生えている白髪を見つけた時、もしかして抜いていませんか?
実は白髪は抜くとさらに増えてしまう可能性があるので危険なんです。
適切でないケアや対処法を行うと、白髪の本数を増やしてしまったり、髪に損傷を与えてしまうことがあります。
本記事では白髪の原因と対処法を紹介していますので、しっかり学んで白髪ができにくい状態を維持しましょう。
白髪になるメカニズム
生まれたての髪は実はすべて白髪ということを知っていますでしょうか。
髪が黒くなるのは、根毛に存在するメラノサイトという細胞が髪の毛1本1本にメラニン色素を生み出すためです。
毛穴の外に出てきていない生まれたての髪にはまだメラニン色素が含まれておらず、白髪の状態なんです。
毛穴の外に出てきた髪は様々な理由で頭皮・毛根にダメージがあった場合に白髪に変わる可能性があります。
白髪になってしまう原因
真っ黒だった髪が白髪になる原因は老化・遺伝・栄養や睡眠の不足・ストレスが考えられます。
老化
加齢を原因として髪を黒くするメラノサイトは働きを弱めることがあります。
働きが弱くなったメラノサイトはメラニンの生成を促すチロシナーゼを減少させることから、白髪が増えてしまいます。
さらに、細胞が老化するにつれ、DNAや細胞の構造に変化が生じ、それがメラノサイトの働きを悪化させることも考えられます。
遺伝
遺伝的な要因も白髪の原因の1つとされています。
白髪を引き起こす遺伝子は、メラニンの生成や酸化ストレスを抑制する役割を持っていると考えられています。
遺伝子の異常によりメラニンの生成が十分に行われなくなると、髪の毛は白くなってしまいます。
また、遺伝子が関係する酵素の活性が低下することで、髪の毛のメラニンが酸化されてしまうこともあります。
栄養不足や睡眠不足
栄養不足や睡眠不足は髪のメラニンの生成や酸化ストレスの影響に関与し、白髪の原因となることがあります。
不足すると白髪の原因となる栄養素としてビタミンB12や鉄分が挙げられます。
これらの成分は髪を黒くする成分であるメラニン色素を生成するため、不足すると髪が白くなっていきます。
また、睡眠不足は体内の抗酸化力を低下させ、酸化ストレスを引き起こすことで、髪のメラニンが酸化してしまうことがあります。
さらに、睡眠不足は体内のメラトニンの分泌を妨げ、これがメラニンの生成を妨げる可能性があるため白髪の原因となります。
ストレス
ストレスも白髪の原因とされています。
ストレスが原因とされる白髪は元々「ストレスホルモン」と呼ばれるコンチゾールが影響しているとされていましたが、2020年の1月にハーバード大学が発表した論文がこれを否定。
科学誌『Nature』に掲載されたハーバード大学による【白髪のメカニズム】関する実験結果
https://www.nature.com/articles/s41586-020-1935-3.epdf?sharing_token=2XmHnDd7-sq1L884l3vEQdRgN0jAjWel9jnR3ZoTv0NyETasyvXeLww27-3puQJkStNkIa8kZQdjCWuyQuF5xxJjquKFv7otkyu4V8KT81JmduKcw9sCXsYTnWgAXG6uJzr_uVuJ7wg0DwdegtCx2JNnNNIJ1ItD106g5JfenE7L-2uQhxOnxf5BARbtyzuHnvOMFLv_gB88ARaOIdWuThX0KTt3klPIpn9Ctc_CgB7G5F-EQBalPl9mvvgSov0z&tracking_referrer=wired.jp
現時点ではストレスによって活発化した交感神経系が毛根の幹細胞を過度に活性化させ、色素細胞が作られなくなることが有力な原因とされています。
どちらにせよ、ストレスを溜めないようにすることが白髪対策の一つになるようです。
白髪を見つけた場合の対策方法
白髪を見つけた時の対策方法として注意点やすぐに行える方法をまとめました。
白髪は抜かない事
白髪を見つけた場合、一番やってはいけないのは抜くことです。
白髪を抜くと、その毛穴にあるメラノサイトが機能しなくなってしまい、ほかの髪の毛にも影響を与える可能性があります。
