ピルの種類と特徴
ピルは「黄体ホルモン」「卵胞ホルモン」という女性ホルモンが含まれた医薬品です。
ホルモン配合量の違いなどで、ピルの種類は大きく分けて以下の4種類に分類されます。
ピルの種類 | 超低用量ピル | 低用量ピル | 中用量ピル | アフターピル |
---|---|---|---|---|
有効成分 | エストロゲン プロゲステロン | エストロゲン プロゲステロン | エストロゲン プロゲステロン | レボノルゲストレル |
効果 | 月経困難症、子宮内膜症による症状の緩和 | 避妊効果、生理周期のコントロール、生理痛改善、ニキビ改善 | 月経移動、緊急避妊、月経困難症やPMSの改善 | 緊急避妊 |
特徴 | 副作用が少なく、月経困難症や生理痛に対して効果的 | 継続服用によって、避妊率99%と高い避妊効果がある | ホルモンの含有量が多く、主に月経移動に使用される | 効果時間内の服用で高い避妊効果がある |
主な副作用 | 不正出血、頭痛 | 血栓、吐き気、頭痛 | 血栓、吐き気、頭痛 | 倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛 |
保険適用の有無 | 有り | 有り(条件あり) | 無し | 無し |
ピルの詳細 | 超低用量ピルの詳細はコチラ | 低用量ピルの詳細はコチラ | 中用量ピルの詳細はコチラ | アフターピルの詳細はコチラ |
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ピルの種類によって期待できる効果や特徴、副作用が異なるため、自分に合ったピルを選ぶ必要があります。
この記事では上記4つのピルを種類別にご紹介していきます。
低用量ピル
低用量ピルの主な服用目的は以下の通りです。
服用目的はさまざまであり、ピルによって得られる効果も異なります。
どうやってピルを選べばいいかわからないという方に向けて、目的別におすすめの低用量ピルをご紹介していきます。
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低用量ピルの種類と特徴|世代や相性の違いは?お悩み別オススメ紹介
避妊にオススメの低用量ピル
避妊目的で低用量ピルを服用する場合、以下の2つのピルがおすすめです。
商品名 | トリキュラー | オブラル-L |
---|---|---|
有効成分 | エチニルエストラジオール0.03mg レボノルゲストレル0.05mg | レボノルゲストレル0.15mg エチニルエストラジオール0.03mg |
効果 | 避妊、生理痛軽減、生理不順・PMS改善 | 避妊、生理痛軽減、生理不順、PMS改善 |
特徴 | 避妊効果が高い低用量ピル。自然なホルモンバランスの変化に近く、不正出血を起こしにくい | 他のピルと比べて卵胞ホルモンの含有量が少ないため副作用が出にくい |
価格 | 2,180円~ 21錠 | 1,400円~ 21錠 |
商品ページ | トリキュラー | オブラル-L |
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トリキュラー、オブラル-Lはともに「レボルノゲストレル」という黄体ホルモンが含まれた低用量ピルです。
低用量ピルには、含まれている女性ホルモンの配合量が同量の1相性、周期に合わせて配合量を調整した3相性があります。
トリキュラーは3相性、オブラル-Lは1相性に分類されています。
1相性はホルモンが同量含まれているため、ホルモンの変動がなく体調の変化が起きにくいです。
3相性は、ホルモンの量を3段階で調整しており、自然なホルモンバランスの変化に近く、不正出血や副作用が出にくいのが特徴です。
ただし、服用には順番があり、正しく服用していない場合は避妊効果が得られないため、注意しましょう。
ニキビ改善にオススメの低用量ピル
低用量ピルには、避妊効果以外にニキビの改善効果を期待できるものがあります。
ニキビ改善目的で服用する場合は、以下の2つがおすすめです。
商品名 | マーベロン | マーシロン |
---|---|---|
有効成分 | デソゲストレル0.15mg エチニルエストラジオール0.03mg | デソゲストレル0.15mg エチニルエストラジオール0.02mg |
効果 | 避妊、生理痛軽減、ニキビ・肌荒れ改善、生理周期の安定 | 避妊、生理痛軽減、ニキビ・肌荒れ改善、生理周期の安定 |
特徴 | 他のピルと比べて副作用が少なく、ニキビ・肌荒れの改善、生理周期のコントロールに効果を期待できる | マーベロンのジェネリック医薬品で、副作用が起きにくいピル。ホルモンバランスを整えてニキビや肌荒れを改善 |
価格 | 2,000円~ 28錠 | 2,160円~ 28錠 |
商品ページ | マーベロン | マーシロン |
