薄毛の主な原因
薄毛は男女が共通で抱える悩みのひとつです。
しかし性別や生活習慣など、人それぞれ薄毛の原因は異なる可能性があります。
薄毛を引き起こすおもな原因は以下の通りです。
このように薄毛の原因は複数存在しますが、AGAやびまん性脱毛症といった脱毛症の場合は薬を服用することで改善可能です。
本記事では、薄毛の原因について詳しく解説していきます。
AGA(男性型脱毛症)
AGAは男性ホルモンが原因で発症する脱毛症で、20歳以上の男性なら誰もが発症のリスクがあります。
少数ですが20代でも発症事例があるため、年齢が若くとも油断はできません。
AGAの発症は毛根に存在する「5αリダクターゼ」が要因です。
「5αリダクターゼ」は男性ホルモンの「テストステロン」を「ジヒドロテストステロン」に変換する働きがあります。
この「ジヒドロテストステロン」が髪の細胞である「毛母細胞」の分裂を抑制してしまうため、毛髪の十分な成長をさまたげ、AGAを引き起こすのです。
AGAの初期症状としては下記があります。
- 髪の毛が細くなった、軟毛が増えた
- 抜け毛が増えた
- 頭頂部や分け目が薄くなった、生え際が後退してきた
- 頭皮にかゆみや赤みがある
- フケが増えた
発症すると症状は進行し、どんどん悪化に向かいます。
そのまま放置して良くなることはないので、気になる症状があればできるだけ早めに治療を受けることが大切です。
びまん性脱毛症
閉経にむかう40代後半以降の女性に発症しやすいのが「びまん性脱毛症」です。
太くハリのある健康的な髪は、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの働きにより守られています。
その女性ホルモンがホルモンバランスの崩れにより減少してしまうことで、毛髪の十分な成長や健康的な状態の維持ができなくなり発症してしまうのが「びまん性脱毛症」です。
下記のような症状が表れます。
- 短い毛が増えた
- ボリュームが減った
- 分け目やつむじが広がり、薄く目立つようになってきた
- 抜け毛が多くなった
- 髪が細くなり絡まりやすくなった
症状が進行すると頭髪は全体的に薄くなります。
ホルモンバランスが崩れる原因はおもに、閉経や妊娠、出産などですが、過度なダイエットやストレスが原因となることもあり、10代という若い世代でも発症する可能性はあります。
また、男性ホルモンが影響するAGAに対して、びまん性脱毛症は女性ホルモンが影響していることから、FAGA(女性男性型脱毛症)とも呼ばれます。
ストレス
ストレスは身体に下記のような異常を起こし、薄毛を引き起こす原因となります。
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの崩れ
- 睡眠の質が悪くなる
とくに神経質で責任感の強いひとやストレスを発散するのが下手なひとは、ストレスを溜めこんでしまい薄毛に繋がる可能性があるため、要注意です。
薄毛を引き起こさないためにもストレスと上手に付き合っていく必要があります。
そこで下記のようなストレス発散方法がおすすめです。
- 朝日を浴びる
- 夢中になれる趣味をみつける
- ストレッチやウォーキングで体を適度に動かす
- 仲のいい友人、家族と話す
- 睡眠をしっかりとる
- アロマ
- おいしい食事を食べる
- 喜怒哀楽できる映画・ドラマ・アニメを観る、本を読む
睡眠不足
睡眠不足は身体に下記のような異常を起こし、薄毛を引き起こす原因となります。
■成長ホルモンの分泌が悪くなる
寝ている間に成長ホルモンが分泌され髪の成長を促しますが、睡眠が不足すると成長ホルモンが十分に分泌されず髪の成長をさまたげてしまう。
■代謝が落ちる
身体のエネルギー代謝機能も落ち、ダメージが蓄積された状態になる。
すると、頭皮や髪の毛へのエネルギー供給が低下し、薄毛の原因になる。
■血流が悪くなる
血流が悪くなり、髪の毛根に栄養が届きにくくなる
また1日に必要な睡眠時間は年齢により異なります。
厚生労働省が推奨する1日の睡眠時間は下記の通りです。
- 小学生:9~12時間
- 中学生・高校生:8~10時間
- 成人:6時間以上
- 高齢者:8時間まで
ただしこれはあくまでも目安で、必要な睡眠時間は人それぞれ異なります。
