睡眠薬の主な副作用と対処方法
現代社会において睡眠不足や不眠に関する悩みは多くの方にとって深刻な問題となっており、その解決策として睡眠薬を選択する人が増えてきています。
睡眠薬には眠りを促す効果がある一方で、さまざまな副作用が伴うことも事実です。
どんなお薬でも副作用があるように、睡眠薬にも以下のような副作用の症状が現れることがあります。
睡眠薬は『副作用が怖い』というイメージを持つ人もいますが、近年では製薬技術の進歩により、安全で副作用が少ない睡眠薬が開発されており、従来の睡眠薬と比較して依存性が低く、翌日の眠気や認知機能への影響も最小限に抑えられています。
脳の働きを抑制することで眠りを誘うものや、自然な眠気を促進することで眠ることができるものなど色んな種類の睡眠薬が存在しており、それらは病院やオンライン診療、個人輸入代行サイトを活用した通販サイトでも購入可能です。。
翌日の眠気
睡眠薬は、効果が強すぎると翌朝まで眠気が残ることがあります。
この翌日まで眠気を持ち越してしまう副作用は、作用時間が長い睡眠薬によく現れ、「持ち越し効果」といいます。
もし以下のような症状が出たら、翌日に眠気を持ち越している可能性があります。
眠気に関する副作用は、作用時間が長い睡眠薬に見られます。
作用時間の長い睡眠薬は、24時間経過しても体から有効成分が抜けきらず、少しずつ体内に溜まっていくため、眠気が生じやすくなります。
もし翌日への持ち越し効果が現れた場合は、以下の点を見直しましょう。
・必要十分な睡眠時間を取っているか
・現在服用している睡眠薬の量を減らす
・別の睡眠薬へ変更する
眠気の副作用に関するSNSの口コミ
参考ページ
医療用医薬品 : ドラール (ドラール錠15 他)|重要な基本的注意
ふらつき
睡眠薬には、筋肉の緊張をゆるめる筋弛緩作用があり、ふらつきの副作用が出る可能性があります。
筋弛緩作用は肩がガチガチに凝っていたり、体の緊張が強かったりする場合は、肩凝りを軽減し体全体をほぐして楽にするなど良い方向へ発揮されます。
高齢者のように、足腰が弱っている人に筋弛緩作用が強く出てしまうと、夜中にトイレに行った際、ふらついて転倒し、骨折するなどのリスクにつながる可能性があります。
ふらつきは、作用時間が長い睡眠薬を服用すると現れやすいため、以下の対策を行いましょう。
・服用量を減らす
・作用時間が短い睡眠薬へ変更する
・筋弛緩作用が弱い睡眠薬へ変更する
ふらつきの副作用に関するSNSの口コミ
健忘(物忘れ)
睡眠薬は、服用後の記憶がなくなるという副作用が起こることがあります。
記憶がなくなると聞くと怖さを感じますが、周囲からはいつも通りの行動をとっているように見えます。
友人と電話していたり、好きなお菓子を食べ散らかしていたりと、翌朝自分が行動した痕跡を見つけて驚くといったようなことが起こります。
このような物忘れを、「前向性健忘」といい、睡眠薬を服用した後の新しい(前向き)記憶ができない状態のことです。
これは、睡眠薬の服用によって中途半端な覚醒状態になり、海馬を中心とした記憶に関連する脳の機能が低下するためだと考えられています。
前向性健忘は急激に睡眠薬が作用するときに起こりやすい副作用のため、以下の状況でも起こる場合があります。
・作用時間が短い睡眠薬を服用した時
・睡眠効果が強いものを服用した時
・睡眠薬の服用量が多い時
・アルコールと睡眠薬を併用した時
前向性健忘を防ぐためには、以下の対処法をおすすめします。
・睡眠薬は眠る直前に服用する
・服用量を減らす
・作用時間の長い睡眠薬に変更する
・絶対に睡眠薬とアルコールを一緒に服用しない
睡眠薬を服用したら、すぐにベッドに入りましょう。
健忘の副作用に関するSNSの口コミ
参考ページ
医療用医薬品 : マイスリー (マイスリー錠5mg 他)|副作用
反跳性不眠(離脱症状)
反跳性不眠(離脱症状)とは、睡眠薬を減らすことで不眠が強く現れてしまう症状のことです。
睡眠薬は、長い期間服用していると体が慣れてしまい、睡眠薬としての効果が薄れる一方、服用量を減らすと不眠がひどくなってしまいます。
このような症状を反跳性不眠と言い、睡眠薬の離脱症状でもあります。
