ルネスタとアモバンの違い
ルネスタとアモバンは、共に超短時間型に分類される睡眠薬で、主に寝つきが悪い入眠障害に使用されます。
アモバンは1989年に販売されましたが、服用すると口の中に苦みが残るなどの副作用があったため、改良して2012年に販売されたのがルネスタです。
アモバンとルネスタの違いは以下の通りとなっています。
医薬品名 | ルネスタ | アモバン |
有効成分 | エスゾピクロン | ゾピクロン |
成分量 | 1錠中1、2、3mg | 1錠中7.5、10mg |
効果、効能 | 不眠症 | 不眠症 |
用量 | 成人:1回2mg 高齢者:1回1mg | 成人:1回7.5~10mg |
半減期 | 約5時間 | 約4時間 |
副作用 | 傾眠、味覚異常、頭痛、不動性めまい、口渇 | ふらつき、頭痛、眠気、口の中の苦み、口渇、だるさ |
特徴 | ・依存性が低い ・翌日への持ちこしが少ない ・アモバンの改良品のため、副作用の苦みが軽減されている | ・依存性が低い ・翌日への持ちこしが少ない ・全体的な効果はルネスタよりも強い ・副作用の苦みが強い |
また、当サイトではルネスタと同じ成分を含む睡眠薬を取り扱っているため、お求めの方は以下のページもご参照ください。
この記事ではルネスタとアモバンの違いだけではなく、選び方や共通点についても解説していきます。
効果の違い
ルネスタとアモバンは、効果が切れ始める時間に違いがあります。
医薬品の効果が切れ始める時間には半減期が関係しています。
◇半減期◇
血液中の有効成分濃度が半分になるまでの時間を言います。
半減期は医薬品の効果がどのくらい持続するかを示すため、短い場合は医薬品の効果持続時間が短い、長ければ持続時間が長いということになります。
医薬品名 | ルネスタ | アモバン |
半減期 | 約5時間 | 約4時間 |
ルネスタは半減期がアモバンよりも長いため、医薬品の効果が長く続くことになります。
アモバンの有効成分であるゾピクロンは、右手を鏡に映した時に、左手と同じになる鏡像関係のように対照的な、立体構造S体とR体という化合物を持っています。
医薬品としての作用を持つのはS体のみで、脳内のGABA-A受容体に結合しGABA(γ-アミノ酪酸)の働きを強めるため、睡眠効果や鎮静作用が現れます。
ルネスタはこのS体のみを取り出した医薬品のため、睡眠効果や鎮静作用はありますが、筋弛緩作用や抗不安作用は弱いためふらつきなどの心配がありません。
参考ページ
医療用医薬品 : ルネスタ (ルネスタ錠1mg 他)|血中濃度
副作用の違い
アモバンの副作用の中で、とくに問題なのが「服用後の口の中の苦み」です。
はっきりとしたメカニズムは解明されていませんが、服用したアモバンの成分が一度体内に吸収された後、少しずつ唾液中に分泌されるためではないかと考えられています。
うがいをしたからといって苦みが消えるわけではないため、この副作用を理由にアモバンの服用を断念する人もいます。
ルネスタはアモバンを改良してつくられた睡眠薬のため、副作用はほぼ同じです。
しかしアモバンよりは苦みを感じる度合いが低いため、ルネスタなら服用可能な場合もあります。
副作用の苦みはルネスタやアモバンを服用した後や翌日だけではなく、人によっては1日中感じる人もいます。
この苦みが体に悪影響を及ぼすことはありませんが、我慢できないほどの強い苦みを感じる場合は服用量を減らすか、他の睡眠薬への切り替えも検討しましょう。
価格の違い
ルネスタとアモバンは有効成分の量によって、値段が異なります。
通常成人に対しての使用は、ルネスタ2mgとアモバン7.5~10mgが一般的ですが、値段を比較するとルネスタよりもアモバンの方が安く購入できます。
医薬品名 | 値段 |
ルネスタ錠1mg | 32.6円/錠 |
ルネスタ錠2mg | 52.8円/錠 |
ルネスタ錠3mg | 63.7円/錠 |
アモバン錠7.5mg | 12.3円/錠 |
アモバン錠10mg | 13.7円/錠 |
ルネスタとアモバンにはジェネリック医薬品が存在するため、病院で処方してもらう際にジェネリック医薬品を希望すれば、医薬品代が安く済みます。
医薬品名 | エスゾピクロン錠2mg「サワイ」 | ゾピクロン錠10mg「サワイ」 |
1錠の値段 | 14.40円 | 7.30円 |
先発薬だけではなくジェネリック医薬品でも、ルネスタよりアモバンの方が安く入手することが可能です。
一番初めに開発された医薬品を先発薬と言いますが、販売から一定期間が過ぎると特許期間が満了となり、国民の共有財産となります。
この先発薬をベースとして開発され、有効成分や品質、効果、安全性が新薬と同等と国から認められているものをジェネリック医薬品と言います。
新薬に比べると開発費が低く抑えられるため、安く購入できます。
ルネスタとアモバンの共通点
ルネスタとアモバンには以下の共通点があります。
- 非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬
- 超短時間型に分類される睡眠薬
- どちらも「寝つきが悪い」入眠障害によく使用される
現在の睡眠薬は、以下の5系統に分けられておりルネスタとアモバンは、この中でも入眠効果が高く、重い副作用も少ない非ベンゾジアゼピン系に分類されます。
■睡眠薬の種類 | ■特徴 |
バルビツール酸系 | 脳の覚醒を抑え、入眠を促し、不安や緊張を鎮めます。 |
ベンゾジアゼピン系 | 脳内のベンゾジアゼピン受容体に作用し、脳をリラックスさせるGABAの働きを高め、抗不安や睡眠作用を発揮します。 |
