バイアグラは心臓への悪影響の直接的な原因にはならない
バイアグラは健康に問題のない男性が服用した場合、心臓への悪影響はありません。
しかし特定の疾患を抱えている方や、バイアグラと飲み合わせの悪い医薬品を服用している場合は心臓に悪影響を及ぼす可能性があります。
バイアグラが心臓に悪影響を及ぼすケース
健康な成人男性はとくに心配することはありませんが、心臓や血圧になんらかの疾患を抱えている方はバイアグラの服用ができない可能性があります。
また、治療のために服用している医薬品がバイアグラとの併用禁忌や注意薬に指定されている場合もバイアグラを服用することができません。
次の項目で以下について詳しく説明します。
疾患によりバイアグラの服用ができない患者
現在抱えている疾患が以下にあてはまる方は、バイアグラを服用することができません。
心血管系障害があり性行為が不適当と考えられる方
心血管系障害がある方はバイアグラ服用の前に、性行為そのものを制限されるケースがあります。
これは性行為が激しい運動をした時と同じくらい心臓に負担がかかるためです。
バイアグラは直接心臓に負荷をかける医薬品ではありませんが、バイアグラの服用で体内の血流がよくなり、さらに性的な刺激に興奮することで間接的に心臓へなんらかの負担がかかる可能性は否定できません。
高血圧の治療をおこなっておらず、最高血圧170mmHg以上、最低血圧100mmHg以上の方
高血圧の方は常に血管に負担がかかっている状態です。
最高血圧170mmHg以上、最低血圧100mmHg以上の方はバイアグラの服用によって急に血管が広がり血流がよくなると血流障害がおこる可能性が高いです。
血流障害が原因となり心臓や脳、腎臓といった生命維持にとって大切な臓器に障害が起きた場合は命に関わるため、服用できません。
直近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞を発症した方
バイアグラは血管拡張作用があるため、直近6ヶ月の間に脳梗塞や脳出血のあった方は新たな血管のつまりや出血があらわれる可能性があるため服用できません。
また心筋梗塞は心臓の血管が詰まることで最悪の場合死に至る病気ですが、一度心筋梗塞になると心筋や血管がかなりダメージを負っています。
そのような状態で血管拡張作用のあるバイアグラを服用してしまうと、新たな血管の詰まりを引き起こしてしまう可能性があるので、服用できません。
バイアグラとの併用に禁忌・注意のある薬
バイアグラとの併用に禁忌、注意のある薬を服用している方はバイアグラを使用することができません。
併用禁忌薬や併用注意薬に指定されている医薬品は、血管拡張作用などで血流をよくする効果があるため、バイアグラと併用することで心臓に負担をかける可能性があります。
併用禁忌に指定されているアミオダロン塩酸塩は不整脈の治療に使われますが、バイアグラと併用することでさらに不整脈が悪化する可能性があるため、一緒に飲んではいけません。
併用注意薬に関しては、医師の指導の元であればバイアグラとの併用が可能な場合もあるため、該当する医薬品を使用している方は医師に相談してみましょう。
バイアグラがもたらす循環器系の副作用
循環器系は心臓、毛細血管、静脈、動脈、リンパ管で構成された、体内でリンパ液や血液を循環させ栄養素や酸素を運搬したり、老廃物を回収したりする仕組みのことです。
バイアグラの副作用の中には循環器系に関するものもあり、それらは主に心臓に関係しています。
【バイアグラの循環器系に関する副作用】
発生頻度 | 症状 |
1%以上 | 血管拡張(潮紅、ほてり)(5.78%) |
0.1〜1%未満 | 動悸、胸痛、頻脈 |
0.1%未満 | 不整脈、高血圧、末梢性浮腫、不完全右脚ブロック |
頻度不明 | 低血圧、心筋梗塞、失神 |
5.78%の高い頻度で見られる潮紅、ほてりのような血管拡張による副作用は現れる頻度は多いですが、ほとんどが薬の効果が切れるとともになくなっていくものです。
バイアグラが効き始めるサインとして捉えるとよいでしょう。
頻度不明の心筋梗塞はバイアグラを服用した際に起きたという発生報告があるだけで、そもそも起こる可能性自体が低い副作用です。
もともと別の病気を患っていたり、併用禁忌とされる医薬品と一緒に使ってしまったりといったことが原因で起こった例とされています。
バイアグラが心臓に与える影響に関するQ&A
ここでは、バイアグラが心臓に与える影響に関する質問に答えていきます。
バイアグラは心臓に悪いですか?
狭心症を患っていてもバイアグラの服用は可能ですか?
バイアグラの服用が原因で心筋梗塞になることはありますか?