EDは離婚理由になるのか？
夫婦が離婚する際は双方に合意がある場合を除いて、正式な理由が必要になります。
原則としてEDを理由に離婚することは確実とはいえません。
離婚が成立するためには、配偶者の不貞行為や生死が3年以上明らかでないなど、特定の事由に該当しなければいけません。
民法770条1項に規定がありますが、その事由に当てはまらない限り、無条件での離婚は不可能なのです。
ただ、民法の同条項では、婚姻を継続し難い重大な理由がある時は離婚が成立すると定めています。
EDを離婚の理由にする場合、夫に治療意思がない、改善に努めない、といったケースで離婚が成立する可能性があります。
ただ、夫がEDだからといって離婚が正しい選択肢になるとは限りません。
離婚はあくまで最終手段であり、夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。
EDが離婚の原因に繋がる理由【女性の意見】
EDは男性にとって大きな悩みの一つであり、コンプレックスの主な原因にもなり得ます。
EDを発症すると勃起の維持が困難になってしまうため、性行為にも少なからず影響が及んでしまいます。
また、夫にEDの治療意思がなければ、最終的に夫婦関係が破綻してしまい、離婚につながる可能性も否定できません。
例えば子供を授かりたい、性行為がなくて欲求不満になったなど、EDが離婚のきっかけになる理由はいくつか挙げられます。
子供が欲しいのにできない
EDが離婚の原因につながるきっかけの一つが子供です。
子供が欲しいかどうかは人それぞれ考え方が異なりますが、子供を生んで育てたいと考える女性は少なくありません。
特に愛する夫との子供であれば、授かりたいと考える女性は多いでしょう。
しかし、男性がEDだと勃起の維持が難しくなるため、子供を作れる可能性が低くなってしまいます。
子供を授かりたい女性にとっては、大きなストレスになってしまうでしょう。
その結果、女性は他のパートナーを探すために離婚を決める可能性があります。
EDは男性が原因となる不妊の大きな一因となっているため、もし可能性を感じている方は早期の対策が望ましいです。
性的欲求が満たされない
性的な欲求が満たされなかった結果、離婚につながるケースも考えられます。
人それぞれ異なりますが、性的欲求が強い女性も少なくありません。
特に女性の場合、30～40代にかけて性欲が強まると言われています。
一方、夫がEDになってしまうと、セックスレスの状態が続き、妻が欲求不満になる可能性も否定できません。
このような状態が長期間続くと、セックスレスを理由に離婚へつながる場合があります。
円満な夫婦関係には、性的な欲求を満たすための適度なスキンシップが必要不可欠です。
夫からの愛されている自覚が持てない
性行為は子供を授かるためだけでなく、お互いの愛を確認しあうためにも欠かせないコミュニケーションです。
しかし、EDによって性行為やスキンシップが減少した結果、夫からの愛に自覚が持てず、離婚へとつながるケースもあります。
もちろん愛のカタチは人によって異なり、性行為が全てではありません。
ただ、自分では性行為以外で愛を伝えているつもりでも、妻に自分の愛を感じてもらえるとは限らないのです。
そして夫婦間に溝ができてしまい、離婚を切り出されることも十分考えられます。
EDで離婚する前に考えてほしいこと
ただ、夫がEDだからといって離婚を考えるのは早計です。
他にもさまざまな解決方法がありますので、結論を出す前に夫婦間で話し合ってみてはいかがでしょうか。
例えば子供を授かりたいのであれば、性行為以外にも体外受精という選択肢があります。
また、愛のカタチは十人十色で、性行為やスキンシップだけが手段ではありません。
まだやり直せる余地があるなら、離婚は最後の手段と捉えておくべきです。
後悔しないように、一度立ち止まって考え直してみましょう。
体外受精・人工授精
もし子供を授かりたい場合、体外受精や人工授精を考えてみてもよいかと思います。
現在は体外受精・人工授精も一般的になっており、これらの手段を選択する夫婦やカップルも少なくありません。
EDなどが理由で性行為が難しく、子供ができないのであれば、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
体外受精や人工授精は、精子と卵子が正常に働いている必要があります。
病院で検査を受け、体外受精などが可能かどうか医師に相談してみるとよいでしょう。
性行為だけが愛のカタチか
性行為は、お互いの愛を確かめあうコミュニケーション手段です。
しかし、性行為だけが全てではなく、愛を確かめあう方法は他にも多数あります。
夫婦関係は性行為のみで成り立っているわけではありませんので、一度夫婦のあり方を考えてみるとよいでしょう。
例えば一緒にいることで安心感を覚える、一緒にいて楽しいなど、人間的な面からお互いの愛を確認するのもおすすめです。
EDでセックスレスの状態が続いていても、夫婦関係を円満にすることは不可能ではありません。
パートナーの魅力と離婚を天秤にかけ、慎重に判断することが重要です。
ED治療薬の服用も検討する
EDは治療薬を服用することで、克服する手段もあります。
EDは決して特殊なものではなく、薬を服用することによって治療が可能です。
現在は専門のクリニックからの処方や個人輸入通販を介してED治療薬を入手する事が可能です。
一時期と比べて治療のハードルも低くなっていることから、EDで悩んでいる多くの方がパートナーとの関係改善のために治療薬を服用しています。
副作用がある、費用が高いと考えている方も多いと思います。
しかし、1990年代に初めてバイアグラが発売されてから既に安全性は確立し、ジェネリック医薬品の登場で買い求めやすいED治療薬も数多く存在します。
もしED治療薬が気になっている方は下記のコラムもご覧になってみてください。
