アフターピル

アフターピルの避妊率について│避妊方法の種類と避妊率の比較

アフターピル

アフターピルの避妊率

アフターピルは避妊に失敗した性行為の後、72時間以内に服用することで妊娠を防ぎます。

性行為の後から服用までの時間が早いほど効果が高いため、24時間以内だと95%以上の高い確率で避妊が成功します。

24時間以降は、以下の表に記載されている避妊率となります。

24時間以内95%(妊娠率5%)
48時間以内90%(妊娠率10%)
72時間以内85%(妊娠率15%)
72~120時間以内60%(妊娠率40%)
◇服用までの時間と避妊率◇

24時間以内に服用できなかったという場合でも、72時間以内なら85%の確率で避妊が可能なので、服用した方がよいでしょう。

避妊率と妊娠阻止率の違いは?

避妊率と妊娠阻止率は一見同じように見えますが、違いがあります。

  • 避妊率:アフターピルを服用したすべての人が妊娠を回避できる確率。
  • 妊娠阻止率:妊娠する確率の高い、排卵日あたりに性行為をおこなった人の妊娠を回避できる確率。

一般的にアフターピルとして処方されている「レボノルゲストレル」の妊娠率と妊娠阻止率は、次のようになります。

 避妊率妊娠阻止率
24時間以内95%95%
48時間以内90%85%
72時間以内85%58%

24時間以内の服用なら、避妊率も妊娠阻止率も同じ95%と高い避妊効果が期待できます。

しかし48時間、72時間と経過するにつれ、とくに妊娠阻止率の方は確率が低くなります。

排卵日あたりで性行為をおこない避妊に失敗した場合は、遅くても48時間以内の服用を心がけた方がよいようです。

アフターピルを服用したのに避妊に失敗してしまったという人は、性行為後かなり時間が経過してから服用したという方が多いため、早めの服用が大切です。

アフターピルで避妊が成功したかわかるサイン

アフターピルを服用した後、避妊が成功したかどうかは、下記のふたつのことを確認することで判断できます。

  • 出血があった
  • 妊娠検査薬が陰性だった

ひとつずつ次の項目で説明します。

出血があった

アフターピルを服用後、避妊が成功したかどうかを確認する手段のひとつに、「出血があったかどうか」があります。

服用後、遅くても2週間以内に2~3日間続く出血がおこりますが、これを消退出血といいます。

アフターピルの服用により子宮内膜が薄くなりますが、この内膜が急に剥がれておこるのが少量の出血です。

この出血があると、避妊に成功した可能性が高いです。

人によっては、この消退出血がない場合もあります。

ない場合は、生理予定日の前後に生理と思われる量の出血があれば、避妊に成功していると判断できます。

アフターピルには排卵を遅らせる働きがあるため、服用後はいつもより生理が遅れる場合があります。

数日なら問題ありませんが、予定日から1週間以上、または3週間たってもこない場合は、妊娠検査薬や医療機関で検査をしてください。

妊娠検査が陰性だった

アフターピルを服用後、4週間ほど経過してから妊娠検査薬で検査をしましょう。

その際に陰性が表示されれば、避妊が成功していることになります。

妊娠検査薬は、高い精度で妊娠の有無を判別できますが、検査薬を使用するタイミングが早すぎたり、使用の際に水分を摂取しすぎたりすると正確な判定結果が出ません。

判定結果に不安がある場合は、医療機関を受診しましょう。

アフターピルの種類と避妊率

ここではアフターピルの種類と、それぞれの避妊率について比較します。

 ノルレボプラノバール(ヤッペ法)エラ
避妊率98%77%98%
有効成分レボノルゲストレルノルゲストレル エチニルエストラジオールウリプリスタル酢酸エステル
特徴・避妊率が高く副作用が少ない・中用量ピルをアフターピルとして流用
・副作用が出やすい
・費用が安い
・性行為後120時間以内の
服用で避妊効果あり
・BMI値30以上の肥満女性にも効果あり
飲み方性行為後72時間以内に1錠服用性行為後72時間以内に2錠服用性行為後120時間以内に1錠服用

