いつも数日で終わるはずの生理が中々終わらない、また徐々に長くなっているように感じるといった場合、思いも寄らない病気が体に潜んでいる可能性があります。
今回、生理がいつもと違うと感じている方、気になっている方向けに、原因や対処法、病気の可能性について紹介します。
ぜひ参考にしてください。
一般的な生理期間は3~7日
一般的に平均的な生理日数は、3~7日と言われています。
これは個人差ありますが、2~3日目には経血が少なくなり、5日程度で終わるのが正常状態だと言われています。
もし生理期間がいつもと異なる、8日以上出血が続く、生理用品が手放せない場合は体のどこかに異常が起きているサインかもしれません。
こういった悩みは、中々周囲の人に相談しにくいかと思います。
しかし、これを放置してしまうと重度の障害になることもありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。
生理が8日以上続く場合は過長月経
過長月経は、通常よりも長い期間にわたって月経が続く状態を指します。
通常、月経周期は28日から35日程度とされていて、そのうち3~7日間程度が月経の日数とされています。
しかし、月経が7日間以上続く場合には過長月経とされることがあります。
過長月経の原因は様々ですが、主な要因として子宮内膜異常、ホルモンバランスの乱れ、卵巣機能の障害、子宮筋腫、出血性疾患などが疑われます。
そのため、少しでも生理で違和感を感じる場合は自己判断や自己治療をせず、医師の診断と適切な治療を行うと良いでしょう。
生理が終わらない原因
生理が終わらないけど何か異常があるのかな、いつもより生理が長いな、と感じる場合は体の中で思いも寄らない異常な状態となっているかもしれません。
一般的に生理には個人差ありますが、1週間以内で終わるのが通常としており、これよりも長引く場合は過長月経と呼ばれる状態となります。
過長月経は正常な体であれば、本来起こるものではないのです。
そのため過長月経が起こると言うことは、普段とは異なる何かしらの不具合が起こっている可能性が高いのです。
このサインを見逃さないように、しっかりと観察することが重要です。
ホルモンバランスの乱れ
過長月経が起こる主な原因として一番に考えられる点は、ホルモンバランスの乱れです。
ホルモンバランスは、普段の生活の中でもちょっとしたことで崩れることがあります。
例えば、生活習慣の乱れ、ストレス過多の生活、栄養不良などです。
ホルモンバランスが乱れると、子宮内膜の正常な成長と剥離によって出血が起こりやすくなります。
特にストレスは精神的な不安からホルモン調節機能に影響を与え、出血の不規則パターンを引き起こします。
また思春期の方は、ホルモンバランスが安定していないことから生理が長引くことが多い傾向にあります。
更年期
閉経前後の方、更年期の方は、生理の量が少なくなったり多くなったりします。
更年期は女性ホルモンの量が減少しており、普段とは異なるバランスになっていることから過長月経を起こしやすいです。
他にも更年期の方は排卵障害が起こりやすく、生理が長引く場合があります。
排卵障害はホルモン異常により排卵がうまくできなかったり、無排卵になったりする状態のことです。
例えば、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの過剰または不足が排卵障害の原因になることがあります。
排卵障害を起こりにくくするには日々のストレスを減らし、標準体重の維持、睡眠をしっかり取ることが大切です。
子宮にかかわる病気の可能性
子宮になんらかの病気が発現していると過長月経となるケースがあります。
例えば子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮頸がん、子宮体がんなどが疑われます。
これらの病気に共通して言えることは、生理が普段よりも長引くという特徴があるという点です。
中には、生理以外でも出血が止まらない場合もあるので、こういった症状が見られる場合は真っ先に病気を疑うと良いでしょう。
これらを放置してしまうと病状が悪化しすぐに治る病気も長期的な治療が必要になってしまうこともありますので、できるだけ早期発見することが望ましいです。
生理が終わらない際の対処方法
病気以外で生理が終わらない状態の場合、生理周期を安定させる方法が有効です。
その方法として、低用量ピルを服用する方法があります。
ピルとは、経口避妊薬(Oral Contraceptive Pill)の略称で、成分に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と呼ばれる女性ホルモン剤が含まれています。
一般的にピルは避妊薬として広く認知されていますが、エストロゲンとプロゲステロンの2種類をコントロールすることでホルモンのバランスを調整し、過長月経改善にも役立ちます。
ピルを服用しホルモンバランスを整える
ピルに含まれるエストロゲンは、女性が妊娠・出産するためになくてはならないホルモンです。
エストロゲンの効果は卵巣の機能を抑制し、排卵を防ぐ役割を果たします。
またプロゲステロンは子宮内膜の成長を抑制したり、受精卵が着床しやすいよう子宮内膜の環境を整え、体温を上げる作用があるため妊娠を助けるホルモンとも言われています。
この二つのホルモンバランスをうまくコントロールすることができるので、近年は婦人科系のトラブルにも効果があるとして多くの医院やクリニックでも処方しています。
ピルは病院処方または個人輸入代行で購入できる
ピルは病院やクリニックで処方してもらうことが可能です。
病院やクリニックは医師の診察を受け、自分に合ったピルの処方を受けることができます。
対面診療の場合、営業時間内であればその場でピルの受け取ることも可能です。
また近年定着化したオンラインクリニックの場合は、誰にも知られずに診療を受けることができ、自宅まで薬を配送してもらえるメリットがあります。