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マーベロン、マーシロンにはデソゲストレルという黄体ホルモンが配合されています。
デソゲストレルは男性ホルモンの作用を抑制する効果が高く、ニキビや多毛症の改善に高い効果を期待できます。
参考ページ
DIクイズ5:(A)にきびの治療にピルを処方する理由:DI Online
欧米では、若い女性のニキビ治療に多く用いられているピルです。
ただし、他の低用量ピルと比べて、血栓症リスクが高いと報告されています。
超低用量ピル(PMS・生理痛緩和にオススメ)
PMSや生理痛の緩和には、以下の超低用量ピルがおすすめです。
商品名 | ヤーズ | ヤスミン |
---|---|---|
有効成分 | ドロスピレノン3mg エチニルエストラジオール0.02mg | ドロスピレノン3mg エチニルエストラジオール0.03mg |
効果 | PMS改善、生理周期の安定、月経困難症、ニキビ改善 | PMS改善、生理周期の安定、月経困難症、ニキビ改善 |
特徴 | 月経困難症の治療に用いられることが多いピル | ホルモンバランスを一定にして、PMSや月経痛を緩和 |
価格 | 5,000円~ 28錠 | 2,430円~ 21錠 |
商品ページ | ヤーズ | ヤスミン |
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ヤーズとヤスミンは、ドロスピレノンという黄体ホルモンが配合された超低用量ピルです。
低用量ピルと比べて卵胞ホルモンの量が少なく、副作用が起こりにくいのが特徴です。
生理前のイライラや頭痛、腰痛、食欲旺盛など、不快な症状が起きることをPMSといい、
ヤーズは国内の臨床試験において、PMSの改善効果が認められています。
ただし、超低用量ピルは避妊目的での使用は認められていないため注意しましょう。
参考ページ
医療用医薬品 : ヤーズ (ヤーズ配合錠)|重要な基本的注意
中用量ピル
中用量ピルの主な使用目的は「月経困難症(生理痛など)の緩和」や「緊急避妊」です。
商品名 | オブラルG |
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有効成分 | ノルゲストレル0.5mg エチニルエストラジオール0.05mg |
効果 | 月経困難症(生理痛など)の緩和、緊急避妊 |
特徴 | 主に月経困難症や機能性子宮出血の治療などに用いられるが、服用方法によっては緊急避妊薬としても使用可能 |
価格 | 1,700円~ 20錠 |
商品ページ | オブラルG |
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しかし、低用量ピルやアフターピルの処方が普及するにつれて、現在は以下の様な使い分けが主流となっています。
アフターピル
避妊に失敗したときや、避妊なしの性行為をおこなった場合に使用されるアフターピル。
アフターピルには以下の2種類があり、効果や特徴などについて詳しく解説します。
- 72時間以内に服用するノルレボ
- 120時間以内に服用するエラ
緊急避妊時に使用するピル
緊急避妊時によく使用される「ノルレボ」と「エラ」2つのピルを比較していきます。
商品名 | ノルレボ | エラ |
---|---|---|
有効成分 | レボノルゲストレル1.5mg | ウリプリスタル酢酸エステル30mg |
効果 | 緊急避妊 | 緊急避妊 |
特徴 | 性行為後72時間以内の服用で高い避妊効果を得られる | 他のアフターピルと比べて、服用可能時間が長く120時間以内の服用が可能 |
価格 | 3,320円~ 1錠 | 4,950円~ 1錠 |
商品ページ | ノルレボ | エラ |
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ノルレボは日本国内初の緊急避妊薬であり、性行為の72時間以内の服用で高い避妊効果を期待できます。
エラは従来のアフターピルと異なり、120時間以内の服用であっても高い避妊効果が期待できます。
ノルレボやエラには、排卵抑制や受精卵の着床を防ぐ効果があり、妊娠を防ぐことが可能です。
また、エラは海外では主流のアフターピルですが、避妊目的以外にも月経過多や子宮筋腫の治療薬としても用いられている医薬品です。
ピルの種類に関する質問
ピルは自分に合った種類を選ぶことが大切です。
ピルの種類について、よくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
低用量ピルと超低用量ピルの違いはなんですか?
低用量ピルと中用量ピルの違いはなんですか?
低用量ピルとアフターピルの違いは使用目的です。
ピルは一相性と三相性のどちらがいいですか?
副作用のないピルはありますか?