低用量ピルの主な副作用
低用量ピルは、高い避妊効果以外にも生理痛の緩和など女性には嬉しい効果がある一方で、副作用を引き起こす可能性もある薬です。
低用量ピルの副作用は、飲み続けることで症状が落ち着いてくることがほとんどです。
ただし、副作用の症状が改善されない場合は服用中の低用量ピルが体に合っていない可能性もあるため、低用量ピルの種類を変更することも検討してみてください。
不正出血
生理ではない時に出血することを不正出血と言いますが、初めて低用量ピルを使用した方の約30%近い人が不正出血を経験しています。
不正出血の量や出血時の色に関しては個人差がありますので、下記の症状例を参考にしてください。
- 赤色
- 茶色
- 出血時はピンク色
- おりものに血が混ざっているような状態
不正出血は、身体が低用量ピルに慣れていない時期の飲み始めの1〜3ヶ月の時期に出やすいとされています。
出血の期間には個人差があり、生理後に2週間以上少量の出血が続くケースもあります。
しかし、服用を開始してすぐの不正出血は、体に慣れるまでの一時的な症状で、服用を継続していくうちに徐々は治まってくることがほとんどです。
1ヵ月以上不正出血が続く場合は、低用量ピル以外の原因で出血が起こっている可能性があるため、病院を受診しましょう。
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吐き気
低用量ピルの副作用として、吐き気や気持ちの悪さを感じる場合があり、飲み始めから数週間~3カ月程度で治まるとされています。
吐き気の症状も不正出血同様に低用量ピルの服用を継続することで徐々に症状は治まってきますが、比較的頻度の高い副作用の症状で、低用量ピルを途中で辞める理由の1つとして挙げられることが多い症状です。
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むくみ
低用量ピルにはプロゲステロンというホルモンが含まれており、ホルモンによって体内に水分が溜まりやすくなるためむくみが出やすいです。
ピルを服用して太ったという方がいますが、水分が溜まってむくみの症状が出ている可能性が高く、実際は太った訳ではなく一時的な症状がほとんどです。
飲み始めたばかりの時期に起こりやすい症状のため、通常は1~2ヶ月ほど飲み続けることでホルモンバランスが安定し、むくみも自然に改善されていきます。
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頭痛
頭痛は飲み始めによく見られる副作用のひとつであり、ホルモンバランスが不安定になることが原因です。
3ヶ月ほど服用すると、ホルモンバランスが安定して症状が改善されます。
気分の落ち込み
服用から1~3ヶ月は、食欲不振や不眠、気分の落ち込みなど抑うつ症状が出る場合があります。
飲み続けているうちに改善されることが多いですが、ピルの種類を変えることで症状が治まることもあるため医師へ相談しましょう。
眠気
低用量ピルに含まれるホルモンは、体内で分解されることで眠気を引き起こします。
個人差はありますが、服用後、数時間から数日程度で現れ、数日以内に症状が改善されることが多いです。
十分な睡眠時間の確保が望ましいですが、取れない場合は日中の仮眠でも改善ができます。
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重篤な副作用の血栓症
低用量ピルの副作用の中でも重篤な副作用として血栓症が挙げられます。
血栓症とは、血液中に血の塊ができて血管を塞ぎ、詰まってしまう病気のことで、血栓ができる場所によっては、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがあります。
とくに、服用を開始して3ヶ月以内は気をつける必要があり、以下の症状は血栓症の初期症状の場合があるため注意しましょう。
重大な副作用の血栓症については命に関わることがあるため、血栓症の初期症状が見られる場合はすぐに病院を受診しましょう。
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低用量ピルによる血栓症のリスク|初期症状や対処方法についても解説
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厚生労働省|経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ
低用量ピルの副作用はいつからいつまで?