非ベンゾジアゼピン系 | 脳の神経伝達に関わるベンゾジアゼピン受容体のうち、睡眠に関わるω1だけに作用するため、転倒などのリスクが少なくて済みます。 |
メラトニン受容体作動薬 | 睡眠に深く関わる体内のホルモン「メラトニン」の受容体に作用し、自然に近い睡眠を誘導、入眠困難などを改善します。 |
オレキシン受容体拮抗薬 | 覚醒を維持する脳内物質オレキシンの働きを抑えることで、入眠を促します。 |
ルネスタとアモバンは、服用後の血中濃度が半分になる半減期が約4~5時間ほどであるため、どちらも寝つきが悪い入眠障害に使用される超短時間型の睡眠薬です。
不眠症のタイプは以下の4つに分けられており、それぞれに適した睡眠薬を選ぶことが重要です。
・入眠障害→なかなか寝付けない。
・中途覚醒→眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう。
・早朝覚醒→早朝に目が覚めてしまう。
・熟眠障害→十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、ぐっすり眠れたという満足感が得られない。
ルネスタとアモバンには共通の副作用や注意点もあるため、服用や選択の際に事前に確認しておきましょう。
ルネスタとアモバン共通の副作用
ルネスタとアモバン共通の副作用は以下の通りです。
◇主な副作用◇
・精神系疾患:頭痛、眠気、錯感覚、めまい
・消化器系疾患:口渇、消化不良、口腔内不快感
・過敏症:発疹、そう痒症
・肝臓:AST、ALT、Al-Pの上昇
◇重大な副作用◇
・アナフィラキシー
・依存性
・呼吸抑制
・肝機能障害
・精神症状、意識障害
・一過性前向性健忘、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)
副作用の中でも、とくに注意が必要な依存性と一過性前向性健忘に関しては、後程の「ルネスタとアモバン共通の注意点」にて詳しく解説します。
ルネスタとアモバン共通の注意点
ルネスタとマイスリーで共通の注意点として、以下が挙げられます。
- 持ち越し効果
- 一過性前向性健忘
- 依存性
ルネスタやアモバンは作用時間が短いですが、アルコールと併用するなど間違った服用方法により「翌日に薬の効果が持ち越してしまう」などの副作用が起きやすくなります。
翌朝になっても効果が残っていると、頭痛や眠気、体のだるさ、ふらつきを感じます。
車の運転や機械の操作などは危険が伴うため控えるようにしましょう。
◇一過性前向性健忘について◇
有効成分の影響で、一時的に新しく記憶することができなくなります。
本人は服用後寝たつもりでも、実際には起きていろいろ行動しているため、翌朝食べた覚えのないお菓子の袋が散らかっていたり、物が散乱していたりするなど行動の後がみられます。
服用量が多かったり、アルコールと併用したりすることでリスクが高まるため注意が必要です。
ルネスタやアモバンは、依存性に関しても現れにくいとされていますが、長期間服用することで体内に有効成分があることが当たり前になってしまい、睡眠薬なしでは眠れなくなってしまいます。
不眠が改善したら服用量を徐々に減らすなどして、漫然と長期間飲み続けることは避けましょう。
ルネスタとアモバンの選び方
ルネスタはアモバンをベースに開発された睡眠薬のため、基本的な効果や作用は似ていますが、違う部分もあります。
どちらを選ぶか迷っている方のために、ここでは効果が持続する時間の長さを比較してみたいと思います。
効果時間の長さ
睡眠薬を服用した後の効果時間の長さを重視する場合は、ルネスタをおすすめします。
医薬品名 | ルネスタ | アモバン |
半減期 | 約5時間 | 約4時間 |
半減期は医薬品の効果時間の長さを表す指標のため、短ければ体内で作用する医薬品の効果が短い、長ければ効果が長いということになります。
ルネスタとアモバンの半減期に大きな差はありませんが、夜中に何度も起きてしまい、その後なかなか寝付けない中途覚醒で悩んでいる人は、少しでも半減期の長いルネスタを選ぶと良いでしょう。
ルネスタと同じ成分を含む睡眠薬が欲しい方は、以下の比較表もご参考ください。
商品 | ハイプナイト | フルナイト | ソクナイト | エスゾピック |
---|---|---|---|---|
有効成分 | エスゾピクロン | エスゾピクロン | エスゾピクロン | エスゾピクロン |
効果時間 | 約1~5時間 | 約1~5時間 | 約1~5時間 | 約1~5時間 |
特徴 | 値段が安く、成分量も選べるルネスタジェネリック。 | 錠剤のサイズが小さく、飲みやすいジェネリック医薬品。 | 日本語表記のパッケージで、手に取りやすいジェネリック医薬品。 | 少ない錠数から購入できるルネスタジェネリック。 |
価格 | 3,320円~ 50錠 | 4,000円~ 50錠 | 4,050円~ 50錠 | 2,380円~ 30錠 |
商品ページ | ハイプナイト | フルナイト | ソクナイト | エスゾピック |
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ルネスタとアモバンの違いに関する質問
ルネスタとアモバンはどちらの効果が強いですか?
ルネスタとアモバンは併用できますか?
ルネスタとアモバンはどちらが安いですか?
ルネスタとアモバンはどちらが早く薬の効果が出るか?
ルネスタとアモバンは効き目が長いのはどっち?
ルネスタとアモバンに関する体験談
ここでは、実際にルネスタとアモバンを使用した方の体験談を紹介します。