お酒と睡眠薬の併用は可能?
眠れない日々が続くと、睡眠薬以外にもお酒に頼りたいと思うことがあるかもしれません。
しかし、お酒と睡眠薬の併用は危険を伴うため避けましょう。
理由は併用することで、ふらつきや物忘れなどの副作用を起こす可能性があるからです。
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睡眠薬の主な副作用と対処方法|特定の睡眠薬に現れる副作用も解説
一般的にアルコールが体内から消えるまでの代謝時間には、個人差があります。
体重60kgの成人男性を例に挙げると、ビール500mlを代謝するのに3時間以上かかるとされています。
ここからは、お酒と睡眠薬を一緒に飲むリスクについて詳しく解説していきます。
お酒と睡眠薬を一緒に飲むリスク
アルコールと睡眠薬は、どちらも脳の神経機能に作用することで興奮を抑えたり、不安を和らげることができます。
しかし、併用することで相互作用が強まってしまい、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、ふらつきや物忘れといった副作用が悪化するリスクが考えられるでしょう。
双方の効果が増強されることで、適量のアルコールでも過剰摂取になるリスクもあります。
また、以下のようなリスクもあるので併用は避けてください。
・混乱
神経伝達物質のバランスが崩れることで起こり、混乱状態・幻覚といった症状が現れます。
・呼吸抑制
中枢神経を抑制する働きが強くなり、呼吸が浅くなります。
・意識障害
意識レベルが低くなることで、朦朧としたり呼びかけに反応できなくなります。
・協調運動障害
平衡感覚を保てなくなり、歩行困難になるため転倒事故が起きやすくなります。
上記以外にも睡眠時随伴症のリスクが高くなります。
睡眠時随伴症とは、睡眠中などに起こるねぼけ行動の総称で夢遊病などが含まれます。
意識のない状態で歩き回ったり、運転するといった危険な行動を起こすことがあり、とても危険です。
歩き回りながら食べるといった症状も起きやすく、誤飲による窒息の危険性もあります。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬とアルコールの相性は悪く、OD(オーバードーズ)のリスクが高くなるとされています。
※OD(オーバードーズ):医薬品を決められた量を守らず、たくさん飲んでしまうこと
参考ページ
医療用医薬品 : ハルシオン (ハルシオン0.125mg錠 他)|併用注意
医療用医薬品 : デパス (デパス錠0.25mg 他)|併用注意
睡眠障害のリスク
お酒と睡眠薬を併用すると、以下のような睡眠障害を引き起こすリスクもあります。
- 不眠症
- 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠時随伴症(睡眠中に起きるねぼけ行動の総称)
睡眠薬の中でもベンゾジアゼピン系の薬剤には筋肉を緩め、痛みやしびれ感などを緩和する筋弛緩作用があり、アルコールにも同じような作用があります。
そのため、お酒と睡眠薬を併用すると上気道の筋肉が緩みすぎて、舌の根元が咽頭に落ち込んで気道を塞いでしまうことがあります。
その結果、睡眠時無呼吸症候群が発症するリスクが高くなり大変、危険です。
無呼吸発作の時間が長くなると、気づかないうちに低酸素血症が重症化することもあります。
アルコールと睡眠薬どちらも中枢神経系に作用し、睡眠に影響を及ぼします。
眠りが浅くなったり異常行動を引き起こしたり、睡眠の質を低下させる原因にもなるため、睡眠薬とお酒の併用は避けるようにしましょう。
参考ページ
日本大学医学部附属板橋病院 | 睡眠センター | 睡眠よもやま話
睡眠薬とお酒に関する質問
ここからは、睡眠薬とお酒に関する質問についてまとめてみました。
睡眠薬とお酒について詳しく知りたい方は、ぜひご確認ください。
お酒を飲んだ後、どのくらいの時間が経過すれば、睡眠薬を飲んでも大丈夫ですか?
酒を睡眠薬代わりに使えますか?
睡眠薬を飲んでお酒を飲むと眠れないのはなぜ?
酒と睡眠薬は一緒に飲むと危険ですか?
市販の睡眠薬とアルコールを一緒に飲むと、どうなりますか?
睡眠薬とお酒に関する体験談
睡眠薬とお酒に関する体験談を以下にまとめてみました。