不妊症の定義と解釈

不妊症(ふにんしょう)とは

不妊症とは、身体に特別な病気がない健康な状態の男女が妊娠を希望し、避妊を行わずSEXしているにも関わらず、一定期間が過ぎても妊娠しない事とされています。

その後に妊娠しやすい日を選んでSEXしても妊娠する可能性が低いので、この場合に不妊症と判断されます。

ここでいう"一定期間"とは、年齢によっても異なると言われています。
年齢が高い夫婦間で妊娠が出来ない期間を「不妊期間」と呼びます。
この不妊期間が短かったとしても、その後に妊娠する可能性が低いと言われています。
反対に年齢が若い男女は、不妊期間が長かったとしても自然に妊娠する可能性は残っていることが多いです。

この期間は「1~3年」と諸説ありましたが、2015年に1年と定められました。

ですので、避妊せずに1年間SEXをしていても妊娠しない夫婦は不妊症と判断されます。

女性の年齢と不妊の関係

「子供が欲しい」と望みつつも妊娠出来ない夫婦は、10組に1組とも5組に1組とも言われています。

妊娠しやすい時期は、女性の年齢によっても大きく異なるという結果があります。
もっとも妊娠しやすいと言われるのが「20歳前後」です。

年齢が30代の後半に差し掛かってくると、年ごとに難しくなると考えられています。
従って、年齢の増加=妊娠し難いとなります。
実際に不妊症に悩む夫婦は、年齢が上がるに連れて増加するとされています。

また45歳くらいにもなると、赤ちゃんを作れるほどの強い卵子が体内に残っていないことから、妊娠の可能性は殆どなくなってしまいます。

1980年には、平均結婚年齢が25.2歳、第一子出生の年齢が26.4歳でした。
しかし2010年には、それぞれ28.8歳と29.9歳となっているので、時代の流れと共に妊娠し難い夫婦は増えているという事が分かります。

男性の精子と不妊の関係

男性不妊と呼ばれるもので、最も注意が必要になるのは「幼少期」です。
妊娠するには男性の精子が必要不可欠であることは言うまでも有りませんが、小さい頃に下記の手術を受けている場合には、精子が運ばれる管が詰まることや精子の数が少なくなってしまうと言われています。

・ヘルニアの手術
・停留睾丸の手術

また「おたふく風邪」になると高熱が続いたり、睾丸炎を起こすこともあり、既往歴がある人は精子を作る機能が低下している可能性があります。
他にもガンなどの治療を受けている場合には、極端に精子を作る力が低下していることもあります。

成人期に入ってから特に注意が必要なのは「糖尿病」です。
軽度の場合では勃起不全(ED)などの性的機能障害を起こし、病気が進行すると精子を作る力が低下します。

幼少期や成人期でこういった既往歴があった場合には、念のために精液の検査を受けた方が良いかも知れません。

排卵誘発剤の作用と特徴

スバッと解説!ライフ博士の排卵誘発剤講座

女性の卵巣から卵子が排卵される数は「月に1個」になります。
ですが実際には、他の卵胞も発育していると言われています。
排卵が行われ卵子に運ばれるのは「主席卵胞」と呼ばれる最も発育が進んでいる卵胞になります。
それ以外は身体に吸収されてしまい、消失するとされています。

「排卵誘発剤」を使用する目的は、消失される卵胞も発育させることが目的になります。
良質な卵子が数多く出来ることで、妊娠率を高めることが出来ます。

一般的に用いられる排卵誘発剤は、低刺激な「クロミッド」になります。

女性のみならず男性も使えるクロミッドの詳細をライフ博士が解説します。
排卵誘発剤の理解にお役立てください。

【クロミッドの特徴】
クロミッドは、代表的な排卵誘発剤と言われ、従来まで使用されていた「セキソビット」よりも作用が強く、効果が確実だと考えられています。
作用としては、以下3つのSTEPで排卵が誘発されます。
①脳に作用することで、性腺刺激ホルモンの分泌を促すホルモン分泌を促進する
②性腺刺激ホルモンである「卵胞刺激ホルモン」と「黄体形成ホルモン」の分泌が増加する
③卵胞刺激ホルモンによって卵胞が発育され、黄体形成ホルモンの効果で排卵が促される
また医師の判断によっては、男性に応用して使用されることもあります。
性腺刺激ホルモンが睾丸に作用することで、男性ホルモンの分泌を高め、健康な精子形成をサポートしてくれると言われています。
症状は少ないと言われていますが、効き過ぎると卵巣に「腫れ」が見られることがあります。
服用時に下腹部などに"張り"や"痛み"を感じた場合には、掛かりつけの医師に相談するようにして下さい。

クロミッド ◆不妊治療に効果的な排卵誘発剤:クロミッド


排卵誘発剤と癌・閉経の関連性

排卵誘発剤を使用すると「ガン」になりやすいという誤解がありますが、WHO(世界保健機構)の調査によるとガンになる可能性はないとしています。

また、閉経の時期が早まると考えている人もいるようです。
出生時の女性の体内には、約200万個の卵胞が存在するとされています。
ちなみにこの数は増えることがないと言われています。
数は年齢の増加によって減っていくとされ、閉経を迎えても身体の中で使い切れない卵胞が存在します。

・思春期…約30万個
・38歳…約3万個
・閉経期…1000個未満

このことから、排卵誘発剤によって卵子を発育させても、閉経には影響がないとされています。

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