低用量ピルの休薬期間中に生理が来ない理由
避妊や生理痛、月経前症候群(PMS)に効果のある低用量ピルですが、ピルの服用をお休みする休薬期間に生理がこない場合があります。
正しく服用していれば休薬期間の2~4日目に生理のような「消退出血」がありますが、もしこないようであれば、以下の原因が考えられます。
次の項目で、それぞれの原因について詳しく説明します。
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低用量ピルの生理への影響|PMSや生理痛の緩和について
妊娠の可能性
低用量ピルの休薬期間中に消退出血がおきない場合、妊娠の可能性が考えられます。
正しく服用した場合は99.7%の確率で避妊が可能ですが、飲み忘れがあった、服用開始が生理の第1日目から遅れた、服用から3時間以内に嘔吐や下痢をしてしまったなどで避妊効果が92%まで下がることがあります。
もし妊娠の可能性が考えられるなら、妊娠検査薬を使用して確認しましょう。
- 乳房が張る、痛みがある
- 微熱が続く
- 眠気やだるさを感じる
- 吐き気などつわりのような症状がある
- 食欲が増す、または減少する
- おりものの量が増える
- めまいやたちくらみがする
- イライラしたり不安になったりする
- トイレの回数が増える
妊娠検査薬は97%の確率で正しい結果が判定できるといわれていますが、陰性でも体調に異変があるときは婦人科で検査してもらいましょう。
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低用量ピルの避妊効果のメリット・デメリット|避妊方法の種類について
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低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン|OCの作用機序
子宮内膜の異常
低用量ピルの効果で子宮内膜が薄くなると、経血量が減少するため生理がこなくなることがあります。
低用量ピルは、服用すると卵巣が眠った状態になるためホルモンが出なくなり、代わりにピルに含まれている女性ホルモンが子宮を刺激します。
ピルには女性ホルモンがバランスよく含まれているため、子宮への刺激が減ることで子宮内膜が薄くなります。
実際に超音波検査をおこなうと、子宮内膜が薄くなっているのを確認できます。
経血が体内にたまっているのに出てこないわけではなく、そもそも経血の量自体が減るため、あまり心配する必要はありません。
気になる方は、医療機関で超音波検査をうけることをおすすめします。
休薬期間の誤り
低用量ピルには休薬期間がありますが、正確に期間を設けないと生理がこない場合があります。
休薬期間とは治療薬の服用をお休みする期間のことで、1周期28日間のうち、7日間あります。
生理開始日を1日目として、21日、または28日間正確に服用すれば休薬期間中に生理がきます。
しかし数日間飲み忘れてしまった、前回の休薬期間を長めにとってしまい、服用開始の1日目がずれてしまった場合は生理がこないことがあります。
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低用量ピルを飲み忘れた時の対処方法|生理が来た場合や避妊効果について解説
ストレスによる影響
ストレスによりホルモンバランスが崩れると、生理がこないことがあります。
ストレスは自律神経の働きなどに影響を与えるため、ホルモンバランスや分泌のバランスが崩れることがあります。
ホルモンは排卵や生理などに大きく関与しているため、ストレスによってホルモンバランスが崩れると、生理が不規則になったり、生理がこなくなったりします。
音楽を聴いたり、アロマを焚いたりしてリラックスできる時間を作る、バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけるなどして、ストレスやホルモンバランスの乱れを防ぎましょう。
病気の可能性
病気が原因で生理が遅れたり、止まってしまったりする場合があります。
・多嚢性卵巣症候群(PCOS)
└生理周期が35日以上
└以前は規則的だったのに、不規則になった
└ニキビができやすい
└少し体毛が濃い
└肥満である
・甲状腺の疾患
└疲労感
└むくみ
└体重の増加
└月経回数の異常
└眠気を強く感じる
・下垂体の疾患
└性欲の低下
└頭痛
└月経回数の減少
└体毛の減少
2ヶ月以上生理がこない、20歳を超えても生理不順が続いている場合は、一度婦人科を受診してください。
また、今まで規則正しくきていた生理が不規則になってきたという場合も病気の可能性があるため、医師の診察をうけてください。
痩せすぎ・太りすぎ
痩せすぎ(低体重)、太りすぎ(過体重)で生理がこなくなる場合もあります。
BMIが17未満になると、生理が止まってしまうことがあります。
無理なダイエットはもちろんですが、アスリートなど食事や体重管理をしている人でも、BMIが17未満になると生理が止まるリスクが増えます。
またBMIが25以上の肥満だと、先程述べた多嚢性卵巣症候群(PCOS)による排卵障害が原因で、生理がこない場合があります。
多嚢性卵巣症候群(PCOS)は不妊の原因ともなるため、医師のもとで適切な治療をうけましょう。
低用量ピル服用中に生理が遅れている場合
低用量ピルの服用中に生理が遅れてしまっている場合、予定日から最大7日程度の遅れならそれほど気にする必要はありません。
しかし予定日より8日以上過ぎても生理がこないときは、以下の対処方法があります。
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低用量ピルで生理日をずらす方法【早める・遅らせる】月経移動の注意点について
次の項目でそれぞれについて詳しく説明します。
妊娠検査を行う
低用量ピルの服用中に性行為があった場合は、まず妊娠しているかどうかを確認しましょう。
性行為が一切なければ妊娠の可能性はゼロですが、あった場合はピルの服用を継続しながら、妊娠検査薬や検査キットなどを使用して自分で確認してください。
検査薬や検査キットでは不十分だと感じる人は、産婦人科で超音波検査をうけて、妊娠の有無をはっきりさせましょう。
妊娠をしていないことが確認できたら、再度低用量ピルの服用を再開してください。
低用量ピルの服薬を継続
性行為が一切なく、妊娠の可能性がゼロであれば、そのままスケジュール通り低用量ピルの服用を継続してください。
低用量ピルを服用して生理(消退出血)がこない人は1%未満といわれています。
性行為があった場合は服用を継続したまま、検査薬などで妊娠しているかどうかの確認が必要となりますが、ない場合は生理がこなくても問題ありません。
しかし、上記で説明した「病気の可能性」も考えられるため、異常がないかどうか医師の診察をうけてください。
また、飲み忘れが多い場合や、副作用で嘔吐してしまう場合は服用中の低用量ピルがご自身に合っていない可能性があるため、低用量ピルの種類を変更するのもひとつの方法です。
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低用量ピルの種類と特徴|世代や相性の違いは?お悩み別オススメ紹介
低用量ピル服用中の生理の遅れなどに関する質問
ここでは低用量ピルを服用している最中の、生理の遅れに対する質問を紹介します。
ピルの休薬期間中に生理が来ないのはなぜですか?
低用量ピルを飲んでいるのに生理がこないのは妊娠の可能性はある?
ピルを飲むと生理がこなくなりますか?
ピル休薬期間何日目に生理がきますか?
妊娠以外で低用量ピルの服用で生理がこなくなることはありますか?