薄毛の定義と原因

薄毛・抜け毛の概要

哺乳類、特に人間は歳を経て毛が抜けてゆきます。
毛髪もまた体の細胞の一部ですので、老化と共に衰えてゆくのです。

しかし、そこまで年齢を重ねずとも、頭髪が細くなり、抜け毛になってしまうという「薄毛」が男性、女性にもあるのです。

男性の場合はかつて「若ハゲ」と言われ、現在ではAndrogenetic Alopeciaの頭文字を取ってAGA(男性型脱毛症)と呼称されております。

「ハゲは遺伝」というのは言い伝えのようになっている言葉ですが、現在は、遺伝子の影響はないとは言えずとも、それが決定的に治らないハゲを生むということではない、というのが通説です。

これら男性の薄毛は、ホルモンの影響が最も重要視されていますが、男性、女性を通した薄毛の原因は「毛根への血流」です。
触れても痛みを感じない髪の毛は、つい体の一部、細胞であることを忘れそうになりますが、抜け毛・薄毛の原因は髪の毛の栄養が足りていないことが根幹にあります。

髪の毛の根本、毛根に血液が循環することで栄養分が通り、髪の毛は育ちます。

ところが不規則な生活、偏った栄養、不衛生な頭皮の状態など、血流を阻害する要因が重なると、毛根へと流れる血管は細くなり、その血流も当然弱くなってしまうのです。
結果、栄養がゆきわたらない毛髪は、絶食をした人間のようにやせ細り、早い死(脱毛)を招くのです。

正常な頭皮の血流のためには、寝不足がないかどうかといった生活習慣の見直し、脂っこい食事ばかりを摂っていないだろうかという食事面での意識、洗髪を雑にしてしまうことでシャンプーのカスが頭皮に詰まることを考える衛生面の確認などといった行為が大事です。

しかし、1度AGAが発症すると、こうした生活習慣改善に加えて大事になるのが投薬による治療です。
抜け毛・薄毛は病気であり、それはちゃんとした情報を得た投薬によって治るものでもあります。

AGAの症状と原因

AGA(男性型脱毛症)とは

男性に発症する薄毛を「AGA(男性型脱毛症)」と呼びます。

発症が早い人で思春期以降の成人近くからはじまり、額と頭髪のはざま、所謂生え際や、頭頂部といった部分の髪が抜け、地肌が透けて見える状態になります。

AGAの患者は日本全国で1200万人を超過したと言われ、成人男性の多くが悩みの種として抱えている問題です。

また、虫歯などと一緒で進行性のある症状なので、放置してしまうとどんどん症状は悪くなっていく一方です。

AGAの原因として言われているのは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの濃度が高まり、それがヘアサイクル(毛周期)と呼ばれる「髪の毛が伸び、太くなり、伸びきって抜け落ちる」という健全なサイクルを狂わせてしまうことにあります。
そうなることで、本来はもっと太く長く伸びてから抜け落ちる髪が、細く弱い状態で抜け落ちてしまい、そのサイクルを繰り返すことでいわゆる「禿げている」状態に到達するのです。

ただ、細く弱い毛とはいえ、毛根が頭皮に埋没している限り、髪の毛はそこから長く太くなる可能性は十分にあります。

治療薬によって毛根に栄養を確実に届け、髪の毛の循環、サイクルを復調させることが可能になるのです。

AGAと同じ脱毛でも、症状が異なる脱毛がありますので、下記にご紹介します。

・円形脱毛症
・薬による脱毛(抗がん剤治療など)