低用量ピルの副作用は、飲み始めから1~3ヶ月の間に起こる可能性が高いとされています。
低用量ピルに含まれる成分によって体内のホルモンバランスが変化することで、副作用の症状が現れますが、服用を開始してから2~3ヶ月ほど経つと、ホルモンバランスが安定して副作用の症状は徐々に緩和されていきます。
そのため、身体が低用量ピルに慣れるまでは様子を見ながら服用することが大切です。
副作用を起こす確率
低用量ピルを服用して副作用を起こす確率は以下の通りです。
発症率 | 症状 |
20% | 不正出血 |
5%以上 | 悪心、吐き気 |
0.1~5%未満 | むくみ、体重増加、ふらつき、めまい、にきび、腹痛、下痢、眠気、だるさ |
0.1%未満 | 蕁麻疹、動悸、視力障害 |
悪心・嘔吐、頭痛については発現率が高い副作用であり、ほかにもめまいやふらつき、にきび、むくみなどがあります。
ほとんどの副作用は5%未満のため、副作用が現れる可能性は低く安全性の高い医薬品であると言えます。
また、副作用が現れた場合、ホルモンバランスが安定するまでの一時的な症状であり、低用量ピルに慣れてホルモンバランスが安定すると改善することが多いです。
また、喫煙は血栓症のリスクを更に高める恐れがあるため、喫煙を控えたり、こまめに水分を摂ったりすることで予防を心がけましょう。
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低用量ピルの喫煙のリスクについて|喫煙者が低用量ピルを服用する際の注意点
低用量ピルの副作用の対処方法
低用量ピルによる副作用がつらい場合は、以下の対処方法で様子を見てみるといいでしょう。
それぞれの方法について解説していきます。
吐き気止めや頭痛薬の服用
低用量ピルの服用中に頭痛や吐き気を感じる場合は、市販の痛み止めや吐き気止めを併用しても問題はありません。
ただし、低用量ピル服用後3時間以内に嘔吐した場合は、薬の成分が吸収されずに効果を発揮できない場合があるため、低用量ピルを再度1錠服用してください。
飲む時間帯を変えてみる
日中に頭痛や吐き気、眠気などの副作用が起こる場合は、低用量ピルの服用時間を夜眠る前の時間帯に変えてみることで、副作用の症状が気にならなくなる場合があります。
低用量ピルの種類を変更する
低用量ピルの副作用が3ヵ月以上続く場合は、服用中の低用量ピルが体に合っていない場合もあります。
その場合は、低用量ピルの種類を変更することで症状が改善されることがあるため、有効成分が異なる低用量ピルや、ホルモン含有量が少ない低用量ピルへの変更も検討してみるといいでしょう。
ただし、低用量ピルの種類を変更する場合は、21錠タイプと28錠タイプで切り替え方法がことなるため、しっかり確認した上で種類の変更を行いましょう。
錠数タイプ | 切り替え方 |
21錠タイプから28錠タイプ | 1.シートをすべて飲み終える 2.7日間の休薬期間を設ける 3.新しい低用量ピルを飲み始める |
28錠タイプから28錠タイプ | 1.シートをすべて飲み終える 2.新しい低用量ピルを飲み始める |
商品 | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
---|---|---|---|---|
種類 | 1相性 | 3相性 | 1相性 | 1相性 |
成分量 | デソゲストレル0.15mg エチニールエストラジオール0.03mg | エチニルエストラジオール0.03mg レボノルゲストレル0.05mg | 酢酸シプロテロン2mg エチニルエストラジオール0.035mg | レボノルゲストレル0.15mg エチニールエストラディオール0.03mg |
価格 | 2,000円~ 28錠 | 2,180円~ 21錠 | 2,500円~ 21錠 | 1,400円~ 21錠 |
特徴 | 国内処方の低用量ピル 認知度の高い低用量ピル 飲み忘れ防止の28錠タイプ | 国内処方の低用量ピル | ニキビの改善にも効果的 | 副作用が出にくい |
商品ページ | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
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