避妊薬ピル

ピルは授乳中に服用できるのか|産後のピル再開時期について

避妊薬ピル

ピルは授乳中に服用できるのか

授乳中に低用量ピルを服用することはできません。

この理由のひとつとして、低用量ピルに含まれる成分が母乳に移行し、赤ちゃんに影響を与える可能性があるためです。

また、低用量ピルに含まれるエストロゲンは、母乳の分泌を妨げる場合があります。

エストロゲンは、授乳中の母親の体内で、母乳分泌を抑制する可能性があるため、母乳の出が悪くなるなどの影響を与える可能性があるのです。

これらの理由から、授乳中の低用量ピル服用は避けた方が良いといえます。

また、本記事では授乳をしていない場合や、アフターピルの場合に関しても説明していきます。

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医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)|授乳婦

授乳をしていない場合

授乳をしていない場合、出産後3週間が経過した場合はピルを服用しても問題ありません。

出産直後のピルの服用は、絶対に避けてください。

出産直後は体内のホルモンバランスが大きく変化するため、この時期にピルを服用すると血栓症が起こる可能性が高まります。

血栓症は、血液凝固が異常に起こることで血管が詰まる病気であり、出産直後はこのリスクが増加するのです。

このため、血栓症のリスクが高い方は、出産後6週間が経過してからピルの服用を再開することが推奨されます。

血栓症リスクが高い方

・動けない状態

・分娩時に輸血した

・BMI30を超える肥満

・産後出血

・帝王切開をされた方

・妊娠高血圧症候群

・喫煙をされている方

アフターピルの場合

授乳中の場合、アフターピルの服用はできるだけ避けましょう。

その理由として、低用量ピルと同様に、アフターピルの成分が母乳に移行し、赤ちゃんに思わぬ影響を及ぼす可能性があるためです。

アフターピルを服用する場合は、服用してから少なくとも24時間は授乳を避けることが推奨されます。

これにより、アフターピルの成分が体内に吸収され、授乳による赤ちゃんへの影響が最小限に抑えられます。

授乳中の避妊方法

確実な避妊をするために、母乳をやめてまでピルを飲むことは望ましくありません。

授乳をつづけながらも避妊を確実におこなうための手段として、コンドームの使用を推奨します。

また、生理が重たい場合や、子宮内膜症に伴う過多月経に悩んでいる場合は「ミレーナ」という避妊リングを使用する方法もあります。

ミレーナは子宮内に装着する避妊具であり、毎月の重たい生理痛を緩和するだけでなく、避妊効果も期待できます。

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産後のピル再開時期について

授乳中はピルを服用することはできませんが、断乳後のピルの服用は問題ありません。

また、母乳が出ているあいだは、プロラクチンという排卵を妨げるホルモンが分泌されるため、妊娠しにくい状態にあります。

ただし、それは確実なものではなく、母乳が出ているあいだでも排卵が起こる場合があるのです。

そのため、母乳が出ている期間も避妊をしっかりおこなう必要があります。

避妊方法としては、コンドームなどの避妊具を使用することが重要です。

妊娠中のピル服用について

妊娠が発覚した場合、ピルの服用はただちに中止してください。

現時点では、妊娠中にピルを服用することによる胎児への危険性はほとんど報告されていません。

ただし、安全性が確実に保証されているわけではありません。

このため、妊娠が確認された場合は、念のためにピルの服用を控えることが望ましいのです。

避妊をせずに性行為をおこない「自身が妊娠しているか分からない」場合は、妊娠検査薬を使用して、自己チェックをおこなうことが可能です。

参考ページ
医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)|妊婦

ピルの授乳中の服用に関する質問

ここからは、授乳中のピルの服用について、よくある質問を紹介していきます。

注意点を含んだ解説と共に答えていくので、ぜひ参考にしてください。

低用量ピルは授乳中でも使えますか?

低用量ピルは、授乳中に服用することはできません。

その理由として、低用量ピルの成分が母乳に含まれ、赤ちゃんに影響を与える可能性があるためです。


また、低用量ピルに含まれるエストロゲンが母乳分泌を抑制する可能性も。

これらの理由から、授乳中は低用量ピルの服用は避けた方が良いといえます。

授乳中はピルが飲めないのはなぜですか?

低用量ピルやアフターピルは、授乳中に服用することで母乳に移行する可能性があり、赤ちゃんに思わぬ影響を与える可能性があります。


また、母乳が出にくくなるといった悪影響も。

授乳中にアフターピル服用する場合は、服用後24時間は授乳を避けてください。

これにより、赤ちゃんへの影響を最小限に抑えることができます。

授乳中の避妊方法はありますか?

授乳しながら確実に避妊をおこなう方法として、コンドームの使用を推奨します。

また、子宮に装着するミレーナという避妊リングの使用も効果的です。


ミレーナを正しく装着した場合、1年間で妊娠する確率は1%以下とされています。

また、装着後すぐに避妊効果が得られる利点もあります。

授乳中なのに妊娠する可能性はありますか?

結論として、授乳中でも妊娠する可能性はあります。

授乳中は通常、卵巣からの排卵が抑制されますが、これは確実なものではありません。


授乳をおこなっている期間でも妊娠する可能性があるため、コンドームなどを使用し、しっかりと避妊することが重要です。

また、必要な場合には定期的に妊娠検査をおこないましょう。

ピルを飲んで授乳すると母乳に影響しますか?

低用量ピルを授乳中に服用する場合、ピルの成分が母乳に移行する可能性があります。

とくに、低用量ピルに含まれるエストロゲンの成分は、母乳の量を減少させ、母乳中のホルモン濃度を変化させることが報告されています。


これにより、ピルの服用は授乳に影響を与える可能性があるといえます。

授乳中のピルの服用はできる限り避け、使用する場合は授乳まで一定の時間をおくなどの注意が必要です。