日に排卵が起こると考え大体の時期を予測します。
例えば生理予定日が当月の26日と仮定すると「26日-14日=12日」で排卵予定日は当月の12日と予想されます。
ただ、ホルモンバランスの状態や健康によって排卵日は前後しますので、前後2日程度のズレがあると考えて、生理が来る日から12~16日が排卵時期と考えると良いでしょう。
基礎体温から予測する(基礎体温法)
基礎体温を毎日測定する基礎体温法も、危険日を把握する方法として古くから知られている方法の一つです。
排卵時期を迎えると女性は基礎体温が急激に下がってきます。
その時期を過ぎると基礎体温が高温の時期に入るので、毎日基礎体温を測定しておけば、排卵日の予測が可能になります。
基礎体温は排卵後から次の生理までの間は高温期であり、その後低温期に入りますので急激に下がった日の前後の排卵期が訪れると考えられます。
基礎体温の測り方は通常の体温計とあまり違いはありませんが、婦人体温計という専用の体温計を舌の下に入れて測定します。
朝目が覚めた時が測定のタイミングで横になった状態のまま測定する方法です。
排卵検査薬で予測する(排卵検査法)
排卵検査法は、検査薬を使用して排卵日を予測する方法でオギノ式や基礎体温測定よりも、具体的に排卵時期を調べることができます。
併用することで、より正確性が高くなると思います。
排卵時期が近づくと黄体ホルモンが大量に分泌されるのですが、この分泌がピークに達した後、10~40時間以内に排卵が起こることが予測されます。
妊娠検査薬と同じように、検査薬を採取した尿にかけて検査結果を確認するものが一般的です。
排卵検査薬はドラッグストアで購入可能ですが、ネットでも取り扱っており、簡単に購入することができます。
危険日かも?と感じたらチェックすべきポイント
危険日に避妊せずにセックスをすると妊娠する可能性が高くなります。
妊娠を望む場合は、危険日にセックスすれば良いということですが、危険日かもしれないと感じるポイントは大きく4つあります。
それぞれについて、詳しく紹介したいと思います。
おりものが増える、変化する
排卵の時期になると、普段よりもおりものが増えたり、おりものの状態が変化する傾向があります。
排卵期になると卵の白身を思わせるような年度の高いものになり、分泌量も増えてきます。
ただ注意してほしいのは、おりものが変化した時、単に排卵が近いだけと考えず感染症になっている可能性がある点です。
匂いがおかしいなどの異常を感じたら、産婦人科で診察を受けるようにしましょう。
排卵痛(腹痛)が起こる
危険日の前後(1~2日)に排卵痛が起こる女性は、約1割いると言われています。
排卵されたときに卵胞が破れ、腹膜が刺激されることが排卵痛が起きる要因とされています。
大体は軽いものですが、中には強い痛みを感じる女性もいるようです。
排卵痛で強い痛みを感じる場合は、子宮内膜症を患っている可能性もあるので、その際は念のため産婦人科で診察すると良いでしょう。
排卵痛が起きている時は危険日の可能性が高いので、妊娠を避けたい人はセックスを控えるようにしてください。
少量の出血がみられる
女性器から少量の出血が見られる場合も、排卵日が近く危険日の可能性があります。
少量の出血は排卵痛と同様に排卵時、卵胞が破れると出血が起きます。
この場合は、短時間で出血は収まるようです。
排卵での出血は少量で、おりものに薄く血が混ざる程度ですが、出血が多い場合は不正出血の可能性があります。
少量の出血が見られる状態は危険日と考えて間違いないので、中出しセックスをすると妊娠の可能性が最も高いと覚えておくといいでしょう。
生理前のようなの症状(眠気やだるさなど)が起こる
生理前になると眠気やだるさの他、ちょっとしたことでイライラしたり、肌荒れ、乳房のハリなどの症状が起こります。
この症状が危険日前後に起きる女性もいるようです。
排卵期は生理前と同様にホルモン量に変化があり、その影響が症状として出ることがあります。
生理前と同じような症状がある場合は、危険日かもしれませんので注意してください。
妊娠を望まないなら危険日・安全日と問わず避妊
危険日・安全日について知っておくことは悪いことではありません。
しかし、これは妊娠したい人にとって効果のある情報で、避妊の知識として必ずしも有効とは限りません。
危険日・安全日の区別はあくまで妊娠しやすいか妊娠しにくいかであり、避妊しないセックスはいつでも妊娠の可能性があります。
妊娠を望まないけどセックスがしたいというような方は、危険日・安全日を問わずに避妊をすることが大切です。
避妊の方法としては避妊具を使用する・低用量ピルの服用・アフターピルの服用があります。
それぞれの使い方を理解しておきましょう。
避妊具を使用する
避妊方法として一番一般的なのが、避妊具(コンドーム、避妊リング)の使用です。
コンドームは簡単なイメージもあり、多くのカップルが使用していますが、コンドームの避妊確率は98%と、他の避妊具や避妊方法よりも低い数値です。
感染予防に適していますが、装着の仕方を誤ると確率はさらに低下するので注意してください。
避妊リングが女性の子宮内に取り付けるもので避妊の効果は高く、効果も最長5年は持続します。
抵抗がなければ、都度装着するコンドームよりも有効な方法です。
低用量ピルを使用する
昔はあまり使われていませんでしたが、低用量ピルの服用は近年多く使用されるようになったのが低用量ピルの服用です。
女性ホルモンがピルに含まれており、排卵が抑制されることで妊娠しにくくなります。
低用量ピルは99%以上の避妊確率があり、避妊方法の中で最も高い効果があります。
しかし、毎日決まった時間に服用していないとその効果が薄れてしまいますので、飲み忘れをしないことが重要です。
万が一避妊に失敗してしまったらアフターピル
避妊方法に区分するのは少し違う感じもしますが、アフターピルの服用でも避妊することが可能です。
アフターピルはその名前の通り、中出しセックスをして妊娠の可能性がある時にセックス後に服用するピルです。
アフターピルを2時間以内に服用すると98%以上、2時間以内に服用すると95%以上の避妊成功率があり、危険日に誤って中出しセックスをしても服用すれば避妊が可能になります。
ただ、通常のピルより高額なため、緊急時の避妊策として考える方が良いでしょう。
危険日だから避妊する、安全日だから避妊しなくてもいいは間違い!
避妊せずに無計画にセックスをすると望まない妊娠をする可能性が高くなるため、セックスを楽しむためにも避妊対策はとても重要です。
危険日と安全日についても、危険日は避妊するけど安全日は避妊しないという状況を続けると、妊娠する可能性はどんどん高くなります。
避妊しなくても絶対妊娠しないという日はありません。
安全日であっても妊娠する可能性は常にあるので、妊娠を恐れずにセックスをしたい人は必ず避妊対策をするようにしましょう。