男性が若い年齢から薄毛になったり抜け毛が増えることをAGAと言います。
AGAは男性型脱毛症のことであり、その名の通り男性に起きる現象を表していますが、これと同じように女性が薄毛になる現象のことをFAGA、女性男性型脱毛症と呼びます。
FAGAに悩まされる女性も少なくはなく、治療に関しても様々な方法が考えられますが、中でも治療薬の存在は無くてはならないものと言えるでしょう。
特にAGAにも効果が見込めることで知られているミノキシジル外用(塗り薬)は、FAGAにも有用であることが分かっています。
これは日本皮膚科学会が提供する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」にも記されており、推奨度はAになっています。
高い効果を期待できることは分かりましたが、仮に女性が妊娠をしている最中にミノキシジルを使用しても大丈夫なのでしょうか?
そこで、ミノキシジルは妊娠中の女性の体に影響はあるのか、また胎児に問題はないのか解説していきます。
ミノキシジルは妊娠中に使用しても良いのか?
結論から言えば、ミノキシジルは妊娠中の女性は使用するのはNGです。
妊娠をしていない方であれば薄毛治療に対して非常に良い効果を期待できるミノキシジル外用薬ですが、妊娠をしている最中は使用しないでください。
その理由は、お腹の中にいる胎児に影響を与えてしまうからです。
ミノキシジルは血管を拡張する作用があり、体内の血流を促します。
この作用が胎児の心臓に負担をかけることになり、生まれる前から大変な弊害を与えてしまうかもしれないのです。
ミノキシジルを妊娠中・出産後に使用するリスクについて
ミノキシジルは男性のみならず女性の薄毛治療にも高い効果を期待できますが、妊娠中に使用することは禁止した方がいいでしょう。
胎児に悪影響を与えるからですが、出産後は使用しても大丈夫というわけでもありません。
妊娠中はもとより、出産後に潜むミノキシジル使用のリスクについて知っておきましょう。
胎児の心臓に強い負担がかかる
ミノキシジルを妊娠中に使用すると胎児の心臓に負担がかかり、悪影響を及ぼすことになります。
胎児は母親の体内で育っていきます。
そのため、母親が口にする食べ物や飲み物だけでなく、使用した薬の影響も受ける可能性が高いのです。
胎児の心臓の血流を薬の人工的な作用で促してしまうと、生まれてから大変な症状を発症するかもしれません。
すぐに影響が出るかもしれませんし、成長する過程で悪影響が出るかもしれません。
健康体で生まれ育ってほしいと母親であれば誰でも願うことですが、妊娠中に口に入れるものに気を使っても、薬の使用に気を使わないのでは本末転倒です。
子どものためにも妊娠中はミノキシジルは使用しない方がいいでしょう。
ミノキシジルが母乳中に移行するリスク
子どもが生まれたからと言って、すぐにミノキシジルを使用することもNGです。
生まれてきた赤ん坊には授乳をすると思われますが、実は母乳の中にミノキシジルが移行する可能性があるのです。
ミノキシジル外用は塗り薬だから問題ないだろうと考える方もいますが、体内に取り込まれて作用することから母乳にも成分が含まれてしまうのです。
そのためミノキシジルの成分を含んだ母乳を赤ん坊が摂取することになり、結果として子どもの体に悪影響を与えることになります。
妊娠中だけでなく、授乳中もミノキシジルの使用は禁止しましょう。
次の人は使用しないでください。
一般用医薬品 : 女性薬 ミノキシジル配合外用液1%「FCI」
妊婦又は妊娠していると思われる人,並びに授乳中の人。
(妊娠中の使用については,十分確認されていません。また,ミノキシジルは母乳中に移行します。)
妊娠中のミノキシジル使用に関するまとめ
妊娠をして子どもを授かった女性は、ミノキシジル外用薬を使用することはおすすめできません。
これは妊娠中は当然ですが、生まれた後の授乳中も同様に使用してはいけません。
その理由は、生まれてくる赤ん坊の心臓に負担をかけ、悪影響を及ぼすリスクがあるからです。
妊娠中は体内に取り込まれたミノキシジルが直接胎児に影響を与え、授乳中は母乳に含まれた成分を赤ん坊が摂取することになります。
子どもの健やかな成長のためにも、妊娠中だけでなく出産後も十分に注意しましょう。