低用量ピル

低用量ピルの休薬期間中の効果は?避妊しない場合の妊娠の可能性について

低用量ピル

低用量ピル休薬期間中の避妊効果

低用量ピルは、毎日きちんと服用していれば、休薬期間中も避妊の効果が継続します。

通常、排卵は卵胞が受精できる状態まで育った段階で起こります。

ピルを正しく服用している場合は卵巣の活動が休止するため、卵胞は育っても排卵が起こりません

休薬している7日間に卵胞が急激に育ち、排卵が起こるということもありません。

そのため、休薬期間にもきちんと避妊効果が継続しています。

本記事では、低用量ピルの休薬期間中の避妊効果について、詳しく解説しています。

ピル以外の避妊をしていない場合の妊娠確率

低用量ピル以外の避妊をしていない場合でも、毎日きちんと服用していれば、休薬期間中に妊娠する可能性は「0.3%」と非常に低い数値です。

これはあくまでも、「毎日きちんと服用している場合」の話で、飲み忘れが発生している場合は、妊娠の確率は「9%」まで上昇します。

そのため、低用量ピルを常用しているから避妊をしなくてもいいということにはならず、休薬期間中もコンドームなどを併用して妊娠の可能性を下げる必要があります。

関連ページ
低用量ピルの避妊効果のメリット・デメリット|避妊方法の種類について

低用量ピルの休薬期間がある理由

そもそも、低用量ピルは、なぜ休薬の期間を設ける必要があるのでしょうか?

