低用量ピル

低用量ピル服用中のむくみ|原因と対策方法について

低用量ピル

低用量ピル服用中のむくみについて

低用量ピルの服用によって、むくみが発生することがあります。

種類によって配合量は異なりますが、低用量ピルには卵胞ホルモンの「エストロゲン」と、黄体ホルモンの「プロゲステロン」が配合されています。

服用すると体内のホルモンバランスが変化しますが、とくにプロゲステロンには身体に水分を溜め込む作用があり、これがむくみを引き起こす原因となります。

一般的には、服用を続けて1~3ヶ月ほどでホルモンのバランスが整い、むくみの症状が落ち着いてくることが多いです。

むくみの度合いにも個人差があるため、ピルはご自身で体調を見ながら服用を続けていくことになります。

本記事では、低用量ピル服用とむくみについて詳しく解説しています。

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低用量ピルの副作用はいつから?副作用症状と対処法紹介

むくみが起こる原因

むくみが起こる原因は、低用量ピルに含まれる黄体ホルモン「プロゲステロン」の影響です。

プロゲステロンは、基礎体温を上げて受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚く保ったり、乳腺を発達させたりして、妊娠に向けて準備をする働きがあります。

そのために栄養や水分を身体に蓄えようとするため、むくみやすくなるのです。

ピルを服用して太ったように感じる時は、水分でむくんでいる可能性が高いです。

太るからと敬遠されることも多い低用量ピルですが、ピルに脂肪を溜め込む性質はないため、安心して服用してください。

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低用量ピルを飲むと太る?体重増加の原因と対処法解説

血栓症の初期症状に注意

しかし、むくみは血栓症の初期症状である可能性もあるため、注意が必要です。

低用量ピルを服用し始めると、血栓症になるリスクが高まります。

低用量ピルが原因となって起こる血栓症は、ふくらはぎから足首の間にできることが多いです。

また、むくみだけではなく以下のような症状があらわれた場合は、直ちに医師の診察を受けるようにしてください。

血栓症の兆候

・強い胸の痛み

・激しい頭痛

・めまい、失神

・ふくらはぎの腫れや痛み

・息切れ

・舌のもつれ

・呼吸困難

低用量ピル服用者に血栓症が起こる割合は、年間で1万人あたり3~9人ほどとされています。

一方、妊娠中に血栓症がおこる割合は、1万人に5~20人、出産後ですと40~65人とされています。

低用量ピル服用者の血栓症発症リスクは、妊娠中や出産後と比較すると、決して高いわけではありません。

しかし、このようなリスクがあるということを、服用する際には知っておきましょう。

なお、血栓症が起こりやすくなる要因としては、デスクワークなどでの長時間に渡る同じ体勢、水分不足などが挙げられます。

また、もともと脂質代謝異常や高血圧などの持病があると、血栓症リスクはさらに高まります。

参考ページ
医療用医薬品 : マーベロン (マーベロン21 他)|その他の注意

ピルによるむくみの対策方法

では、低用量ピルの服用でむくみが起こったら、どのような対策をしたらいいのでしょうか。

具体的には以下のようなことが挙げられます。

低用量ピルによって起こるむくみへの対策について、以下で解説していきます。

最低3カ月は様子を見る

むくみが起こっていても、3ヶ月は服用を継続して様子を見てみましょう。

低用量ピルによって起こるむくみは、服用を開始してから1~2ヶ月ほどでホルモンの状態が安定して治まることが多いです。

ただし、足が痺れたりふくらはぎに痛みがあるなど、むくみ以外の症状があらわれた場合は、単なるむくみではなく血栓症の初期症状の可能性があります。

この場合は、低用量ピルを服用していることを告げたうえで、医師にご相談ください。

お酒や塩分の摂取を控える

低用量ピル服用中は、お酒や塩分の摂取をなるべく控えるようにしましょう。