また長く眠っても、睡眠の質が悪く眠りが浅いと睡眠は不足します。
十分な睡眠がとれているか判断するポイントは、朝すっきり目覚められることと、日中に眠くならないことです。
栄養不足
健康的な頭髪の維持・成長にはさまざまな栄養が必要です。
髪は毛乳頭細胞が栄養を受け取り毛母細胞に指令を出すことで作られます。
そのため健康的な髪を保つためには必要な栄養を毛乳頭細胞にしっかりと送り届けることが大切です。
しかし過度なダイエットで栄養が不足してしまったり、食生活の乱れで栄養が偏ってしまったりすると、毛乳頭細胞へ十分に栄養を送り届けることができません。
その結果、抜け毛・切れ毛の増加や髪のパサつきなどを招きやすく、薄毛に繋がる原因となるのです。
そこで髪に必要な栄養と、効率よく摂取できる食べ物をご紹介します。
普段の食生活を見直し意識して摂るように心がけましょう。
■髪に必要な栄養素
- たんぱく質
- ビタミンB群、C、D、E
- 亜鉛
- 鉄分
まず髪を構成する主成分であるたんぱく質は欠かせません。
またビタミンは頭皮の環境を整え、健康な髪の生成を手助けします。
ほかにも、タンパク質の合成を助け新陳代謝を活性化させる亜鉛や、血液循環を良くすることで髪へ栄養と酸素が行き渡りやすくする鉄分の働きも重要です。
■髪に必要な栄養素が摂取できる食べ物
- 鶏肉
- 豚肉
- 牛肉
- 乳製品
- 牡蠣
- レバー
- きのこ類
- ほうれん草
- ナッツ
一方で高カロリーな食べ物や塩分が多く味付けの濃い食べ物は、血流を悪くし髪へ栄養が行き渡りにくくなってしまうため、できるだけ控えましょう。
喫煙
喫煙は薄毛を引き起こす原因となる可能性があります。
薄毛につながるタバコの影響は下記のとおりです。
■血管を収縮させる
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪くします。
髪の毛は毛細血管を通して酸素と栄養を供給しているため、血管が細くなると、頭皮のすみずみまで酸素と栄養を供給できません。
■AGAの原因といわれる男性ホルモンが増加する
喫煙はAGAの原因といわれる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」を増加させます。
■活性酸素が増加する
活性酸素とは免疫機能のひとつですが、増えすぎることで細胞を攻撃し老化を促進してしまいます。
喫煙による活性酸素の増加は毛母細胞を老化させ、結果的に薄毛につながるのです。
過度な飲酒
過度な飲酒が薄毛につながる原因には下記の理由があります。
■頭皮への栄養が不足する
お酒(アルコール)を飲むと肝臓で「アセトアルデヒド」という毒性の強い物質が生成されます。
アセトアルデヒドの分解には「アミノ酸」が必要ですが、過度な飲酒によりアセトアルデヒドが多く生成されると、その分アミノ酸も多く消費されてしまいます。
アミノ酸は髪の毛の成長に欠かせない栄養素のひとつであるため、消費されすぎてしまうことで頭髪への栄養が不足し、結果的に薄毛を引き起こす原因となるのです。
■睡眠の質が低下する
多量のアルコールは睡眠の質を下げ、髪の生成と成長を妨げます。
■頭皮の血行を悪くする
多量のアルコールにより頭皮の血行が悪くなると、髪に十分な栄養が届かなくなってしまいます。
■AGAの原因といわれる男性ホルモンが増加する
お酒の飲みすぎはAGAの原因といわれる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」を増加させるといわれています。
薄毛の原因に対する対策
薄毛の原因はさまざまですが、原因がわかればそれに合わせた対策で、予防や改善が可能です。
ここまで挙げた原因の中に該当するものがあれば、それを解消することが薄毛の改善につながります。
まずは自身の生活習慣や症状を見直してみましょう。
原因に該当しそうなものがあれば、次はどの原因に対してどのような対策が有効なのかを知り、実践していくことです。
薄毛の対策方法について詳しく知りたい方は以下のコラム記事もご参考ください。
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