それには、以下のような理由があります。

これらについて、以下で詳しく解説していきます。

予期せず出血の回避

休薬期間を設けることなく低用量ピルの内服を続けていると、予期せぬ時期に出血する可能性が高まります。

そうなると、「生理に伴う出血をコントロールして生活の質を上げる」という低用量ピル服用の目的が達成できなくなります。

そのため、定期的に休薬期間を設けて「消退出血」を起こさせることで、出血のタイミングをコントロールしやすくしているのです。

なお、低用量ピルの服用であらわれる消退出血は、生理に比べると痛みや出血が少なくて済み、出血する期間も短くなるというメリットがあります。

消退出血とは血中の女性ホルモンが減少することで子宮内膜が剥がれ落ちて出血することで、消退出血が起こる原理は、生理の出血と同じものです。

関連ページ
低用量ピルの不正出血について│出血の対応法や低用量ピル以外の原因の紹介

妊娠の有無を確認する目的

休薬期間が設けられているのは、妊娠の有無を確認するためでもあります。

一時的に低用量ピルの服用を止めることで消退出血が起こると、妊娠はしていないということが確認できるためです。

万が一、休薬期間中の消退出血が2周期連続して起こらなかった場合は、投与を継続する前に妊娠の有無を確認する必要があります。

妊娠が確認された場合は、低用量ピルの服用を中止する必要があります。

参考ページ
医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)|生殖能を有する者

卵巣を正常に保つ目的

低用量ピルの休薬期間は、卵巣や子宮のメンテナンスを行うための期間でもあります。

ピル服用中は、卵巣や子宮内膜が働きを休めています。

そのため、卵巣や子宮の正常な働きを維持するためには、その働きを定期的に再開させる必要があるのです。

ピルの休薬期間を設け、卵巣や子宮の働きを定期的にチェックしておくことは、とても大切なことなのです。

休薬期間中の生理について

低用量ピルを休薬すると、一般的に休薬を開始してから2日前後で出血が起こります。

ピルを飲んでいるのに生理のような出血が起きて驚くこともあるかもしれませんが、これは「消退出血」と呼ばれており、休薬期間中に起こる自然なものです。

ピルを休薬することでホルモンが補われなくなるため、子宮内膜が剥がれ落ちて出血を起こします。

ピルで人為的に起こしている出血のため生理とは異なりますが、出血する仕組みは生理のものと同じです。

消退出血は生理と同じように5日前後続きますが、生理と比べると痛みや出血が少なくて済み、出血する期間も短くなることが多いです。

休薬期間中に消退出血が起きないということはとてもまれなケースですが、起きない場合は妊娠している可能性もあります。

万が一起きなかった場合は、妊娠を確認するために病院で検査を受け、医師に相談することをおすすめします。

関連ページ
低用量ピル使用中に生理が来ない理由|生理が遅れている場合の対処方法

休薬期間をとらないケース

消退出血の日をずらしたいという場合は、休薬期間を設けたくない時もあるかと思います。

その場合は、休薬期間を設けることなく、ピルを服用し続けることも可能です。

休薬期間を設けない場合は、最大で3シートまで継続して服用することができます。

ただし、1シート内でホルモンの配合量が変化する二相性や三相性ピルの場合は、休薬期間を設けない場合に適したホルモンのコントロールが必要となるため、医師にご相談されたうえで服用の指示を受けてください。

低用量ピルの休薬期間中に関する質問

低用量ピルの休薬期間中について、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。

休薬期間中に消退出血が起きません。妊娠の可能性はありますか?

通常は休薬期間中には消退出血が起こるものですが、出血が見られない場合もあります。

性交渉があった場合は妊娠を疑う必要がありますので、次のシートを服用する前に、市販の妊娠検査薬で確認することをおすすめします。


陽性が出た場合は、ピルの服用を中止して婦人科を受診してください。

陰性だった場合は、たまたま偶然に出血が生じなかっただけと考えられるため、不安を抱えすぎる必要はありませんが、念のため、服用を再開する前に医師にご相談されることをおすすめします。

休薬期間の8日目に低用量ピルを飲み忘れてしまいました。どうすれば良いでしょうか?

休薬明けとなるはずの休薬期間8日目(次のシートの服用開始1日目)に飲み忘れてしまうと、妊娠の可能性が高まります。

この場合は、ピルを7日間連続して服用するまで性交渉を控えるようにするか、コンドームなど他の避妊方法を用いるようにしましょう。


休薬期間中に避妊せずに性交渉をおこなった場合は、妊娠の有無を確認する必要があるため、医師に相談するようにしてください。

飲み忘れを防ぎたいという場合は、休薬期間の無い28錠タイプのピルをおすすめします。

ピルの休薬期間中、避妊効果はありますか?

ピルを正しく服用している場合は、休薬期間中も避妊効果はあります。

休薬期間中はピルの服用を止めてしまうので、ピルを飲まないのに避妊効果はあるのかと不安に思う方もいるかもしれませんが、心配はありません。

通常、卵子を含んでいる卵胞は月経の周期に合わせて成長し、直径20ミリ前後の大きさまで育つと卵巣から排卵されます。


ピルを正しく服用している場合は卵巣の活動が休止するため、卵胞は育っても排卵が起こりません。

休薬している7日間に卵胞が急激に育って排卵するということもありません。

そのため、休薬期間であってもきちんと避妊効果が持続しているということになります。

ピルを休薬しないで次のシートを飲んだらどうなりますか?

低用量ピルには、必ず休薬期間として7日間設けられています。

人によっては、どうしても消退出血の日をずらしたいという時もあるかと思います。


休薬期間を設けない場合は、最大で3シートまで継続して服用することが可能です。

ただし、7日間の休薬期間を設けることなく次のピルを飲み続けてしまうと、予期せぬタイミングで不正出血を起こすおそれがあるため注意しましょう。

休薬しないでいいピルはありますか?

ピルの中でも、長期間連続投与できるとされているものは超低用量ピルだけです。

日本国内で処方されている超低用量ピルは「ヤーズフレックス」や「ジェミーナ」というものがあります。

ヤーズフレックスは最長で120日、ジェミーナは最長77日まで、連続服用が可能とされています。


これらの超低用量ピルを休薬期間を設けずに服用したいという場合は、医師に相談してみるようにしてください。