アフターピルとして一番初めに使用されたのは、中用量ピルのプラノバールを流用したヤッペ法でした。

しかし副作用の吐き気や嘔吐などが強いため、その軽減を目的として開発されたのがノルレボです。

ノルレボはヤッペ法に比べて避妊率も高かったため、第一選択薬となりました。

エラは、性行為の後から服用までの時間が長いことがメリットですが、ノルレボでは効果が出にくいBMI値30以上の女性にも有効なのが特徴です。

その他の避妊方法との比較

 コンドーム低用量ピルアフターピル
避妊率85%99.7%98%
内容ペニスにゴム製の袋をかぶせて精液を防ぐ・体内のホルモンバランスを
調整することで排卵を抑制
・性行為後120時間以内の
服用で排卵抑制、受精卵の着床阻害
メリット・手軽に避妊ができる
・性病感染予防が可能
・コンドームやアフターピルよりも
避妊効果が高い
・性行為の後からでも避妊可能
デメリット・行為中に外れたり破れたりする
・正しく装着しないと精液が漏れる
・人によっては副作用のため服用できない・日本国内未承認

コンドームは手軽にできる避妊方法ですが、正しく使用しないと避妊効果が得られません。

一番避妊率が高いのは低用量ピルです。

毎日飲む必要がありますが、避妊だけではなく生理痛やPMS(月経前症候群)にも効果があります。

2010年にアメリカで開発されたエラは日本国内では未承認ですが、50ヶ国以上で広く使われています。

アフターピルの避妊率についてよくある質問

アフターピルの避妊率について、よくある質問を紹介します。

アフターピルを飲んでも避妊に失敗するのはなぜですか?

アフターピルは性行為後24時間以内の服用で95%の避妊ができますが、100%ではないため、失敗する場合もあります。

とくに行為後から服用までの時間が経過すると避妊率が下がるため、妊娠してしまうことがあります。

アフターピルを服用後、すぐに性行為しても大丈夫ですか?避妊率は72時間継続しますか?

アフターピルは性行為後すぐに服用することで妊娠を回避できる医薬品です。

そのため、服用後の性行為に対する避妊効果はありません。

アフターピルは、服用後5日間前後の排卵を抑えることで受精の確率を下げます。

精子の寿命は約3日間のため、性行為後すぐなら受精のタイミングをずらすことができます。

しかし服用後に性行為をおこなうと、排卵のタイミングを遅らせたことでかえって受精の確率があがる可能性があります。

アフターピル服用後は、生理がくるなど避妊が成功したと確認できるまで、性行為は控えましょう。

アフターピルを2錠飲むなど、量を多く服用したら避妊率は上がりますか?

アフターピルには、ヤッペ法のように1度に2錠服用するものもあります。

しかしほとんどのアフターピルは原則1回につき1錠のため、2錠飲むなど量を増やしても避妊率が上がることはありません。

規定量より多く服用すると、副作用が強く出てしまい、体に負担がかかり危険な状態になる可能性もあるため、必ず決められた服用量を守ってください。

何回かアフターピルを飲めば避妊率は上がりますか?

性行為後に既定量を服用し、しばらく時間をおいてから再度服用したような場合、避妊率が上がることはありません。

副作用が強く出る可能性があるため、必ず規定量のみの服用で止めましょう。

ただし、1回目の服用後、2~3時間以内に吐いてしまった場合は、有効成分がまだ体内に吸収されていない可能性があるため、再度飲み直す必要があります。

万が一アフターピルを飲んで妊娠した場合、胎児になにか影響はありますか?

アフターピルを飲んだにもかかわらず妊娠してしまった場合、生理の最終日から27日目あたりまでの服用なら胎児には影響がありません。

しかし、27日目以降や、妊娠中期に服用すると影響が出る可能性があるため、注意が必要です。