この状態を「睡眠薬が無いと眠ることができない」と誤解する人もいますが、実際には反跳性不眠が原因のため、睡眠薬が無いと眠れないということではありません。
反跳性不眠は服用量が増えることはありませんが、服用量を減らすと眠れなくなるため、常用量依存になります。
依存しやすい睡眠薬には以下の種類があります。
・ベンゾジアゼピン系やバルビツール酸系
・作用時間の短い睡眠薬
・効果の強い睡眠薬
常用量依存にならないための対策として、以下を意識してください。
・睡眠薬だけに頼らず、睡眠に良い生活習慣を心がける
・依存しにくい種類の睡眠薬を服用する
・作用時間が長い睡眠薬を選ぶ
・できる限り少量、短時間の使用とする
・アルコールと一緒には服用しない
反跳性不眠(離脱症状)の副作用に関するSNSの口コミ
大切なのは、睡眠薬だけに頼らず、睡眠に良い生活習慣を心がけて取り組むことで、自然に出てくる眠気を大切にしてください。
依存しにくい種類の睡眠薬を選べば、常用量依存を避けることができます。
効果時間が短い睡眠薬は効果の実感が大きく、精神依存しやすく乱用につながりやすいため、慢性的な不眠であれば作用時間が長い睡眠薬を選んだ方が良いでしょう。
依存性が少ない睡眠薬をお探しの方は、以下の比較表もご参考ください。
商品 | ベルソムラ | デエビゴ | ロゼレム |
---|---|---|---|
睡眠薬の種類 | オレキシン受容体拮抗薬 | オレキシン受容体拮抗薬 | メラトニン受容体作動薬 |
有効成分 | スボレキサント | レンボレキサント | ラメルテオン |
依存性 | 極めて低い | 極めて低い | 極めて低い |
特徴 | 依存性や耐性が少なく、長期的な服用が可能 | 他の睡眠薬と比べて依存性が低い | 体内時計を整えて自然な入眠を促す |
価格 | 24,680円 100錠 | 17,900円 28錠 | 34,600円~ 100錠 |
商品ページ | ベルソムラ | デエビゴ | ロゼレム |
特定の睡眠薬に現れる副作用
上記で説明した「翌日の眠気」「ふらつき」「健忘(物忘れ)」「反跳性不眠」以外にも、特定の睡眠薬だけに現れる副作用があります。
次の項目では、特定の睡眠薬に現れる副作用について詳しく説明します。
アモバンとルネスタの副作用
アモバンとルネスタに共通し、他の睡眠薬にはない副作用が「苦み」です。
服用後しばらくたつと口の中に苦みを感じ、人によっては翌朝まで口の中の苦みが続きます。
薬の成分が体内へ吸収された後、少しずつ唾液中に分泌されるためと考えられており、うがいをしても改善されないため、服用の継続を断念する人もいます。
アモバンとルネスタの副作用に関するSNSの口コミ
ルネスタはアモバンの改良版のため、アモバンよりは副作用の苦みが低く抑えられています。
そしてアモバンやルネスタと同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリーには、苦みがありません。
苦みの感じ方には個人差があり、まったく気にならないという人から強く感じて服用できないという方までいろいろです。
アモバンよりはルネスタの方が苦みを感じないため、アモバンの効きは良いけど苦みが気になる方は、ルネスタを選ぶと良いでしょう。
ルネスタと同等の効果が期待できるルネスタのジェネリック医薬品は以下で取り扱いがあります。
デエビゴの副作用
デエビゴという睡眠薬は、金縛りや悪夢といった副作用が現れる可能性があります。
夢を見ている睡眠はレム睡眠と言いますが、デエビゴを服用したからといってレム睡眠の割合が増えるということはなく、とくに変わらないという報告が多い睡眠薬です。
しかし全体的な睡眠が増加するため、朝方に見ることが多いレム睡眠の影響が大きくなるのではと考えられています。
・異常な夢:1.8%
・睡眠時麻痺(金縛り現象):1.6%
・悪夢:1.4%
夢は誰もが見るもののため、不眠で悩んでいる人は悪夢を見やすいという傾向性が影響している可能性もあります。
デエビゴは悪夢を見るという副作用だけをピックアップすると、デメリットが大きく感じてしまいますが、以下のメリットもあります。