これらは、ストレスや薬の影響で起こる脱毛ですので、AGAとは異なる脱毛症となっています。

またこれからライフ博士が紹介する治療薬はAGAのみに効果がある薬になりますので、ご注意下さい。

薄毛治療に有効な成分

スバッと解説!ライフ博士の育毛講座

薄毛治療に効果的な成分として現在認められているものは次の3つです。

・フィナステリド
・デュタステリド
・ミノキシジル

それぞれの成分についてライフ博士が解説します。
薄毛治療薬を選ぶ際の参考にしてみてください。

プロペシアの成分フィナステリド

【フィナステリドの特徴】

フィナステリドは、プロペシアやフィンペシアといったAGAの治療薬に含有されている有効成分です。
男性ホルモンのひとつ、テストステロンが「ジヒドロテストステロン(DHT)」へと変換されることが、抜け毛や薄毛が起こる原因のひとつであると判明しています。
その薄毛の元凶ともいえるジヒドロテストステロンを生み出す酵素「2型5α還元酵素」の活動を食い止める役割を果たすのがフィナステリドです。
抜け毛、薄毛に対する薬というのは「頭皮に浸透させる」というイメージがありますが、皮膚から体に浸透させるという作用よりも、内服薬として体に取り込んだほうがより効果的です。
体の内側から発毛のメカニズムに作用させることができるのが、フィナステリドを始めとするAGA治療薬の大きな特徴のひとつと言えるでしょう。

ザガーロの成分デュタステリド

【デュタステリドの特徴】

デュタステリドはフィナステリドと同じく、AGAの治療に使われる薬です。
代表的な商品にザガーロやアボルブがあります。
その方向性も同じであり、AGAの発症要因となる男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン(DHT)」の発生を食い止めるというものです。
しかし、このデュタステリドが持つ特徴は、脱毛を抑える力がフィナステリドよりも高いということです。
フィナステリドに比べ約1.5倍もの高い効果が見られるという臨床結果もあります。
ジヒドロテストステロンの発生には、酵素「5αリダクターゼ」が関わってくるのですが、これには「1型」と「2型」が存在します。
フィナステリドはそのうち「2型」の働きしか食い止められないのですが、デュタステリドは「1型」「2型」共にその活動を抑えることが出来るのです。

ロゲインの成分ミノキシジル

【ミノキシジルの特徴】

AGA治療薬として発毛の効果が見込める薬といえば、ミノキシジルが知られています。
1980年に日本国外で販売がスタートしたロゲインが有名です。
ミノキシジルは、米国の製薬会社アップジョン社による成分です。
毛細血管を拡げ、血圧を下降させる効果が見られることから、元来は経口血圧降下剤として高血圧の患者へと使われていました。
こうした血圧降下剤に「副作用」として発毛の効果が見られたことで、それ以来外用薬としての研究がすすめられ、今日の育毛剤としての地位が確立されたのです。
血管が広がることで、毛根から髪の毛に血液が行き届き、その栄養を受けて髪の毛が強く育つという仕組みです。
日本でも1999年に正式に認可を受けたこの薬は、日本初の医学的発毛治療薬リアップとして大きな存在感を発揮しています。

女性の薄毛対策

薄毛の原因と改善方法

頭髪の問題は男性特有の悩みというイメージがありますが、女性もまた薄毛の症状が出て悩まれている方も多いのが現状です。

ホルモンの増加が原因である男性の薄毛「AGA」とは違い、女性薄毛の原因と症状は多岐にわたると言われています。

まずひとつがシャンプーのしすぎによる頭皮の油を落とし過ぎ、頭皮の乾燥を招いてしまうこと、そして洗う際に爪を立ててしまうなど、誤った方法の洗髪で頭皮を傷つけ、そこからかさぶたとフケが発生して髪の成長を遅らせるのです。
これらをひこう性脱毛・脂漏性脱毛といいます。

また、「お団子ヘア」や「ポニーテール」など、髪の毛を引っ張り結ぶ方に見られる薄毛に、牽引性脱毛というものがあります。
長時間髪が引っ張られることで、頭皮に負担がかかり分け目から髪が薄くなるのです。

更に、精神的なストレスによる脱毛、加齢による女性ホルモンの減少により、髪の毛のツヤやハリが失われてしまい、薄毛へと繋がることもあります。

こうした複合的な要因の薄毛にはビタミンB群のひとつ、パントテン酸による治療が効果的です。
パントテン酸によりストレスを軽減させる「コルチゾール」という副腎櫃ホルモンの分泌が促され、また頭皮の免疫力が上昇し、血行促進の効果もありますので髪の毛に栄養を行き渡らせることができます。

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