アフターピルの正しい服用方法
アフターピルは避妊失敗時や、避妊を忘れてしまった場合に飲む「緊急避妊薬」で、薬の種類によって服用方法は異なりますが大きく分けて以下の3通りとなっています。
種類 | ノルレボ | エラ | オブラルG(ヤッペ法) |
---|---|---|---|
服用タイミング | 性行為後72時間以内 | 性行為後120時間以内 | 性行為後72時間以内 |
服用する錠数 | 1回1錠 | 1回1錠 | 2回2錠(合計4錠服用) |
特徴 | 病院処方もされており、国内での利用者も多いアフターピル | 服用可能なタイムリミットが120時間と長く、海外で主流となっているアフターピル | 緊急避妊以外の「生理日の移動」などにも利用可能 |
服用方法 | ノルレボ | エラ | オブラルG |
上記3種類のアフターピルは病院、通販サイトどちらでも入手することが可能です。
※オブラルGは「中用量ピル」に該当しますが、アフターピルと同様に「緊急避妊薬」として服用されることがあります。
本記事では、アフターピルを飲むタイミングや注意点についても詳しく解説します。
ノルレボの服用方法
ノルレボは性行為後、72時間以内に服用する必要があるアフターピルです。
性行為後から服用するまでの経過時間が短いほど、避妊効果も高くなるため、なるべく早いタイミングで服用しましょう。
服用方法 | 水またはぬるま湯で服用 |
服用タイミング | 性行為後72時間以内 |
服用する錠数 | 1回1錠 |
- 24時間以内:95%
- 48時間以内:85%
- 72時間以内:58%
エラの服用方法
エラは海外で主流のアフターピルで、性行為後120時間以内に服用すれば避妊効果を得ることができます。
ノルレボと同様に、服用タイミングが早いほど避妊効果も高くなるため、なるべく早いタイミングでの服用が大切です。
服用方法 | 水またはぬるま湯で服用 |
服用タイミング | 性行為後120時間以内 |
服用する錠数 | 1回1錠 |
- 24時間以内:95%以上
- 72時間以内:95%
- 120時間以内:85%
オブラルG(ヤッペ法)の服用方法
オブラルG(ヤッペ法)は中用量ピルを用いた緊急避妊法で、アフターピルが普及する前は日本で最も多く行われていた避妊法です。
ただし、「2回の服用が必要」「副作用の発現頻度も高い」「妊娠阻止率もアフターピルと比べると低い」などのデメリット等もあるため、現在はアフターピルが緊急避妊法の主流となっています。
服用方法 | 水またはぬるま湯で服用 |
服用タイミング | 性行為後72時間以内 |
服用する錠数 | 1回2錠 |
服用回数 | ①性行為から72時間以内に2錠を服用 ②最初の服用から12時間後に再度2錠を服用 |
- 24時間以内:77%
- 48時間以内:36%
- 72時間以内:31%
アフターピルはいつ飲む?
アフターピルは、性行為後、早い内に服用すればするほど避妊の成功率が高くなるため、避妊失敗時は、なるべく早いタイミングで飲むようにしましょう。
性行為から時間が経てば経つほど避妊の成功率が低くなっていきますが、成功率はアフターピルの種類によって異なります。
避妊失敗から時間が経過した場合でも、120時間以内であれば一定の避妊効果があるとされているので、飲むタイミングを逃したと諦める前に120時間経過していなければ飲むことをおすすめします。
関連ページ
アフターピルの避妊率について│避妊方法の種類と避妊率の比較
アフターピルの服用時の注意点
アフターピル服用時はいくつかの注意点があります。
これらについて以下で解説します。
服用後の吐き気に注意
アフターピルを服用時は副作用の吐き気に注意が必要です。
服用後に嘔吐してしまった場合、せっかく服用したにも関わらずピルの効果が得られない可能性があり、場合によっては同じピルを飲みなおす必要があります。
基本的には、服用後2時間以内にお薬を吐いてしまった場合に、もう1回飲む必要があります。
「アフターピルを複数回飲んでも大丈夫なのか?」と心配な方は以下の記事もぜひご参考ください。
関連ページ
アフターピルの連続服用は大丈夫?身体への影響やリスクについて解説!
飲み合わせに注意
アフターピルとの飲み合わせに注意が必要な薬剤としては、以下のようなものが挙げられます。
この中でも特に注意が必要なのは、「セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)」で、抗HIV薬や血液凝固防止薬などの医薬品に限らず、ハーブティーにも含まれていることがあります。
アフターピルの服用ができない人
アフターピルの服用ができない人として、以下のような人が挙げられます。
アフターピルに含まれる成分は肝臓で代謝されるため、肝臓に負荷がかかると肝障害などの病気を進行させる可能性があります。
重度の消化管障害や吸収不良症候群の場合は、ピルの成分を充分に吸収できないおそれがあるため、服用ができません。
心臓や腎臓に病気がある場合も、ナトリウムや体液が貯留されることにより、病気の症状が憎悪する可能性があります。
また、授乳中の女性が服用すると、アフターピルの成分が乳汁に移行してしまうので、授乳中の服用は避けることが望ましいです。
しかし、妊娠が大きな問題となる場合、アフターピル服用のタイミングで授乳を避けられないという時には、アフターピルの服用を考慮する事もあります。
参考ページ
医療用医薬品 : ノルレボ (ノルレボ錠1.5mg)|禁忌
お酒との併用に注意
アフターピルの成分はお酒と同じように肝臓で代謝されるため、お酒と一緒に飲むとピルの代謝がおろそかになり、効果が薄れる可能性があります。
お酒とアフターピル、両方の成分を肝臓で代謝すると、アフターピルの作用が強く出てしまい、吐き気や嘔吐などの副作用が増幅される可能性もあるため、アフターピルとお酒の併用には気を付けた方がよいでしょう。
アフターピルの内服後は、最低でも24時間はお酒を控えることをおすすめします。
関連ページ
アフターピルとお酒の飲み合わせ|影響と注意点について解説
副作用に注意
アフターピルの主な副作用として、以下のようなものが挙げられます。
上記で注意喚起した「吐き気」の副作用以外にも「腹痛」や「頭痛」の症状が現れる場合があるため、副作用の対処方法なども抑えておくと良いでしょう。
関連ページ
アフターピルの主な副作用|いつから副作用が現れる?対処方法も紹介
アフターピル服用後の出血に注意
アフターピル服用時の影響で、子宮内膜が剥がれ落ち「消退出血」と呼ばれる生理に似た出血が起こることがあります。
通常の生理の出血とは異なり、短期間で終わることが多いものですが、アフターピルが効いたかどうかは生理が来ることがサインとなるため、消退出血を生理の出血と間違えないようにする必要があります。
関連ページ
アフターピルで生理遅れる?生理と消退出血との違いについて
アフターピルの服用方法に関する質問
アフターピルについて、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。
アフターピルを服用後の性行為は問題ない?
服用後吐いてしまった場合どうしたらいいですか?
アフターピルを飲んだ後はいつ生理がきますか?
アフターピルは72時間以降でも効果がありますか?
アフターピルでの避妊が成功したサインはありますか?