低用量ピル

低用量ピルの喫煙のリスクについて|喫煙者が低用量ピルを服用する際の注意点

低用量ピル

低用量ピルの喫煙のリスクについて

低用量ピルは、『黄体ホルモン(プロゲステロン)』と『卵胞ホルモン(エストロゲン)』の2種類の女性ホルモンが配合された経口避妊薬(OC)です。
主に避妊を目的とする際に使用されますが、低用量ピルのホルモンバランスを安定させる作用により、避妊以外にも生理痛や肌荒れ、ニキビ改善といった様々な効果が期待できます。

低用量ピルの服用中は、以下のようなリスクがあるため禁煙を推奨します。

低用量ピルの喫煙のリスク

低用量ピルを服用している場合、服用していない方と比べて血栓症になるリスクが高まります。
ほかにも、心筋梗塞や脳卒中などさまざまな病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
そのため、低用量ピルの服用中は喫煙を控えるようにしましょう。

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低用量ピルの副作用とは?|主な症状と対処方法について解説

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低用量経口避妊薬|CQ40 VTEリスクの説明は?

血栓症のリスク

低用量ピルを服用中の方は、血栓症のリスクが高まるため注意が必要です。
低用量ピルにはエストロゲンという女性ホルモンが含まれており、血液を固まりやすくする凝固作用があります。

また、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなることでさらに血栓のリスクが高まります。
喫煙によって、通常よりも血栓症のリスクが高まることを知っておきましょう。

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低用量ピルによる血栓症のリスク|初期症状や対処方法についても解説

心筋梗塞や脳卒中のリスク

喫煙者が服用する場合、血栓症だけでなく脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
血栓ができる場所によって、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。
とくに、心筋梗塞については、年齢や1日あたりの喫煙本数の増加によってリスクが高まるため注意しましょう。

1日に15本以上喫煙する場合、心筋梗塞を起こすリスクが最大になるため注意が必要です。

参考ページ
低用量経口避妊薬(OC)とは|OCと血栓症・血管障害

喫煙者が低用量ピルを服用する場合

喫煙者の低用量ピルの服用は、血栓症のリスクが高まるため、禁煙をおすすめします。
喫煙者で1日の喫煙本数が15本以上、35歳以上の場合は、低用量ピルの服用ができません。
どうしても喫煙がやめられない方は、以下で紹介する血栓症対策をおこない、血栓症にならないように注意しましょう。

加熱式タバコや電子タバコにも注意

タバコに含まれているニコチンによって、血管が収縮して血流が悪くなり血栓ができやすくなります。

加熱式タバコや電子タバコは、通常のタバコと比べてニコチンの含有量が少ないですが、血管に悪影響を与えるため脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める恐れがあります。
また、ニコチン以外にも発がん性物質を始め、さまざまな有害物質が含まれていることもあり、注意が必要です。

そのため、加熱式タバコや電子タバコも通常のタバコと同様に控えた方が良いでしょう。

こまめな水分補給

血栓症を防ぐためには、こまめな水分補給が効果的です。
水分が不足した脱水状態になると、血液がドロドロになり、通常よりも血栓ができやすくなります。
そのため、水分をこまめに補給して血流を良くすることが大切です。

とくに、発汗量が増える就寝前や寝起き、入浴前などはコップ1杯程度飲むように意識しましょう。

長時間の座った状態を避ける

長時間の同一姿勢は、下肢に血栓ができやすくなるため避けましょう。

たとえば、長距離移動や長時間の観劇・スポーツ観戦など、3時間以上座った状態が続くと血栓症のリスクが高まります。
1時間ごとに足首を回したり、ふくらはぎの筋肉を動かしたりすることで血栓予防につながります。

大豆や発酵食品の摂取

大豆や発酵食品には、血管をしなやかにしたり強くしたり、良好な状態を保つ作用があり血栓症を予防する効果が期待できます。
大豆製品に含まれるイソフラボンは、血液をサラサラにして血栓症を予防します。

そのため、定期的に大豆や発酵食品を摂ると良いでしょう。

血液検査と超音波検査をする

血液検査と超音波検査を受けることで、血栓ができているか調べることが可能です。
また、血液の固まりやすさを調べて血栓症のリスクを知ることができ、検査結果から対策を指導してくれます。

検査を受ける目安は、6ヶ月に1度程度で良いでしょう。
以下のような症状は、血栓症の初期症状の可能性があるため注意が必要です。

血栓症の初期症状
  • 強い胸の痛み
  • 激しい頭痛
  • めまい、失神
  • ふくらはぎの腫れや痛み
  • 息切れ
  • 舌のもつれ
  • 呼吸困難

血栓症は命に関わる場合があるため、低用量ピルを服用中に異変を感じたときはすぐに病院を受診しましょう。

受動喫煙にも注意が必要

もし自分が喫煙していない場合でも、家族やパートナーなど身近に喫煙者がいる場合も注意が必要です。
受動喫煙によって副作用が出たり、血栓症のリスクが高まる可能性があります。

少し煙を吸った程度で血栓症のリスクが上がるというわけではありませんが、低用量ピルを服用中の間は、受動喫煙を避けるよう心がけましょう。

低用量ピルと喫煙に関する質問

低用量ピルと喫煙について、よくある質問をまとめてみました。
興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ピル服用中はタバコは何本までOKですか?

ピルの服用中の喫煙は、血栓症を起こすリスクが高まるためおすすめできません。


35歳以上で1日に15本以上タバコを吸う方は、服用できない場合もあるため注意しましょう。

喫煙者でも飲めるピルの種類は?

エストロゲンを含まないミニピルであれば、35歳以上の方や喫煙している方も服用が可能です。

ただし、病院によっては35歳以上で1日あたり15本以上の喫煙がある方は、処方できない場合もあるため注意が必要です。

ピルの休薬中にタバコを吸っても大丈夫ですか?

明確な情報はありませんが、低用量ピルの休薬中の喫煙は安全とは言い切れません。

心配な方や喫煙を検討している方は、医師へ相談しましょう。

アフターピルはタバコを吸ってもいいですか?

アフターピルの場合、喫煙している方でも服用が可能です。

ただし、低用量ピルと同様に血栓症を起こすリスクが高まるため注意が必要です。

女性が喫煙すると不妊になりますか?

タバコに含まれる有害物質によって、卵子の質が悪くなり不妊につながる恐れがあります。


喫煙は女性ホルモンの分泌を減少させて卵巣機能の低下を招き、月経不順や月経困難症、不妊になる可能性が高まります。