デエビゴの副作用に関するSNSの口コミ
睡眠薬の重大な副作用
可能性としてはそれほど高くありませんが、睡眠薬を服用することで重大な副作用が発生する可能性があります。
継続的に睡眠薬を服用する人も居るため、重大な副作用に関して認識しておくことが大切です。
次の項目では、重大な副作用の中でもとくに知られている4つを詳しく説明します。
ショック、アナフィラキシー
体に備わっている免疫機能が過剰に反応することで起こる症状をアレルギーと言います。
そしてある特定の異物に対して、免疫機能が過剰に反応し、症状が起きることをアレルギー反応と言います。
このアレルギー反応によって、複数の臓器に強く症状が現れた状態をアナフィラキシーと呼びます。
アナフィラキシーが起こった場合は、すぐに医療機関で適切な対応を行わないと命に関わる重篤な状態に陥るため、注意が必要です。
・発疹:蕁麻疹、かゆみ、赤み
・血管性浮腫:皮膚の深層および皮下組織のむくみ
・呼吸困難:息切れや息苦しさ
上記のような症状が現れた場合は服用を中止し、すぐに医師の診察を受けてください。
呼吸抑制
肺気腫、肺性心、気管支喘息などを患っており、呼吸機能が低下している人が睡眠薬を服用した場合、呼吸抑制の副作用である「炭酸ガスナルコーシス」が現れる場合があります。
別名「CO2ナルコーシスとも呼ばれる疾患で、二酸化炭素(CO2)のレベルが血中内で異常に高くなり、意識障害や呼吸困難などの症状を引き起こした状態のことです。
初期症状としては頻脈、呼吸促迫や頭痛、発汗がみられ、進行すると意識障害や呼吸困難に陥ります。
炭酸ガスナルコーシスを引き起こした場合は、気道を確保する、体内のCO2が呼吸によって体外へ排出される「換気」を十分に提供するなど適切な処置が必要です。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受けましょう。
肝機能障害
睡眠薬は主に肝臓で代謝されるため、肝細胞や胆管で作られるAST、ALT、Al-P、γ-GTPの酵素の数値が悪化したり、黄疸(頻度不明)で現れたりすることがあります。
これらは肝臓が炎症を起こしているなど機能が低下していることを示しているため、服用を中止し医師の診察を受ける必要があります。
また元々肝機能障害を患っている人が睡眠薬を服用した場合、体内の血中濃度が上昇し効果や副作用が強く現れる場合があるため、こちらも注意が必要です。
精神症状や意識障害
発生頻度は明記されていませんが、睡眠薬は以下のような精神症状が副作用として現れる場合があります。
- もうろう状態
- 夢遊症状
- 異常行動
- 取り乱す
- 興奮
- 幻覚(精神障害がある場合など)
睡眠薬の服用量が多い場合や、他の向精神薬と併用している場合は、幻覚や夢遊病などのねぼけた行動である睡眠時随伴症が生じやすいことが報告されています。
また同時にアルコールを摂取すると中枢神経抑制作用を増強させ、睡眠薬の作用が強くなってしまうので、注意が必要です。
睡眠薬の副作用に関する注意点
睡眠薬の副作用が強く出る可能性があるため、以下のような服用は控えましょう。
・アルコールとの併用
アルコールも睡眠薬も肝臓で代謝されるため、併用するとアルコールを先に代謝し睡眠薬は後回しにされます。
そうなると効果や副作用が強く出てしまうリスクがあるため、併用してはいけません。
・自己判断で服用量を増加する
自己判断で服用量を増加してしまうと、翌日まで効果を持ち越してしまい、ひどい眠気のままだったり、ふらつきや記憶障害の副作用が現れてしまったりする可能性があるため危険です。
・自己判断で睡眠薬の服用を中止する
睡眠薬は急に服用を止めると、離脱症状により不眠が悪化したり、不安などの症状が出たりする場合があります。
服用を中止する場合は少しずつ減らしていく必要があるため、医師と相談しながら調整してください。
睡眠薬の副作用に関する質問
睡眠薬を飲み続けるとどんな副作用がありますか?
睡眠薬を長く続けるとどうなる?
睡眠薬で副作用の少ない薬は何ですか?
睡眠薬の副作用は翌日まで残りますか?
睡眠薬は太りますか?