AGA治療薬として知られるフィナステリドは、ジヒドロテストステロンというAGAの原因となる男性ホルモンが体内で生成されることを抑えます。
そうすることでヘアサイクルを本来の正常な状態に戻すことができます。
服用することで副作用が発生する可能性もあり、性欲の減退を始め性機能障害、肝機能障害などが例として挙げられています。
そこまで多く発生していないため心配はありませんが、心配性な方は気に留めておくといいでしょう。
毎日続けることがAGAの治療に繋がりますが、これから健康診断を受ける方は、何か体に影響が出ないか心配している方もいるのではないでしょうか。
フィナステリドの服用は健康診断の結果に影響するのか?
フィナステリドはAGAの治療薬ですので、健康診断で検査される事柄にあまり影響は受けないとされています。
頭皮の状態を検査するわけでもありませんし、基本項目の中でフィナステリドを服用しているという話も聞かれることはないでしょう。
健康診断は一般的な体の内部に異常がないか調べる検査です。
そのため頭皮の状態などは基本的には調べることはありません。
しかし、健康診断よりもより詳しい検査を行う際にフィナステリドの服用が影響を及ぼす可能性があるとされています。
PSA値への影響(前立腺がん腫瘍マーカー)
フィナステリドを服用している方は、健康診断の際に何らかの影響が出ないか心配になると思います。
中でも特に注目したいポイントが、PSA値と呼ばれる前立腺がんの腫瘍マーカーです。
実は臨床試験において、フィナステリドを服用している方はPSA値が一般的な人の状態と比べて40~50%くらい、約半分の状態に低下したと言われています。
一般の企業で行われるような通常の健康診断検査ではPSA値を測っていないところも多く、目にする機会も少ないでしょう。
そういった方は前立腺がんの検診などで検知される可能性があります。
数値の変動により異常を疑われる可能性があり、その後は様々な検査を受けることを勧められるでしょう。
もし、前立腺がん検診を受ける場合は、事前に医師や検査を行う人にフィナステリドを服用していることを伝えておく必要があります。
肝機能への影響
フィナステリドを含めた数々の薬は肝臓で代謝されています。
そのため肝機能が多大な影響を受ける可能性もあります。
健康診断を受けると肝機能検査が行われ、肝臓に異常が発生していないかを判断する項目であるALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPの数値が測定されます。
この数値からは肝臓自体に病気が隠れていないかが判断できるのですが、フィナステリドを服用していると稀に数値が異常を示すことがあります。
一般的に肝機能障害などの副作用が起きることはほとんどありませんが、もし異常値が出たときは医師に薬の服用も含めて相談をしましょう。
健康診断の当日、前日はフィナステリドの服用を控えた方が良いのか?
健康診断だからと言って、普段から服用しているフィナステリドを控える必要はありません。
もちろんそういった指示がある場合は別ですが、基本的に毎日飲んでいる薬はそのまま飲み続けても大丈夫ですし、飲んでいる薬名などを記載しておくことが求められます。
フィナステリドはAGA治療薬ですので、毎日服用することが大切です。
成分も24時間以上経つと消えてしまいますので、効果を実感するためにも続けて服用しなければいけません。
もし、飲み忘れたり控えたりしても、勝手に用量を増やしての服用は行わないようにしてください。
フィナステリド服用中は健康診断だけではなく、献血も注意が必要
フィナステリドを服用している方にいくつかの注意点がありますが、中でも献血に関しては注意が必要です。
基本的に健康診断を受けるときにはフィナステリドを服用している旨を伝える必要がありますが、献血の際は必ず伝えてください。
恐らくはスタッフからフィナステリドを服用していることを知った時点で献血は断られるはずです。
もしフィナステリドが含まれた血液がほかの方に献血された場合、特定の条件が揃えば悪影響を及ぼす場合があります。
男性ホルモンに作用するフィナステリドは、成人男性以外へは安全性が認められていません。
献血を受ける方が妊娠中の女性だった場合、胎児に影響を与えることも考えられます。
献血をライフワークにしている方でも、フィナステリドを服用中はもとより、服用をやめてから最低でもひと月は献血はしないでください。
フィナステリド服用と健康診断に関するまとめ
フィナステリドを服用しても、健康診断で問題が生じることはほとんどありません。
基本的な検査に関してはあまりおかしな結果は出ないはずです。
ただ、健康診断を受ける際には現在服用している薬名などを記載する項目があるでしょう。
服用中の薬を記載する項目には必ずAGA治療のためにフィナステリドを服用している事実を書いておく必要があります。
前立腺がんの検査において、フィナステリドを服用している方はPSA値で異常値が出る可能性があり、その理由を医師が知っているといないとでは検査の基準なども変わります。
恥ずかしがらずに必ずフィナステリドの服用を伝えましょう。
また、肝機能障害などが見られる場合は、薬の服用についても医師と相談をして今後の対策を考えることが大切です。