アフターピル服用によるホルモンバランスへの影響について
アフターピルは緊急時に服用すると、高い確率で望まない妊娠を避けることができる緊急避妊薬です。
しかし服用した後にホルモンのバランスが乱れ、さまざまな症状が現れることがあります。
アフターピルの服用がなぜホルモンバランスの乱れにつながるのか、その詳しい原因や引き起こされる症状などを説明していきます。
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ホルモンバランスが乱れる原因
アフターピルを服用した際にホルモンバランスが乱れる原因は、有効成分として含まれている黄体ホルモン(プロゲステロン)にあります。
女性ホルモンには、主に黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類があります。
黄体ホルモンは一般的に妊娠の準備をするホルモンで、受精卵が着床しやすくするために子宮内膜を厚くする働きがあります。
アフターピルにより排卵が起こる前に黄体ホルモンを服用すると、妊娠に欠かせない黄体形成ホルモン(LH)の分泌が抑えられます。
結果的に排卵が起こらなくなり、妊娠を防ぐことにつながるのです。
しかしアフターピルは、低用量ピルや中用量ピルなどと比べると黄体ホルモンの量が1.5mgと、多めに含まれています。
アフターピルを服用すると一度に大量の女性ホルモンを取り入れることになるため、一時的にホルモンバランスが大きく変化するのです。
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ホルモンバランスの乱れから起こる症状
ホルモンバランスの乱れにより引き起こされるのは、主に次のような症状です。
具体的にどのような症状が起こるのか、それぞれの詳細を順番に解説していきます。
生理周期が変わる
アフターピルを服用しホルモンバランスが乱れると、その後の生理周期が変わることがあります。
通常よりも生理が1週間~10日ほど早くなったり、あるいは遅れたりすることや、生理の出血量が増えたり減ったりすることが主に見られる変化です。
ほとんどの場合は一時的な症状であり、生理が終わる頃にはホルモンバランスの乱れは治まっていることが一般的です。
生理周期のずれや、出血量の増減も多少であれば問題ありません。
生理予定日から10日以上経過しても生理が始まらない場合、妊娠している可能性も考えられます。
妊娠検査薬を使用する、病院で検査を受けるなどして、妊娠をしていないか確認するようにしてください。
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下痢や肌荒れなどの副作用
アフターピルを服用すると、有効成分による影響でホルモンバランスが乱れることで下痢や肌荒れなどの副作用が起こるケースがあります。
これらの症状は一時的であり、次第に軽減していくことが一般的です。
症状が3日以上経過しても収まらない場合、アフターピルの副作用とは異なる原因で下痢や肌荒れなどが起きていることも考えられます。
医療機関を受診し、医師による検診を受けるようにしてください。
アフターピル服用後の生理日の目安について
アフターピルを服用した後は、2日〜3週間後までに避妊成功のサインである『消退出血』が起こります。
そして、消退出血の数日後に生理がくるなど月に2回出血がある場合や、消退出血と生理が同時にくる場合などもあります。
消退出血が起こるタイミングも、その後の生理のタイミングも個人差があります。
服用タイミングによって消退出血や生理日の目安は異なるため、しっかり確認しておきましょう。
排卵前に服用した場合
排卵前に避妊失敗してアフターピルを服用した場合は、排卵を抑制する作用が働き、服用から2日〜2週間後を目安に消退出血(生理に似た出血)が起こるとされています。
その後、何事も問題がなければ生理予定日~1週間以内に通常の生理がくるとされています。
排卵後に服用した場合
アフターピルを排卵後に服用した場合は、生理予定日付近に生理と一緒のタイミングで、消退出血が起こることが多いとされています。
そのため、排卵後の服用の場合は生理のような出血を確認することができれば避妊成功と捉えてもらって問題ありません。
ただし、アフターピルの服用後、生理予定日を1週間以上過ぎても出血がない(生理がこない)場合は避妊に失敗し妊娠している可能性があるため、妊娠検査薬での確認やクリニックの受診をしてください。
ホルモンバランスを整える方法
アフターピルの服用に伴うホルモンバランスの乱れは、基本的には一時的なものです。
何らかの副作用が見られた場合においても、ほとんどのケースでは通常の状態に戻っていきます。
しかし元々生理不順がある、不規則な生活を送っている、アフターピルの服用が連続しているなどの場合、ホルモンバランスの乱れが戻らない可能性も考えられるため、注意が必要です。
アフターピルの服用後に副作用が続く場合、以下のようなホルモンバランスを整える方法を試してみてください。
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健康的な生活習慣を意識する
健康的な生活習慣を意識することは、ホルモンバランスを整えることにもつながります。
毎日の生活の中で、以下の4つのポイントを意識してみてください。
①十分な睡眠をとる
睡眠の質が低下すると女性ホルモンの分泌が乱れ、バランスが崩れることがある。
そのため毎日十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めることも意識すること。
②ストレスを軽減させる
ストレスが蓄積するとホルモンバランスが乱れるため、積極的にストレスの発散を心がける。
③バランスのよい食事を摂る
ごはんなどの主食、タンパク質を中心とした主菜、副菜、果物が揃ったバランスの良い食事を摂り、栄養が偏らないように心がける。
④無理なダイエットはしない
無理なダイエットはホルモンバランスが乱れる原因のひとつで、体への負担となるため、極端なダイエットは避ける。
低用量ピルの服用
ホルモンのバランスを整えるには、低用量ピルの服用も有効です。
低用量ピルとは、正しい方法で飲むことで99%以上の避妊効果を得られる避妊薬です。
連続して長期的に飲み続けることもできるため、継続的な避妊を希望する場合には最も一般的な避妊方法となります。
また、低用量ピルの有効成分は黄体ホルモンと卵胞ホルモン、2種類の女性ホルモンです。
服用している間は体内の女性ホルモンの量が一定になるため、ホルモンバランスを整えることができます。
そのため、避妊目的以外にも生理前から起こるイライラや気分の落ち込み、肌荒れ、腹痛などのPMS症状の改善にも低用量ピルは活用できます。
商品 | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
---|---|---|---|---|
成分量 | デソゲストレル0.15mg エチニールエストラジオール0.03mg | エチニルエストラジオール0.03mg レボノルゲストレル0.05mg | 酢酸シプロテロン2mg エチニルエストラジオール0.035mg | レボノルゲストレル0.15mg エチニールエストラディオール0.03mg |
価格 | 2,000円~ 28錠 | 2,180円~ 21錠 | 2,500円~ 21錠 | 1,400円~ 21錠 |
特徴 | 国内処方の低用量ピル 認知度の高い低用量ピル 飲み忘れ防止の28錠タイプ | 国内処方の低用量ピル | ニキビの改善にも効果的 | 副作用が出にくい |
商品ページ | マーベロン | トリキュラー | ダイアン35 | オブラル-L |
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