アフターピルの副作用について
アフターピルは避妊失敗時などに緊急避妊薬として服用できる便利な薬ですが、服用後は吐き気や嘔吐、腹痛や頭痛などの副作用が現れることがあります。
アフターピルには「黄体ホルモン」という女性ホルモンが含まれており、服用すると一時的に体内の黄体ホルモンが増加し副作用を引き起こします。
副作用は服用後数時間以内に現れ、数日以内に自然と収まることが多いのが特徴です。
この記事ではアフターピルの副作用の対処方法や、副作用の発現率について解説をしていきます。
副作用の症状と対処方法
・副作用の詳細と対処方法を知りたい方はこちら
アフターピル種類別の副作用発現率
・「どれぐらいの確率で副作用が現れる」のか知りたい方はこちら
副作用の症状と対処方法
アフターピルの副作用の頻度や症状の度合いには、個人差があります。
この項目では主な副作用の症状と対処方法を解説していきます。
悪心(吐き気)や嘔吐
アフターピルに含まれる成分は胃や消化器系に刺激を与えて、吐き気を引き起こすことがあり特に胃腸が敏感な人は注意が必要です。
記事の冒頭でも説明した内容と重複しますが、アフターピルに含まれる黄体ホルモンの影響で体内のホルモンバランスが変化し、吐き気を引き起こす原因となります。
吐き気はアフターピルの副作用の中でも多く見られる症状ですが、服用後数時間から数日以内に自然と収まっていくことがほとんどです。
また、服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、薬の成分が吸収されず体外に流出してしまうため、再度服用が必要となります。
※服用から2時間経過後に嘔吐した場合は効果に問題がないとされているため、再度服用する必要はありません
吐き気の副作用が心配な方は、ドラッグストアなどで市販されている吐き気止めを併用するのが効果的ですが、併用時は脱水症状で吐き気の悪化を防ぐためにも、こまめに水分補給を行いましょう。
その他、服用方法に関する注意点や、アフターピルの効果を詳しく知りたい場合は以下の記事もご参考ください。
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アフターピルの正しい服用方法|いつ飲むべきか?種類別服用タイミング
アフターピルの効果について|アフターピルの作用と服用時の注意点も解説
腹痛や頭痛
アフターピルの成分が胃や小腸から吸収される際、人によっては腹痛や下痢などの副作用が現れることがあります。
※下痢をした場合でも、避妊効果が低下する心配はありません
また、アフターピルに含まれる黄体ホルモンは血管を収縮される作用もあり、その影響で片頭痛のような症状が現れることもあります。
腹痛と頭痛、いずれの症状も長さに個人差はありますが、数時間から数日以内に収まるのが一般的。
対処方法としては市販の鎮痛剤や頭痛薬などを服用するのが効果的です。
出血
アフターピルに含まれる女性ホルモンの影響で、体内のホルモンバランスが変化すると子宮内膜が薄く剝がれやすい状態になり、出血が起こる場合があります。
この出血は「消退出血(しょうたいしゅっけつ)」と言い、アフターピルの避妊成功の判断基準にもなります。
※消退出血はアフターピル服用から約2週間以内に起き、2~3日続くのが一般的
アフターピル服用後は消退出血に備えて、生理用ナプキンやおりものシートの使用がおすすめです。
また、消退出血は妊娠時に起きる「着床出血」や、ホルモンバランスの乱れから起きる「不正出血」と見分ける判断が難しいので、アフターピル服用後に出血が起きた場合は念のため、妊娠検査薬の使用や病院で妊娠検査を受けるようにしましょう。
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アフターピルで生理遅れる?生理と消退出血との違いについて
胸の張りや痛み
アフターピル服用後の急激なホルモンバランスの変化により、胸の張りや痛みなどの症状が現れることがあります。
胸の張りや痛みの症状は1週間程度続く場合もあるが、一時的な症状で自然に解消されるのが一般的です。
ただし、痛みが強い場合や長期間続く場合は医師に相談しましょう。
眠気
アフターピルに含まれる黄体ホルモンは「中枢神経」と呼ばれる箇所にも影響し、眠気の副作用を引き起こすことがあります。
眠気が出る期間は個人差があるが、数日以内に症状が軽くなることがほとんどです。
ただし、車の運転や機械の操作などは危険が伴うため十分な休息をとってから行うようにしましょう。
