低用量ピル

低用量ピル服用中の飲酒について|お酒を飲む場合の注意点

低用量ピル

低用量ピル服用中の飲酒について

低用量ピルを服用中にお酒を飲むことは問題がありません。

お酒を飲むことで低用量ピルの効果に影響が出ることもありません。

ただし、低用量ピルをお酒と同時に服用することはやめましょう。

ピルは、基本的に水で服用するようにできているため、水以外の飲料で服用すると成分の吸収や効果の出方に影響する場合があるためです。

また、そのほかにも気をつけなければならないことがいくつかあります。

今回は、低用量ピルを服用中の飲酒が体に与える影響について、解説しています。

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低用量ピルの飲み始めはいつ?低用量ピルの正しい服用方法について解説

ピル服用中にお酒を飲む場合の注意点

ピル服用中の飲酒で注意すべき点として、以下のようなことが挙げられます。

ピルを服用中の方がお酒を飲む場合の注意点について、以下で解説していきます。

ピルとお酒を同時に飲むのはNG

ピルをお酒と同時に飲むのはNGです。

低用量ピルとアルコールは、どちらも肝臓で代謝されます。

そのため、低用量ピルとアルコールを同時に摂取すると、低用量ピルの分解が遅くなってしまいます。

その結果として、低用量ピルの血中濃度が高くなり、副作用が強く出る場合があるのです。

飲酒時の嘔吐や下痢に注意

お酒を飲みすぎたあまり、ピル服用後に嘔吐や下痢をすると、お酒を楽しめないばかりかピルの充分な効果も得られなくなってしまいます。

特にピル服用後3時間以内の嘔吐や下痢は、薬の成分が充分に体内に吸収されません。

効果が薄れる可能性があるため、要注意です。

服用後3時間以内に嘔吐・下痢の症状が現れた場合は、なるべくすぐに1錠追加して服用してください。

軟便程度であれば問題は無いとされていますが、その後も下痢や嘔吐が続くような場合はピル以外の避妊法も併せておこない、体調に気を配るようにしてください。

下痢や嘔吐の症状改善後、最低でも7日間は、コンドームを使うなどの別の避妊法も併用することが望ましいとされています。

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低用量ピルの吐き気について|原因や吐いてしまった場合の対応

低用量ピルの飲み忘れに注意

酔っぱらうと、ピルを飲み忘れてしまうリスクがあることにも注意が必要です。

例えば、以下のような状況は飲酒の際によくあることかと思います。

酔ってピルを飲み忘れてしまうパターン

・毎朝9時にピルを飲んでいるのに、前日の夜にお酒を飲みすぎてお昼の12時に起床してしまった。

・毎晩21時にピルを飲んでいるのに、夜飲み会に行っていつもピルを服用している時間帯に飲み忘れてしまった。  

ピルは毎日決められた時間に飲まなければなりませんが、服用する時間が数時間ずれただけでは問題はないとされています。

飲み忘れした当日中に気が付いたら、なるべく早めに飲むようにしてください。

その後も忘れたままで1日分のピルを飲み忘れたという場合は、気づいた時点ですぐに前日分を服用して、当日分もいつも飲んでいる時間に服用するようにします。

その日は2錠飲んだことになりますが、いつもの時間にまとめて2錠を飲むようなことになってしまっても問題はありません。

ただし、2日以上忘れてしまった場合は避妊効果が低下するうえ、不正出血などのリスクがありますので、お酒の飲みすぎには注意しましょう。

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低用量ピルを飲み忘れた時の対処方法|生理が来た場合や避妊効果について解説

血栓症リスクに注意

ピルを服用中に過度なアルコールを摂取すると、血栓症のリスクが高まることがわかっています。

ピルを服用すると、体内に卵胞ホルモン「エストロゲン」が増えることで、通常よりも血液が固まりやすい状態となります。

低用量ピルが血栓症を起こすリスクはもともとそれほど高いものではありません。

低用量ピルが血栓症を起こすリスク

妊娠・出産時の血栓症発症リスクの、およそ5分の1以下

ところが、飲酒をするとアルコールを分解するために水分が必要になり、利尿作用が強まることで体が脱水症状に陥りやすくなります。

そのため、水分が不足した体内は、血行が悪くなった分、さらに血栓ができやすい状態となっています。

また、車や電車、船での移動など、長時間に渡って同じ姿勢を取るといった体の姿勢にも注意が必要です。

なぜ長時間移動に注意が必要なのか?

同じ姿勢で長時間座るうえに機内の湿度が低いと、知らぬ間に身体が脱水状態となり、血栓症のリスクが更に上がるため

脱水を予防するためにいつもよりも多めに水分を摂取したり、アルコールを控え、足を動かすなどの簡単な運動を積極的におこなったりして血栓の予防に努めましょう。

血栓が原因となって引き起こされる病気としては、脳梗塞や心筋梗塞などがありますが、ピルで起こる血栓症で多いのは、ふくらはぎや太ももに痛みをともなう腫れや赤みができる下肢静脈血栓症です。

命に関わることがあるため、血栓症が疑われる場合は、速やかに医師にピル服用中であることを伝えたうえでご相談ください。

参考ページ
医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)|重要な基本的注意

ピル服用前後のアルコール摂取

ピル服用から3時間以内に下痢や嘔吐があると、ピルの成分が充分に吸収されないため、飲酒が終了してから3時間以上経過した後でピルを服用するのが望ましいです。

また、ピル服用直後に飲酒をすると、酔っぱらってピルを飲み忘れてしまう可能性があります。

ピル服用中の飲酒は、アルコールが原因となる下痢や嘔吐のリスクが高まるため、ピルの効果を充分に得られなくなってしまう場合があります。

これは、ピルを服用してから飲酒をして、嘔吐や下痢をした場合であっても同様です。

低用量ピル服用中の飲酒に関する質問

低用量ピルを服用中の飲酒について、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。

ピルを飲み3時間後に嘔吐したらどうしたらいいですか?

ピルの服用から3時間経過後に嘔吐してしまった場合、通常通り翌日の決まった時間に1錠服用すれば問題ありません。

低用量ピル服用中はお酒を控えたほうがいいですか?

低用量ピル服用中の飲酒自体は、特に問題がありません。

しかし、飲酒によって起こる飲み忘れ、嘔吐や下痢といった症状、体の脱水症状には注意が必要です。

低用量ピルの服用中は、飲酒量に充分注意してください。

ピルとお酒を同時に飲むとどうなりますか?

低用量ピルは、基本的に水やぬるま湯で飲むように作られています。

これは、一緒に摂取する飲料の成分によって薬の効き目が弱まったり、逆に効きすぎたりすることを防ぐためのものです。


アルコールは、低用量ピル同様に成分が肝臓で分解されます。

同時に飲むことでピルの分解が遅れる場合があることから避けるべき行為なのです。

また、副作用が強く出る可能性もあるため、同時に服用することはやめましょう。

ピルを飲んで、お酒に弱くなることはありますか?

ピルを飲んでいるからと言って、お酒に弱くなることはありません。

ピルを飲んでから何時間後にお酒を飲むと良いですか?

服用から3時間以内に下痢や嘔吐があると、ピルの成分が体内に充分に吸収されなくなります。


そのため、飲酒が終了してから3時間以上経過した後にピルを服用するのが望ましいです。