また、髪を抜くという行為自体が根毛に大きなダメージを与えてしまうため、白髪の本数が増える原因になります。
白髪を根元から切る
白髪を抜くことはダメージを与える恐れがあるため避けるべきですが、根元から切ることは比較的安全です。
根元から切ることで、白髪自体が残りますが、周りの健康な髪の毛を傷つけることがありません。
ただし、カットする際は頭皮を傷つけないように気をつけましょう。
切り過ぎてしまうと後に生える可能性のある髪自体が傷つく原因となります。
白髪を黒染めする
一時的な解決策ではありますが、白髪を黒染めする方法もあります。
一時的な解決策というのは、以下の理由が挙げられるためです。
・黒染めの後しばらくすると、再び白髪が目立ってくる
・黒染め剤は長期的に使用すると髪や頭皮にダメージを与える成分が含まれている
そのため、黒染めはあまり長期で考えず、ダメージの薄いヘアカラー(ヘナなど)を探すか、生活習慣の見直しなどで白髪対策をすることをおすすめします。
根本的に白髪を防ぐ対策方法
生活習慣の改善から始まる、根本的に白髪を防ぐ対策方法を紹介します。
食生活を見なおして白髪改善
白髪の予防には、食生活を見直すことが大切です。
白髪を増やす可能性のある食事と白髪を減らす可能性のある食事を紹介します。
・脂肪分の多い食事
・糖度の高い食事
・ビタミンB群の摂取
・鉄分の摂取
・タンパク質の摂取
脂肪分と糖分はどちらも摂取しすぎると血管に異常をきたし、髪に栄養が届きにくい状態を作ってしまいます。
どんなに白髪対策に良い栄養素を摂取しても髪まで栄養が届かなければ無意味になってしまうので、健康な血管の維持は重要です。
健康な血管を維持しながら摂取したい栄養素としてビタミンB群、鉄分、タンパク質が挙げられます。
ビタミンB群の摂取は髪を黒くするメラニンの生成や抗酸化作用をもたらしてくれます。
鉄分はメラニンの生成力をさらに高めてくれるため重要です。
タンパク質は健康な髪を維持するために必須な成分なので不足しないようにしましょう。
睡眠の質を高めて白髪改善
睡眠不足を解消することで髪を黒くするメラニンが生成されやすくなります。
睡眠中に体内で生成されるメラトニンは、メラノサイトの働きを助けます。
メラニンはメラノサイトによって生成されるため、良質な睡眠は髪の毛を黒く保つのに役立ちます。
規則的な生活リズムを保ち睡眠時間を確保すること、寝室の環境を整えることが重要です。
白髪改善の為にはストレスを溜めないことも重要
ストレスは身体に起こる様々な悪影響の要因であり、解消することは白髪対策にもつながります。
近年、ストレスは髪の色素細胞の生成をストップさせるといわれています。
それだけでなくストレスから暴飲暴食や睡眠不足を招いてしまうと、前述した白髪の原因も悪化してしまう可能性が高くなります。
ストレスを軽減する方法としては、適度な運動や呼吸法、瞑想、ヨガなどが挙げられます。
それ以外にも各々あった解消法でストレスを軽減させることが白髪改善につながります。
適度な運動は白髪改善にも効果的
前述した通り適度な運動はストレスに改善にも役立ちますが、血流促進による白髪対策の側面が大きくあります。
髪に必要な栄養素は血液に乗って運ばれるため、血流の促進は白髪対策にも有効です。
適度な運動とは、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動や、筋トレなどの無酸素運動、ヨガやストレッチなどのリラックス効果のある運動など、種類も多岐にわたります。
自分に合った運動を取り入れ、定期的に行うことで、白髪改善につながるだけでなく、全身の健康にもつながります。
まとめ
鏡を見た際に白髪が見つかった時、抜いてしまいたいのはわかりますがグッとこらえてほしいです。
もし白髪が生えてくるようになっても、白髪の根元では髪を黒くする機能は働いている可能性があります。
見た目的に気になる場合は抜くよりも根元を切るようにし、生活習慣を改善しながら白髪が増えないように対策していくことが重要です。