インドは世界一

インドでジェネリック薬が多い理由

ジェネリック医薬品 ジェネリック薬という言葉をテレビのコマーシャルや新聞、雑誌の特集記事で頻繁に目にしたり耳にするようになって、知名度が大いに高まっています。
多くの人がジェネリック薬に持つ印象は、新薬として開発された薬とほぼ同じ成分で作られており、効能も同じなのに価格がかなり安いというものです。
日本では医療費の軽減、健康保険財源の負担軽減を図って厚生労働省が積極的に推進しているジェネリック薬ですが、薬の個人輸入をしている人にとってはジェネリック薬は別の意味もあるのです。
ED治療薬やダイエット薬、AGA(男性頭髪機能回復)治療薬など、欧米各国や日本国内ではジェネリック薬が存在しないのに、インド国内の製薬会社が製造するジェネリック薬を個人輸入することができるからです。

なぜ、欧米各国や日本国内では存在しないジェネリック薬をインド国内の製薬会社が製造できるのか、インド製のジェネリック薬が多い理由について考えてみましょう。
最大の理由は、特許制度の違いにあります。
そもそも特許制度というのは国の法律の一部で、それぞれの国家が主権に基づいて独自に制定する制度です。
ですから、国により特許制度が異なるのが当然であります。
欧米各国や日本は医薬品については製造方法と含有成分を特許として認めており、特許出願から最大25年間特許を有効としています。
製薬業が他の産業と比べて特許で手厚く保護されているのには理由があります。
新薬の承認には動物実験や人体に対する安全性、新薬を服用する事によりはっきりと効果が現れるかどうかを調べる長期間の臨床試験が必要なため、新薬開発には多額の開発費用が必要です。
開発費用を回収するためには長期間独占的に新薬を販売できる状況が必要であり、特許で保護する事によって製薬会社が開発費用を回収できるようにしています。
そうしなければ製薬会社の新薬開発意欲が鈍り、新たな新薬が開発されない事態になってしまうからです。

インドは「開発途上国の薬局」と言われ、ジェネリック医薬品の製造が世界一です。
※世界のジェネリック医薬品の大半を供給し、2005年までの35年間「医薬品は健康に関わる物」という事で特許の対象ではありませんでした。

しかしインドは含有成分を特許として認めていないため、インド国内の製薬会社は欧米の製薬会社が開発した新薬をジェネリック薬として製造販売できるのです。
これは欧米各国や日本の特許法では違法ですから、インド国内のみの販売となります。
インドは人口が多く、新薬を安価で必要としている人が非常に多いという背景があるため、インド政府は独自の特許制度を運用し、インド国内の製薬会社が開発費用をかけずに新薬のジェネリック薬を製造販売できるようにしています。
そのためインド製のジェネリック薬が多いのです。

インドのジェネリック薬は安全

ジェネリック医薬品 ひとつの薬を世に出すためには数年という長い歳月を必要とします。
医薬品となり得る成分の発見、研究・開発をはじめとして、効果の臨床試験を得て認可を受けた薬のみが世に出されることになります。
そのため、5年、10年という長い期間を得てようやく一つの医薬品が誕生するのです。
このような課程を得て誕生した医薬品を先発医薬品とすると、ジェネリック品は後発医薬品ということになります。
ジェネリック品は、先発医薬品の主成分を利用して製造する薬で、効果は先発医薬品と同じです。
ただし、開発費用がかからないということで、先発医薬品に比べて安く提供できるというのが売りです。

しかし先発医薬品ができた直ぐ後にジェネリック品が製造されるわけではありません。
先発医薬品には有効成分と製造方法に特許がかかっているため、特許期間は独占販売となります。
そして特許が切れた後に、先発医薬品の有効成分を他の製薬会社が利用・製造・供給する権利が生まれます。
ここで誕生するのがジェネリック医薬品です。
さて、ここから分かるように、先発医薬品が提供され始めてから特許が切れてジェネリック医薬品が提供されるまでの期間も相当長くなるのですが、何故かインドにおいては先発医薬品の特許が切れる前に大量のジェネリック品が製造されています。
その理由として、実はインドでは他の国とは異なる特許法を持っているためです。
医薬品の特許には、「製法特許」と「成分特許」の2つがありますが、インドは成分特許のみを認め、製法特許は認めていません。
要するに、先発医薬品と同じ成分を使うことはOKですが、同じ製法を真似てはいけないということです。
そのため、違う製法で製造すれば特許に触れないとしています。
このことからインドでは、特許適用から外れている先発医薬品のジェネリック品を特許切れの前に製造して販売することが許可されているのです。

ちなみに、ジェネリック品の特徴である効果はそのまま、価格は安いということで、貧困が問題となっている発展途上国に多く出回っているようです。
また、日本でもインド製のジェネリック品が販売されていることがあります。
まとめてみると、インドのジェネリック品は違法に製造されたものではなく、きちんとした正規品であるということが言えますね。
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