眠気の対処法として適度な運動で血行を改善することや、カフェインが入った飲み物を摂取するのがおすすめです。
※カフェインはアフターピルと飲みあわせても得に問題はありませんが、飲みすぎると下痢や吐き気に繋がるため、1日2~3杯を目安にすること
生理周期の変化
アフターピル服用後はホルモンバランスの変化によって生理周期が早くなったり、遅れたりする場合があります。
生理の出血量が増減することもありますが、症状自体は一時的なもので通常の生理周期に戻るまで解消される場合がほとんどです。
ただし、予定周期から10日以上経過しても生理が来ない場合は、妊娠の可能性も考えられるため、妊娠検査薬の使用や病院で妊娠検査を受けるようにしましょう。
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アフターピルを飲んでも妊娠した原因│よくある失敗例
アフターピル種類別の副作用発現率
アフターピルは大きく分けると「ノルレボ」「エラ」の2種類が存在しており「副作用の発現率」がそれぞれ異なります。
上記2つのアフターピル以外にも、中用量ピルを使った「ヤッペ法」と呼ばれる緊急避妊法もありますが、ヤッペ法は副作用の発現率が高いため日本国内ではノルレボが緊急避妊薬として多く服用されています。
アフターピル、ヤッペ法(中用量ピル)の副作用発現率は以下の通りです。
商品 | ノルレボ | エラ | オブラルG(ヤッペ法) |
---|---|---|---|
特徴 | ・日本国内で主流のアフターピル ・比較的副作用が少なく安全性が高い | ・海外で主流のアフターピル ・腹痛の副作用が起きる割合が低い | ・服用回数が2回必要なため、副作用も2回現れる可能性がある ・副作用の発現率が高い |
悪心(吐き気)の発現率 | 23% | – | 51% |
腹痛の発現率 | 18% | 12% | 21% |
頭痛の発現率 | 17% | 18% | 20% |
嘔吐の発現率 | 6% | 12% | 19% |
商品ページ | ノルレボ | エラ | オブラルG(ヤッペ法) |
ノルレボの副作用
ノルレボは比較的副作用が少なく安全性の高い薬ですが、人によっては体内のホルモンバランスが急激に変化することで副作用が現れる場合があります。
副作用の症状は一時的で、症状は徐々に軽減していくのが一般的ですが、症状が3日以上続く場合は副作用と別の原因も考えられるため医師の検診を受けるようにしましょう。
ノルレボ服用後、3日以降に出る出血を「消退出血」と言い、生理のような出血が2~3日続くことがありますが、これは避妊成功のサインでもあります。
消退出血は、妊娠時の着床出血やホルモンバランスの乱れから起きる「不正出血」と見分ける判断が難しいため、判断に迷った場合は病院での妊娠検査などを推奨します。
エラの副作用
エラもノルレボと同様に副作用が比較的少ないアフターピルですが、副作用には個人差があるため「頭痛」や「嘔吐」などの症状が現れる可能性もあります。
エラはノルレボよりも「頭痛」「嘔吐」の副作用発現率が高いですが「腹痛」を引き起こす割合が低いのが特徴です。
ノルレボ同様、時間経過とともに副作用の症状は軽減していきますが、症状が3日以上続く場合は医師の検診を受けるようにしましょう。
ヤッペ法の副作用
ヤッペ法は中用量ピルを使った緊急避妊法で、ノルレボやエラとは異なり「2回」の服用が必要となります。
上記で紹介したノルレボやエラと比較すると、副作用の発現率も高く、服用時の2回ともに副作用が出る可能性があるため「副作用の症状が出る時間が長い」のがデメリットといえるでしょう。
「副作用をできるだけ抑えたい」という方はヤッペ法ではなく、比較的副作用の少ない「ノルレボ」や「エラ」の服用をおすすめします。
アフターピルの副作用に関する質問
アフターピルの副作用に関して、よくある質問をまとめました。
疑問や不安な点がある方は、以下の内容を参考にしてみてください。
副作用で生理が遅れることはありますか?
アフターピルの副作用はいつから現れますか?
アフターピル服用直後に吐いてしまった場合どうしたらいいですか?
アフターピル服用後に吐き気がありました。対処法はありますか?
副作用で不妊になることはありますか?
アフターピルの副作用に関する体験談
アフターピルの副作用に関する体験談をご紹介します。
実際に服用したときの副作用について心配な方は、以下の内容も参考にしてみてください。