塩分過多の食事、過度のアルコール摂取は、むくみを引き起こす原因となるだけではなく、血栓症の原因にもなります。

そのため、塩分を摂り過ぎたと感じた場合は、意識して水分をこまめに摂取することをおすすめします。

また、ビタミンやミネラルを積極的に摂取するようにしてください。

低用量ピル服用中は、服用していない時と比べてむくみやすいため、健康的な食生活を送るように心がけましょう。

適度な運動

適度な運動は、むくみの解消に効果的です。

むくんだからと、食事を抜いたり極端に減らすなどしてダイエットをおこなうことは、リバウンドを引き起こしかねません。

食事を抜くよりは、普段よりも一駅分多く歩いたり、いつもは上らない階段を上ったりして、日常生活の中に運動を取り入れながら体重減少を目指すことをおすすめします。

また、適度に体を動かすことは、血栓症の予防にもつながります。

別のピルに変更

低用量ピルによって起こるむくみは、ピルの種類を変更することで解消される場合もあります。

低用量ピルは、プロゲステロンの種類によって、第1~第4世代に分類されています。

各世代ごとにホルモンの配合量が変わってくるため、今使っているピルとは違う世代のピルに変更することで、むくみが解消される場合があります。

とくに、第4世代の「ヤーズ」というピルは、卵胞ホルモンの量が少なく、むくみ等の副作用が起こりにくいのが特徴です。

商品名ヤーズ

ヤーズ

有効成分ドロスピレノン3mg
エチニルエストラジオール0.02mg
効果PMS改善、生理周期の安定、月経困難症、ニキビ改善
特徴ホルモンの量が少なく、副作用が起こりにくい
価格5,000円~
28錠
商品ページ

ヤーズ
の通販ページはコチラ

別のピルに変更を考えている場合は以下の記事もご参考ください。

関連ページ
ピルの種類と違いについて|目的別のオススメのピルを徹底解説

低用量ピル服用中のむくみに関する質問

低用量ピル服用中に発生するむくみについて、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。

ピルのむくみはいつまで続きますか?

低用量ピル服用を開始してから2~3ヶ月ほどで治まります。

飲み始めの時期はむくんでいても、2~3ヶ月経つと体内のホルモンバランスに身体が慣れることで、むくみが消失していきます。


ただし、むくみと共にふくらはぎが痛んだり、胸が苦しくなったりと、むくみとは違う症状があらわれた場合は血栓症が起こっているおそれがあります。

その際は、低用量ピルの服用を中止して医師の診察を受けるようにしてください。

ピルを飲んで、むくむのはなぜですか?

低用量ピルに含まれる黄体ホルモン「プロゲステロン」に、水分を溜め込む作用があるためです。

プロゲステロンには、基礎体温を上げて受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚く保ったり、乳腺を発達させたりして、妊娠に向けて準備をする働きがあります。

ピルのむくみの対策は?

低用量ピルの種類を変更したり、飲酒や塩分を控え、適度な運動をすることです。

寝不足や運動不足、ストレスの蓄積も体を冷やす要因となるためむくみの原因となります。


ウォーキングや、階段を上ったり下りたりするなどして筋肉を鍛えるように心がけ、充分に睡眠を取ることも大切です。

また、マッサージなどで物理的に血行を促すこともおすすめです。

むくみにくいピルはありますか?

第4世代の「ヤーズ」という低用量ピルは、むくみにくいと言われています。

低用量ピルの服用で起こりがちなむくみを抑える「抗ミネラルコルチコイド」という作用があります。


ピル服用中のむくみによる一時的な体重増加が気になる場合は、ヤーズの服用をご検討されることをおすすめします。

ピルのむくみで体重はどれくらい増えますか?

むくみによる体重増加は、だいたい2kg程度とされています。


ピル自体に脂肪を溜め込んだり、体重を増やす作用は無いため、この時期にそれ以上体重が増えたという場合は、食べ過ぎの可能性も考えられます。