低用量ピルを飲むと太る?
ピルを使用するか考えているものの、『ピルを飲むと太る』という噂を聞いてピルの使用について悩んでいる方は少なくありません。
ピルを飲むことで太るのかについて、結論から言うとあくまで噂であり、ピルを飲んでも太ることはありません。
日本産科婦人科学会からは、ピルと体重の増加に因果関係が無いことが明らかにされています。
では、なぜ太ると言われているのか、それには3つの原因が挙げられます。
現在服用しているピルの種類を見直す、低用量ピルに変えてみるのも太る原因の対策として挙げられるため、種類変更も検討に入れてみてはいかがでしょうか。
保水作用によるむくみ
ピルを飲むと太ると言われる原因のひとつに保水作用が挙げられます。
ピルに含まれる有効成分の『エストロゲン』は、高い保水作用を持つ女性ホルモンの一種で、服用することで水分を蓄えやすくなり、体にむくみが起きることあります。
このむくみによって一時的な体重の増加が現れたり、見た目が太って見えるようになったりするのです。
ただし保水作用による副作用は、飲み始めたばかりの時期に起こりやすい症状のため、通常は1~2ヶ月ほど飲み続けることでホルモンバランスが安定し、むくみも自然に改善されていきます。
従って保水作用によるむくみは一時的な症状であり、実際には太った訳ではありません。
食欲増進による過食
ピルには黄体ホルモンが含まれており、この黄体ホルモンには食欲増進の作用があり、太ると言われる原因のひとつです。
そのためピルを服用したことで食欲が増し、いつもより多く食べてしまうことが体重の増加につながってしまいます。
保水作用による副作用と同様に、食欲の増進も飲み始めの1~2ヶ月頃に現れやすい症状で、服用を続けることで自然に食欲は収まってきます。
ピルを飲むことで体重が増えることはありませんが、当然のことながら食べ過ぎは太る原因になります。
飲み始めたばかりの時期は食べ過ぎないよう、食欲を我慢するように注意しておきましょう。
中用量ピルを使用していた
ピルは種類ごとに含まれるホルモンの量が異なり、プラノバールと呼ばれる中用量ピルの場合、ホルモン量が多く副作用が出やすいため注意が必要です。
含まれるホルモン量が多いことで、むくみや食欲増進などの症状も起こりやすく、過食による体重増加の原因として中用量ピルを使用していたことが挙げられます。
特に中用量ピルの中でもプラノバールは、アフターピルの代用に緊急避妊目的で使用されることもあり、含まれるホルモン量が多い傾向にあります。
しかし、ピルの種類によってはホルモン量の少ない『低用量ピル』があり、中用量ピルと比較して副作用も起こりにくく、太るリスクも低いため安心して服用できます。
商品 | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
---|---|---|---|---|
種類 | 1相性 | 3相性 | 1相性 | 1相性 |
成分量 | デソゲストレル0.15mg エチニールエストラジオール0.03mg | エチニルエストラジオール0.03mg レボノルゲストレル0.05mg | 酢酸シプロテロン2mg エチニルエストラジオール0.035mg | レボノルゲストレル0.15mg エチニールエストラディオール0.03mg |
価格 | 2,000円~ 28錠 | 2,180円~ 21錠 | 2,500円~ 21錠 | 1,400円~ 21錠 |
特徴 | 国内処方の低用量ピル 認知度の高い低用量ピル 飲み忘れ防止の28錠タイプ | 国内処方の低用量ピル | ニキビの改善にも効果的 | 副作用が出にくい |
商品ページ | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
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むくみや食欲増進による体重増加を防ぐ方法
ピルを飲むことが、直接太ることにはつながりませんが、副作用によるむくみや食欲の増進は、太って見えることや、体重の増加の原因となります。
むくみや食欲増進による体重増加を防ぐには、3つの方法が有効です。
それぞれの体重増加を防ぐ方法について、以下で詳しく解説していきます。