他にも医薬品を幅広く取扱う個人輸入代行サービスで購入する方法もあります。
日本では医薬品の取得には医師の処方箋がないといけませんが、個人輸入代行サービスを利用すれば、通販と同じように医薬品の購入が可能です。
この場合はメーカー正規品保証や製造元の説明がある業者を選ぶことが重要です。
個人輸入(通販)で購入できる低用量ピル
低用量ピルは薬局などで購入はできませんが、通販の個人輸入なら購入することができます。
個人輸入は名前の通り海外から輸入する形で通販購入できるというサービスです。
日本では、月経困難症や子宮内膜症の治療を目的としたピル服用の場合は保険適用されますが、生理不順改善目的の場合は、保険適用外となり高額の費用がかかります。
そのため安価にピルを継続したい方に個人輸入が利用されています。
個人輸入の低用量ピルの価格帯について、代表的なマーベロン、トリキュラー、ダイアン35の基本情報を例に示して比較してみます。
マーベロン1シートの価格は、約2,500円から購入可能です。
期待できる効果は、避妊、ニキビの改善が期待でき、副作用として頭痛、悪心が見られます。
トリキュラー1シートの価格も、約2,500円から購入可能です。
期待できる効果は、避妊、月経困難症の改善が期待でき、副作用として不正出血、頭痛、腹痛が見られます。
ダイアン35も1シートあたり、約2,500円から購入可能です。
期待できる効果は、避妊、多毛症やニキビの改善が期待でき、副作用として吐き気、体重増加、頭痛、腹痛が見られます。
過長月経を予防するためのポイント
過長月経は、普段から少し月経が長引くだけなので軽視されがちですが、放置すると不妊につながる他、さらに症状が悪化することもあるため、月経時の血量が多いと感じたら早めに適切な対策や治療を行う必要があります。
もし自己で過長月経を予防するなら生活習慣の改善、ストレス改善がおすすめです。
これらはホルモンバランスに影響を与える代表格です。
そのため、体の変化によって発せられた過長月経なら、これらで改善できる可能性が高くなります。
どれも簡単にできることですので実践して欲しいところです。
生活習慣を改善し自律神経を整える
医師による施術はもちろん重要なことですが、不規則な生活習慣がある場合は、これを改善し自律神経を整えるようにするとホルモンバランスが整えられます。
ホルモンは人の体内で一定量になるよう常に調整されているのですが、様々な要因でこのバランスが簡単に崩れてしまうことがあるのです。
特に女性ホルモンは、ストレスや年齢などによって低下しやすい代表的なホルモンと言えます。
そのため生活習慣の乱れを感じたら、適度な運動、質の良い睡眠、ストレス発散などを行うと効果的にホルモンバランスの調整を行うことができます。
ストレスを適度に発散する
ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れ、体に様々な影響が出やすくなります。
そのため、この溜まっているストレスは、できるだけ早めに発散していくことが大切です。
特に40~50代は年齢によるホルモンバランスの変化に加え、職場や家庭でのストレスが多い時期です。
また食欲低下が見られたり、出かけるのが億劫になるという気持ちがある場合は、ストレスが溜まっているサインかもしれません。
その場合、友人との電話や趣味への没頭、手軽なストレッチなどを行うと良いでしょう。
これは自身が興味のあることなら何でも良く、自信に合うストレス発散方法を行うことが大切です。
過長月経ではなく病気による不正出血の可能性に注意
過長月経の原因の中には、病気による不正出血の可能性もあります。
この不正出血にも様々な要因があり、子宮内膜ポリープやがんの可能性もあります。
子宮内膜ポリープは子宮内膜の細胞が増殖し、子宮の内腔にポリープができるものです。
ポリープの大きさは大きいものだと10cmを超えることもあり、不正出血や過長月経の原因として有名です。
他には、がんでは子宮頸がんや子宮体がんがあります。
子宮頸がんは子宮頸部にできるがんのことで、膣に近いところにできた場合は発見しやすいのですが、奥にできると発見が遅れることがあるため注意が必要です。
子宮体がんは子宮体部にできるがんのことで、月経期間以外でも出血が見られることもよくある症状です。
こんな症状が見られたら婦人科へ
過長月経の原因には様々な要因がありますが、主に器質的疾患である子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症などの子宮の病気によって生じる場合は、婦人科へ行くようにしましょう。
子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍です。
筋肉にできるため、子宮の収縮機能を低下させます。
そのため、はがれた子宮内膜を外に押し出す力が弱くなり、生理が長引くという特徴があります。
子宮内膜症は卵巣や卵管などに子宮内膜組織が増え、生理のたびに剥がれ落ちることで出血量が増える病気です。
子宮腺筋症は子宮内膜のような組織が子宮の筋肉にできるため、子宮が収縮しにくくなる病気です。
子宮頸がんは子宮の入り口付近の子宮頚部にできるがんで、進行すると生理とは関係なく出血したり、生理も長期間にわたり出血が続きます。
子宮体がんは子宮体部にできるがんで、出血で生理がない時期でも続く場合があります。
生理が8日以上続くようなら要注意!
女性の生理が終わらない理由には、様々な要因が考えられます。
要因と考えられる事象として、総合的に考えてもホルモンの不均衡が大きい要因となります。
生理周期や出血量はホルモンバランスによって制御されており、このホルモンの変動や異常が見られると生理が遅れたり止まったりする要因となります。
またホルモンバランスが乱れる要因も様々で、生活習慣、ストレス、病気の影響などが考えられます。
これらの要因は代表的な理由ですが、個々の状況には様々な要因が影響しますので、状況に応じて医師と相談することが重要です。