食事内容の見直し
ピルの飲み始めは、服用前とホルモンバランスが変化します。
食欲が強まる、むくみやすくなるなどの変化が体に現れるため、食事内容に注意が必要です。
むくみの対策は塩分の摂取量を抑えるようにし、カリウムを積極的に摂取することが有効です。
カリウムはほうれん草や人参、芋類、切り干し大根、バナナなどの食材に多く含まれています。
食事内容の改善が難しい場合は、むくみ解消のサプリメントもおすすめです。
また食欲も普段より強まるため、ながら食べをしない、すぐ手の届く所に食べ物を置かないなど食事量を抑えるための工夫をしましょう。
どうしても食べるのが我慢できないときは、コップ一杯の炭酸水を飲むことも満腹感を得られるので効果的です。
飲酒を控える
ピルを飲み始めたばかりの時期は、飲酒量を控えめにすることを推奨します。
まず、ピルそのものとアルコールには相互作用が無く、飲み合わせの問題はありませんが、お酒自体がむくみの原因になりやすいほか、ピルの保水作用も相まってさらにむくみが助長されてしまいます。
また、お酒を飲むことで嘔吐してしまうと、服用したピルも吐き出されてしまい、効果が薄れる可能性もあります。
服用したピルが体に吸収されるまで3時間ほどかかるため、お酒を飲むと気持ち悪くなる方は特に注意しましょう。
なお、飲酒する際はピルの服用から3時間以上経過後、成分が吸収された後に調整しましょう。
運動やマッサージを心がける
ピルによるむくみや食べ過ぎによる体重増加を防ぐには、運動やマッサージ、ストレッチなどもおすすめです。
普段運動をする習慣が少ない場合、筋肉が衰えることでむくみや体重の増加が起こりやすくなります。
むくみや体重増加の対策として、日頃から短時間の運動習慣を取り入れることが有効です。
また、運動が苦手な方は、マッサージやストレッチをおこなうだけでも効果があり、代謝の向上や血行の促進に効くメニューを継続することで、むくみ予防や消費カロリーのアップにつながります。
他にも、手軽にできる弾性ストッキングの着用や、ツボを刺激するという方法もあります。
食事量と食事の回数の見直し
ピルにより食欲が増した場合、食べ過ぎないことで体重の増加を予防できます。
しかし、我慢のし過ぎはストレスにつながるため、食事量や食事回数の見直しも大切です。
例えば一回の食事量を減らし、一日の食事回数を増やすことで無理なく摂取カロリーを抑えられ、体脂肪の蓄積も防ぐことができます。
その他にも、以下のポイントを意識すると低用量ピルの服用中も太りにくくなるためおすすめです。
それぞれのポイントについて、順番に解説していきます。
おやつは糖質の少ないものを選ぶ
日常生活の中でおやつを食べたくなったときは、糖質の少ないものを選ぶようにしましょう。
カロリーが高いものではなく、低糖質のおやつを選ぶことを心がけることで、摂取カロリーを抑えながら空腹を満たすことができます。
一例として、スーパーやコンビニなどで手軽に購入できる低糖質のおやつには次のような商品があります。
最近ではコンビニ各社から糖質を抑えたスイーツやパン類も販売されているので、それらの商品もおすすめです。
身体を温める
食生活に関する工夫だけでなく、体を温めるようにすることもポイントです。
身体の冷えは血流を低下させ、むくみにつながります。
カーディガンやひざ掛けなどを使って体温調節をできるようにする、温かい飲み物を飲むようにするなどの冷え対策をおこなうようにしましょう。
また40度のお湯に10~15分ほど半身浴をすることも、体が温まり冷え対策になります。
その他、寝床に就く際もお腹周りなどを冷やさないように気をつけ、睡眠の質を上げることも大切です。
質の悪い睡眠は食欲増進につながるため、良い睡眠をとることで太ることの予防につながります。
低用量ピルの種類を変更するのも有効
通常、低用量ピルの副作用として現れるむくみや食欲増進は1~2ヶ月ほどで無くなるものです。
しかし症状が収まらない場合、飲んでいるピルの種類を変更するのも選択肢となります。
低用量ピルには使用されている成分、また成分の配合量が異なる多種多様な種類が登場しています。
服用する方の体質により合う、合わないもあるため、自分と相性の良いものを選ぶことも重要です。